「陽君」理仁は陽を抱き上げた。目を覚ました陽は、理仁を拒否することはなかった。彼が今最も信頼している人間は、叔母とその夫の理仁である。「陽君、怖がらないでね。おじさんがもう悪い奴らをやっつけてやったんだ。警察もあいつらを捕まえていったぞ。お医者さんが君のママを助けてくれたよ。明日、遅くても明後日にはママはこの中から出てくるからね。目を開けて陽君の名前を呼んでくれるよ」陽は真剣な表情で理仁を見つめ、尋ねた。「おじたん、本当に?」「おじさんがいつ陽君に嘘をついたことがある?本当だよ」理仁は陽を抱き上げ、トイレのほうへ向かった。「陽君、お顔と手を洗おうか」陽は自分の手が汚れているのを見て、頷いた。理仁は陽を連れてトイレに行き、彼の顔と手を綺麗に洗ってから、また出てきた。この時、ちょうどボディガードが食事を持って来た。唯花は食欲がなく、先に陽に食べさせようとしたが、陽も食べたがらなかった。理仁は再び二人を説得するように言った。「唯花、陽君、君たちが何も食べなかったら、倒れてしまうかもしれないぞ。義姉さんが目を覚ました時に、二人がそんな状態だと、きっと心配させてしまうだろう?陽君、おいで、おじさんが食べさせてあげよう。お腹がいっぱいになったら、お風呂に入って服を着替えようね。それからまたママが起きるまで待とう。今の服のままでいて、ママが目を覚ましたら、君を見て驚いちゃうよ」陽はまた下を向いて自分の服を見た。服も汚れていた。血が乾いた痕だ。陽を説得するのは簡単で、理仁にそう言われるとご飯を食べると言った。唯花も無理やりに食事を口に押し込んだ。理仁も言っていたが、彼女が何も飲まず食わずでいたら、耐えられなくなってしまう。姉が目を覚ます前に彼女が倒れてしまったら、その後姉の面倒をどうやって見るというのだ?それから三十分後。運転手がキャンピングカーを運転してやって来た。理仁は唯花に陽を連れてシャワーを浴びさせ新しい服に着替えさせるよう言った。唯花が離れた後、理仁は悟に電話をかけた。「悟、状況は?」「柴尾夫人は事情聴取に連れて行かれた。柴尾社長はいない」彼は悔しそうにこう言った。「柴尾社長はちょうど今朝出張で、星城を離れたらしい」理仁はそんなことだろうと予想していた。「彼以外は全て捕
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