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第17話

Autor: 小野ナイ
昴真は、病み上がりの体を顧みることなく、階段を駆け下り、病室の扉をひとつひとつ開けて回っていた。

そして——

ある瞬間、目の前に現れた華奢な背中に、彼の動きがピタリと止まった。

「紬音!」

頭よりも早く、体が反応していた。もう何も考える余裕もなく、昴真はその背中を追って走り出す。

今度こそ逃したら、彼女は本当に消えてしまう気がして。

紬音は、病室のドアを閉めようとしたその手を止め、聞き慣れたその声に顔を振り返る。

そこには、息を切らせながらこちらへ向かってくる昴真の姿があった。

一瞬だけ迷いがよぎった。だが彼女はすぐに顔を背け、そのまま階下へと駆け降りた。

今は、彼に会いたくなかった。どんな言葉を向けられても、心はもう動かない。

病院の正面に出た彼女は、ちょうど通りかかったタクシーを止めた。

「運転手さん、早く!」

後方では、昴真が息を切らしながら追いつき、窓を激しく叩いていた。

「紬音、紬音!

お願いだ、話を聞いてくれ!

行かないでくれ!」

紬音は一瞥もくれず、ただ前を向いて「早く出して」と運転手に促した。

タクシーの背後で手を伸ばす昴真の姿が遠ざか
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