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第 381 話

Author: スイカのキノコ
真依は頷いたが、何も話さなかった。

残念ながら、前回綾乃が電話で話していた時の様子を録音しなかった。

それに、録音しても無駄だったかもしれない。

彼女は他人がなりすましたと言い張るだろう。

何しろ彼女が電話に使ったスマホ番号が誰のものか、真依もはっきりしないのだから。

「もちろん、好き嫌いは君の自由だ。ただ、一度だけ表面的な形だけでもいいから、彼女を安心させてあげられないか?」雅義の目には少し期待が込められていた。「彼女は君が嫌っていないと分かれば、立ち去るだろう」

真依は心の中で思った。雅義はまだ綾乃のことを見誤っている。

もし彼女が譲歩すれば、後で無限の面倒事が待っている。なぜ彼女が菩薩様
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