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第7話

مؤلف: 栗栗
翌日、日高が出勤すると、家には夢夢と希穂だけが残された。

愚かな男がいなくなると、夢夢は仮面を脱ぎ捨て、本性をむき出しにした。

「小野さん、本当に我慢強いわね。私がこんなに傍にいるのに、まだ耐えられるなんて……呆れるほど感心しちゃう。私だったらとっくに綺麗さっぱり身を引いてるわ。

私がここに入り込めたんだから、いつかあなたを追い出すことだってできるわ。誰がどう見たって、日高さんはもうあなたに興味なんてないんだから。

ただあなたが一方的にしがみついてるだけよ」

言葉が終わらぬうちに、希穂は素早く彼女の頬を平手打ちした。

「それだけ言いたいの?相手にする価値もないくせに、調子に乗らないでよね。

私がいる限り、あなたは永遠に愛人だ。告げ口したければどうぞ。日高があなたのために仕事と面子を捨てるか、楽しませてもらうわ」

希穂は手を拭いながら、夢夢をゴミを見るような目で一瞥した。

所詮は三流の女。一時の寵愛を得たから、希穂がもう日高に依存していないことに気づいていないなんて。

夢夢は頬を押さえ、「覚えてろ」と捨て台詞を吐いて部屋に逃げ込んだ。

彼女の目に宿った毒のような憎悪は見逃さなかったが、希穂は少しも恐れていなかった。

失うものなど何もないのだから。

夜、日高が帰宅すると、夢夢はマスクで顔の大半を隠していた。平手打ちの痕は巧みに隠れていた。

希穂は告げ口されるかと思ったが、彼女は「風邪気味で感染が心配だから」と涼しい顔で嘘をつき、日高は慌てて風邪薬を用意した。

希穂は悟った。夢夢が手を引いたわけではなく、もっと大きな仕返しを画策しているのだと。

翌日は週末。希穂は産婦人科の森田(もりた)先生への贈り物を買いにデパートへ向かった。

この間大変お世話になったので、別れの挨拶を兼ねて感謝を伝えようと思ったのだ。

すると夢夢も買い物に同行したいと言い出し、日高を引き連れていくことになった。

コート専門店で、希穂はシープスキンのコートを気に入り、店員に取り寄せを依頼した。すると夢夢も同じものを欲しがった。

在庫は一点限りだった。

希穂に譲る気など毛頭なかった。

夢夢は薄気味悪い笑みを浮かべ、嘲るように言った。

「小野さん、私が欲しいものは――このコートも、日高さんも、必ず手に入れるのよ。まだ奪い合うつもり?」

希穂は唇をきっと結び、凛とした声で言い放った。

「日高のことならくれてやる。でもこのコートだけは絶対に渡さないわ」

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