All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1371 - Chapter 1374

1374 Chapters

第1371話

「おばあさんも言ってたが、うちは女の子を産んだ者は、家庭内の共有財産から百億のお祝い金が支払われるって。それから、私とお母さんからもあるんだぞ。私たち二人合わせた金額はおばあさんのその金額を超えることはないが、それでも合わせて百億はある」栄達夫妻の私的財産は一体何百億あるのかわかったものじゃない。二人合わせて百億のお祝い金は、この二人にとっては大した金額ではないのだ。「そのお祝い金は、まだ誰も手にしたことがない。理仁、お前と唯花さん、頑張るんだぞ」麗華もニコニコして言った。「もしあなた達が女の子を産んだら、私がもってるジュエリーの半分はその子のものね」この時理仁は両親を見つめていた。両親のその嬉しそうな話が終わってから、理仁は沈んだ声で言った。「尿検査をしたら陰性だった」「陰性?」栄達が妻のほうを見てみると、麗華は笑顔を固くし、すぐに口を開いた。「大丈夫、まだ若いんだし、結婚してからまだ半年しかたっていないんだから。それに焦ることはないわ、ゆっくり考えなさい。あなたたち二人が避妊してなければ、いつかは必ず子供を授かるんだから」「妊娠してないのか」栄達はがっかりした様子で言った。「お祝い金の出番が来たのかと、うきうきしてしまったぞ」麗華はすぐに慰めの言葉をかけた。「妊娠してないものはしてないんだから。この子たちはまだ若いから、焦る必要はないわよ。結婚式ですらまだやっていないのよ。今妊娠しちゃったら、結婚式の時にはお腹が出てきてしまって、ウェディングドレスを着たら見栄えがよくないわ。理仁、唯花さんのドレスはもう決めたの?」結城家の若奥様という立場なので、ウェディングドレスはもちろんデザイナーに頼んで、体の寸法も測ってオーダーメイドするのだ。理仁はまだ妻のドレスをオーダーしていない……彼は突然、この時自分が多くのことをまだ準備していないことに気づいた。恐らく、結婚式までまだまだ時間があると思っていたせいだろう。「当時、私たちがハネムーンから戻ってきた時に、理仁を妊娠していることに気づいたんだよな」栄達のこの言葉は別に他意はなかった。しかし、理仁の耳に入ると、その意味は変化してしまった。彼は両親は口では焦っていないと言いながらも、心の中では子供の催促をしているのだと捉えたのだ。それに、彼と唯花が結婚して
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第1372話

理仁「……俺だって別にひどいことは言っていないだろう。先に帰っただけなのに、なんで彼女が辛くて泣くんだよ?」彼は唯花が泣いているところを想像しただけで、胸が締め付けられるように苦しくなった。「もし唯花さんがあなたを病院に置き去りにして、一人で帰ってしまったら、あなたならどう思うの?」麗華は息子に聞き返した。麗華のこの長男は、このような感情に関することには非常に鈍い。だから結城おばあさんが彼に無理やり恩返しのために唯花と結婚させようとしたのも無理はない。このお坊ちゃんのねじ曲がった性格で、もし唯花でなく他の女性だったら、きっと頻繁に関係が硬直状態になっていることだろう。理仁は唇を噛みしめた後、言った。「別に俺には足がないわけでもなし、道がわからないわけでもない。彼女だって俺と一緒じゃなくても、自分で帰って来られるじゃないか」麗華「……」「俺の体は何も問題ないし、検査する必要もないって言ってある。彼女も俺が医者嫌いだとか、検査するって聞いたらしっぽを踏まれた猫みたいに大袈裟に反応するって言ったんだぞ」理仁はそのまま愚痴をこぼした。「俺の話を彼女は信じないんだ。彼女の俺に対する信頼はまだ足りてない。妊娠だって、したいと思ってすぐにできるもんじゃないだろう。妊娠してないものはしてないんだ。俺が彼女と結婚してまだそんなに時間が経ってないし、もし結婚十年くらいしてもまだ妊娠しないってなら、検査に行かないとさ」麗華「……」本当に、もし息子が結婚していなければ、麗華もずっと息子がここまで傲慢な奴だということを知ることはなかっただろう。彼女はもう息子に一発入れてやりたくてたまらなかった。「十年くらいって、あんた達もう結構な年になってるでしょ。検査して何か問題があるようなら長い時間をかけて治療する必要があるのよ。そんな時に唯花さんが妊娠するのは、もう高齢出産になるんだからね。このバカ息子、あんたのその頭はお飾りなわけ?別に検査するくらい、痛くも痒くもないでしょうが」この時、栄達も息子を叱りつけた。「今は検査するしないの問題ではなくて、唯花さんを一人病院に放置して一人でさっさと帰ってきたことが問題なんだぞ。理仁、もしこの件で唯花さんと冷戦に突入して、お前のことを無視するようになっても、私たちのところに訴えに来るんじゃないぞ。私たちは間に
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第1373話

理仁はこの時、もはや邪悪なオーラを放つほど暗い顔をしていた。「父さんと母さんだって、孫を期待してるんだろ?」麗華は言った。「そりゃもちろんよ、だけど子供を産めと催促はしてないでしょ。今回の件を私たちのせいにすり替えようとしないでちょうだい。私たちは一度だって唯花さんの前で子供を急かしたりしてないんだからね」「唯花さんのプレッシャーは大きいんだ」理仁は自分が唯花に体の検査をすると言われた時、敏感になりすぎていたとわかっていた。唯花の子供へのプレッシャーが大きいと感じたのだ。「唯花さんのプレッシャーが大きいと思うなら、彼女に言いなさい。子供っていうものは自然にできるものであって、私たちも催促しないから。彼女のプレッシャーが大きくなるともっと妊娠しにくくなるわよ。彼女にはもっとリラックスするよう言っておいて。あなた達が一緒にいた時間は長くないし、もし数年経ってもできないようなら、検査に行ったらいいわよ」「まったくその通りだよ。だから俺は検査はしなくていいって言ったんだ。俺と唯花さんの体は何も問題ないんだよ。ただ彼女のプレッシャーが大きいだけだ。俺だって彼女に言ったんだよ、悟と牧野さんの婚約パーティーが終わってから、気分転換に旅行に連れて行くって」麗華はふいに息子が実際は自分たちに注意喚起したいのではないかと気づいた。唯花が結婚して一年や二年経っても妊娠しなくても子供を催促するんじゃない、プレッシャーをかけるなと言いたいのだ。このクソガキはなかなか腹黒だ。彼らは唯花の義父母として、本当に子供の催促はしたことがない。それは、夫婦が結婚式すらもまだ挙げていないからだ。そんなに焦って子供のことを話す必要はないと考えているのだ。「わかったわ、あなた達夫婦の事だから、自分たちで解決しなさいね。お母さんは十年は子供を期待してるだなんて言わないから。子供のことはあなた達が決めることだし」理仁の顔は穏やかになり、母親にお礼を言った。「母さん、ありがとう」「なによ、よそよそしいわね。さっさと唯花さんのところに戻って謝りなさい。今後はカッとなって、突き放して自分だけ帰ってこないのよ。もし、唯花さんがあなたにそんなことしたら、きっとあんたは発狂するでしょうが。唯花さんの性格がいいから、許されてる身だってこと覚えてなさいよ」麗華は不機嫌そうにそう
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第1374話

牧野家もさっき夕食を終えたばかりだった。唯花の機嫌が悪いので、食後は明凛が彼女に付き合って、近くをぶらぶらしていた。「唯花、旦那さん側の家族からは子供の催促はされてないって言ってたじゃない。どうしてそんなに自分で自分にプレッシャーかけるのよ」二人はとても親密な関係である。唯花と理仁が今までどうやってここまで来たのか、明凛はそれを一部始終見てきた人間だ。彼女は唯花から夫側に子供を産め産めと言われているのを聞いたことがなかった。「確かに向こうの家族からは催促されてないけど、こんなに時間が経ったのにまだ妊娠しないから、自分の体のどこか悪いんじゃないかって気になったの」唯花はため息をついて言った。「誰も私にプレッシャーなんてかけてきてないわ。だけど、私はなんだかプレッシャーが大きく感じるのよ。名家の人と結婚したからっていうんじゃなくて、一般家庭の人と結婚してたとしても、結婚してだいぶ経つのに妊娠の兆候もなくて不安になるのよ。私と彼が避妊してるんだったら、妊娠しなくても当たり前だろうけど」明凛は周りの家庭のことを考えてみた。普通、結婚してからすぐにおめでたの知らせを受け取るし、今では出来ちゃった結婚する人だっている。結婚して半年経ち、避妊もしていないのであれば、誰かしら裏でひそひそと何かを言うだろう。彼女は親友のそのプレッシャーが理解できた。「唯花、私まだ結婚したことないから、そういうことは経験ないんだけど、でもあまりプレッシャーに感じるのも良くないってのはわかるわ。あまりに気にしすぎると、逆に妊娠しにくくなるものよ。あなたはきっと大丈夫よ、そんなに変な方向に考えすぎないほうがいいってば。悩みすぎも体によくないしね」唯花はまたため息をついた。「明凛、今は妊娠できなくて辛いわけじゃないのよ。彼と喧嘩しちゃったの。理仁さんったら私一人残して帰っていったわ。彼、去り際は不機嫌そうで話し方も厳しかったし、すごい悲しくなる」明凛は親友の肩に手を回して、慰めの言葉をかけた。「結城さんの態度は確かに聞いてるだけでもイライラするわ。こっちも腹が立ってくるって。今夜はうちに泊まっていけばいい。もし結城さんが迎えに来ても、すぐに彼と一緒に帰らないのよ。あの人を焦らせてやりましょ。私からお父さんたちに言っておくから、外で何かあっても構わないでって」「彼、
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