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第9話

Author: 流川翼
入院二日目の朝、時乃は母からメッセージを受け取った。

【資格証明書、予定より早く下りたわよ】

たった一言、「わかった」と返信を送った時乃は、すぐさま病院に連絡して退院の手続きを済ませた。

このところ、紗良はまだ術後の回復期で、隼人が自分の病室に顔を出すこともなかった。彼が次に来る頃には、もう自分はこの海栖市からいなくなっているかもしれない――

退院手続きを済ませると、雇っていた介護スタッフに車椅子を押してもらい、飛行センターへと向かった。

そこで証書の発行手続きを終えたあと、再び病院へ戻った。この時間、隼人は会社にいる。病室には、紗良ひとりだけだった。

彼女は快適そうにベッドに寝そべっていた。

ドアが開く音に気づき、彼女は顔を向けた。「何しに来たの?」

時乃はまっすぐ彼女を見つめた。「ちょっと伝えたいことがあって。あなた、隼人が自分に抱いてる感情が普通じゃないって気づいてるでしょ?どうしてだと思う?」

時乃は彼女が戸惑うかと思った。だが、紗良はふっと笑っただけだった。「そんなの、言われなくたって知ってるわよ。おじさんが私のこと、好きなんでしょ?」

時乃は目を見開いた。「......知ってたの?」

「当たり前でしょ。私、馬鹿じゃないもの。おばさん、私は気にしないわ。だっておじさんが私を好きなら、私は宗方家の奥様になれるんだもん。そうなったら、宗方家の財産の半分は私のものよ?」

女の目には、欲望の色が浮かんでいた。

時乃の唇がわずかに震えた。「じゃあ、今まで私にしてきたこと、全部わざとだったの? 私を追い出すために?」

「他に何があるの? あなたがいくら彼を愛してても、私が指一本動かせば、彼はあなたを捨てて戻ってくる。あなたが悪いのよ。愛すべき人を、間違えたの」

紗良は腕を組み、誇らしげに笑った。

――そういうことだったのか。

ずっと自分に敵意を向けてきた理由も、これですべて腑に落ちた。

時乃は握りしめていた拳をゆっくりとほどいた。来る前に録音していたが、紗良の冷たい嫌味を録れると思っていたのに、思いがけず紗良の本音が録れていた。

「そう......なら、安心していいわね」

紗良の表情に一瞬疑念が浮かぶ。「どういう意味?」

「私はもう行くわ。宗方家の奥様、その夢、早く叶うといいわね」

そう言い残し、彼女は部屋を後にした。

病院を出たあと、時乃はすぐに先ほどの音声データを定時送信設定にした。

三日後、隼人のスマホへ送られるように――その頃には、自分はきっと外国の空の下にいる。

彼に、紗良が無垢な少女なんかではなかったことを思い知らせてやる。

そして、信頼が壊れていくあの苦しさを、彼にも味わわせてやる。

すべての準備を終えた時乃は、介護スタッフと一緒に、海栖市でも有名な鍋料理の店へ向かった。

彼女の大好きな薬膳鍋を注文した。

スープが煮立つ頃、店の入口から隼人が入ってきたのが見えた。

彼は奥の個室に入っていった。

その直後、時乃のスマホが鳴った。

届いたのは、隼人の位置情報とひと言のメッセージだった。

【今、鍋料理の店にいる。君の好きな薬膳スープを注文した、もうすぐ病院に届ける】

時乃はその通知を一瞥し、何も返さずスマホをポケットにしまった。

食事を終えて、彼女は立ち上がった。

偶然にも、彼の個室の前を通った。

扉の隙間から漂ってきたのは、あの香り――薬膳鍋だけではない。紗良が好きだった寄せ鍋の匂いまで混じっていた。

やっぱり、まだ嘘をついてたんだ。

でももういい。

隼人、私はもう行く。

空港では、桐谷家のプライベートジェットがすでに待機していた。

「アイツ、お前をこんな姿にするなんて......マジでぶっ飛ばしてやろうか?」

兄の桐谷俊一(きりたに しゅんいち)は、かつて明るく元気だった大切な妹がこんなふうに変わってしまった姿を見て、怒りを抑えきれず、すぐにでも隼人を問い詰めに行こうとした。

時乃は兄の腕をそっと掴んで言った。

「もういいの、兄さん。私はあの人に、二度と会いたくない」

「......ああ。行こう。最高の医者を探して、治療してやるよ」

飛行機が離陸すると、海栖市の街並みがどんどん遠ざかっていく。

時乃は静かに、スマホのSIMカードをへし折った。同時に、彼に縛られた五年間の鎖も――完全に断ち切ったのだった。

さようなら、隼人。
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