成瀬莉奈という女の一体どこが良いのだろうか。俊介は完全に彼女の虜になってしまい、あの女のせいで自分の息子である陽まで大ごとになるところだったのだ。元妻の唯月が怪我を負ったというのに、それでも莉奈のことに必死になっている。英子は今、弟に対して不満しかなかった。それと後悔だ。もし弟と唯月が離婚していなければ、どれだけ良かったことか。英子は以前の自分は間違っていたと思い、今必死になってその過ちをどうにか軌道修正させて、弟と唯月を復縁させようとしていた。「佐々木さん、言いたいことがあるならはっきり言って。回りくどい言い方しないでくれるかしら。私、誰かと話している時に、遠回しに言ってこられても、その本心を探るのは好きじゃないのよ」唯花は英子のその表情から、ある程度予想はついていた。佐々木家は俊介と唯月を復縁させたいと思っているのだ。本当に笑える。唯月のことを何だと思っているのだろうか。佐々木家の思い通りになる都合の良い人間だとでも思っているのか?俊介が今のように落ちぶれていなければ、絶対に後悔したりしなかったくせに!「唯花さん、ストレートなのが好きだというなら正直に話すわね。その、あの東社長ってもしかして、あなたのお姉さんを追いかけてるんじゃないの?唯月さんが怪我をしたあの日の夜、夜中に様子を見に来たら、あの人が重症患者さんの病室の外にずっといたのよ。そしたら彼、ずっと彼女を見守っていたわ!私は恋愛を経験し、結婚して子供を三人も育てている人間だから、一目で悟ったわ。彼の唯月さんへの様子は単純ではない、絶対に彼女のことが好きなのよ。お姉さんを追いかけようとしてるんじゃない?言ったでしょ、彼があれほど陽ちゃんに気を配るのは、絶対に意図があってのことだったのよ。あの人、陽ちゃんの父親になろうとしてるんだよ!陽ちゃんには本当のお父さんがいるんだからね。俊介だって、陽ちゃんのことを構わず養う気がないってわけじゃないんだから、養父なんていらないのよ!唯花さん、私はね、お姉さんはやっぱり俊介と一緒のほうがいいと思うんだよ。唯月さんと俊介は知り合ってからもう十数年経つでしょう。お互い何だって知り尽くしている仲よ。確かに不愉快な思いをしてきたかと思うけど、今は俊介だって自分の間違いに気づいて、改めているんだもの。私たちだってお姉さんの味方
Read more