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第960話

Author: 小春日和
「政略結婚だ。愛情なんて最初からない」

「立花社長はずいぶん率直だね」

真奈は周囲に集まっている、立花が呼び寄せたメディア関係者を一瞥し、口を開いた。「白井家を利用して黒澤を締め出そうなんて考えているなら、無駄なことはやめた方がいいわ」

「なんだ、俺を信じないのか?」立花は言った。「瀬川、お前は何度も俺を騙した。それでも咎めなかったのは俺が大人だったからだ。今日はここでしっかり見届けろ。俺がどうやって海城のリソースを奪うかを」

真奈はふっと笑った。「残念だけど、私は海城の資源を奪うところを見に来たんじゃない」

「ほう?じゃあ何をしに来た?」

「あなたがどう恥をかくかを見に来たの」

真奈の瞳に、一瞬狡猾な光が走った。

宴会場の中央では、司会者が今日の主役二人を紹介し始めていた。立花グループの社長である立花孝則と、白井家の令嬢である白井綾香が舞台に上がり、婚約を発表する段取りだ。集まったメディアも、このニュースを一斉にネットへ流そうとしていた。

中央で祝辞を述べる司会者を見やりながら、立花は手にしていたシャンパンを真奈にさっと渡し、言った。「見てろ。黒澤が海外で築いたもの
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