「わかった」妹がサンドイッチを食べると言ったので、唯月も同じくサンドイッチにした。彼女はキュウリはあまり好きじゃないので、多めに妹のほうへ入れておいた。「できたわよ」唯月は妹に声をかけながら、出来上がったサンドイッチを持ってきた。唯花は手の動きを止め、手を洗いに行き、それから自分の分のサンドイッチをもらって運んできた。姉と妹は同じテーブルに座り、唯花はいつもの癖で携帯を取ってニュースを見ながら食べようとした。「食べる時はそれに集中して、携帯は見ないのよ。それを置きなさい」唯月は唯花に携帯を見ながら食べるのを注意した。「ただちょっと見てるだけなのに」唯花は口ではそう言ったが、やはりおとなしく姉の言うとおりに携帯をポケットに戻した。「今後はご飯中に携帯を見たらダメよ」「わかった」姉を目の前にすると、唯花は食い下がることはできない。それに携帯を見ながら食べるのは、確かに悪い習慣だ。「お姉ちゃん、今夜は本当に一緒にパーティーに行かない?」「ええ」「お姉ちゃんも、ああいう世界を見に行ってもいいかなって思うんだけどな」唯月はゆっくりサンドイッチを食べていた。「今のところ社交界に足を踏み入れる必要はないわ、まだ私はそんなレベルではないもの。だけど、あなたは違うわよ、今は結城家の若奥様になったんだからね。だから上流社会の世界に慣れていかないと」唯花は姉を説得できないので、ただ諦めるしかなかった。詩乃が唯月に一緒に行かないか誘ったが、それも断ったのだ。「お姉ちゃん、車はいつ納車されるの?」昨日の午後、唯月は二百万もしない車を購入した。姫華がもう少し高い車を選ぼうとしたが、それは断ったのだ。彼女は一般的な車を選んだ。「数日したら受け取りに行けるわ」「そっか」姉妹二人がおしゃべりしながら朝ごはんを食べているところに、隼翔が来店した。彼は唯月が雇っている二人の店員よりも早い時間にやって来た。彼が店に入ってから、その店員二人もその後やって来た。「東社長、今日はお早いですね」唯月は食べていたサンドイッチを置くと、立ち上がって隼翔を迎え笑って言った。「東社長、今日はお休みじゃないんですか?何を召し上がります?」隼翔は唯花もここにいるのを見て、先に彼女に会釈した。そして唯月がまだサン
続きを読む