All Chapters of 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Chapter 1441 - Chapter 1450

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第1441話

成瀬莉奈という女の一体どこが良いのだろうか。俊介は完全に彼女の虜になってしまい、あの女のせいで自分の息子である陽まで大ごとになるところだったのだ。元妻の唯月が怪我を負ったというのに、それでも莉奈のことに必死になっている。英子は今、弟に対して不満しかなかった。それと後悔だ。もし弟と唯月が離婚していなければ、どれだけ良かったことか。英子は以前の自分は間違っていたと思い、今必死になってその過ちをどうにか軌道修正させて、弟と唯月を復縁させようとしていた。「佐々木さん、言いたいことがあるならはっきり言って。回りくどい言い方しないでくれるかしら。私、誰かと話している時に、遠回しに言ってこられても、その本心を探るのは好きじゃないのよ」唯花は英子のその表情から、ある程度予想はついていた。佐々木家は俊介と唯月を復縁させたいと思っているのだ。本当に笑える。唯月のことを何だと思っているのだろうか。佐々木家の思い通りになる都合の良い人間だとでも思っているのか?俊介が今のように落ちぶれていなければ、絶対に後悔したりしなかったくせに!「唯花さん、ストレートなのが好きだというなら正直に話すわね。その、あの東社長ってもしかして、あなたのお姉さんを追いかけてるんじゃないの?唯月さんが怪我をしたあの日の夜、夜中に様子を見に来たら、あの人が重症患者さんの病室の外にずっといたのよ。そしたら彼、ずっと彼女を見守っていたわ!私は恋愛を経験し、結婚して子供を三人も育てている人間だから、一目で悟ったわ。彼の唯月さんへの様子は単純ではない、絶対に彼女のことが好きなのよ。お姉さんを追いかけようとしてるんじゃない?言ったでしょ、彼があれほど陽ちゃんに気を配るのは、絶対に意図があってのことだったのよ。あの人、陽ちゃんの父親になろうとしてるんだよ!陽ちゃんには本当のお父さんがいるんだからね。俊介だって、陽ちゃんのことを構わず養う気がないってわけじゃないんだから、養父なんていらないのよ!唯花さん、私はね、お姉さんはやっぱり俊介と一緒のほうがいいと思うんだよ。唯月さんと俊介は知り合ってからもう十数年経つでしょう。お互い何だって知り尽くしている仲よ。確かに不愉快な思いをしてきたかと思うけど、今は俊介だって自分の間違いに気づいて、改めているんだもの。私たちだってお姉さんの味方
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第1442話

「あいつはまだ成瀬莉奈に代わってお姉ちゃんから許しをもらいたいと思ってる。つまりあいつはまだあの女のことを気にかけているのよ。それか彼も後悔しているのかもしれないわね。だけど、その後悔はお姉ちゃんと離婚したことに対してじゃないわよ。お姉ちゃんだってあいつと離婚したことを決して後悔したりしないから。佐々木さん、今後は二度と今日みたいにお姉ちゃんや私を探しに来ないでちょうだい」唯花は言い終わると、英子には何も言わさずその場に彼女を置き去りにして、振り返り病室の前で待っている理仁のほうへと向かった。理仁は二人の会話は聞こえていなかったが、愛する妻が驚くほど物凄い剣幕で向かってきているのを見て、不愉快になる話だったのだろうとわかった。「唯花、あの女をつまみだそうか?」「今日は必要ないわ」唯花がそう答え、すぐにボディガードたちに伝えた。「今後佐々木家の誰かが来ても、すぐに追い返してしまってちょうだい。お姉ちゃんの怪我が完全に癒えるまでは、お姉ちゃんと陽ちゃんには絶対に会わせないようにして」姉は回復した後、引き続きまんぷく亭の経営に戻るだろう。佐々木家が店に来るのを阻止することはできない。あの一家は図々しくも毎日のように店に騒ぎにくるはずだ。そうなれば、まんぷく亭の営業に支障をきたしてしまう。当初、佐々木家は理仁のことを非常に恐れていたが、今では確かに理仁は冷たい人間だが話の通じる相手であるとわかっている。理仁は俊介たちに仕事を失わせはしたものの、それ以上にひどいことはしてこないのだ。佐々木家はそれで、そこまで理仁を恐れることはなくなっていた。彼らはせいぜい理仁の部下を避け、唯月に付き纏っていく程度だ。佐々木家にとって不幸中の幸いは、唯月たちが離婚することになった時に、陽の親権を彼女に渡していたことだ。いくら彼らが恥を知らない人間だったとしても、やはり陽の実の父親や祖父母、伯母なのだ。陽のことを考えると、佐々木家を地獄に叩き落としてやりたいと思っている唯花はやはり情けだけは残しているのだった。「かしこまりました、若奥様」実際、毎回佐々木家の誰かが来た時は、ボディガードたちは彼らを病室に絶対に入れなかった。唯月が元夫に会ってもいいと言う場合を除いて、佐々木家が来ても無意味なのだ。唯花がボディーガードに指示を出した後、理仁は彼
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第1443話

入院病棟から出て、理仁の車に乗ると、唯花は携帯を取り出し、内海じいさんの番号をブロック解除して電話をかけた。唯花はあの実家の家問題を解決した後、彼らとの交流はほとんどなかった。以前、自分の利益になることであれば何でも唯花を利用しようとしていた内海家は、ひどい目に遭ってからというもの、もうそのような考えを持つのはやめてしまった。内海家は味方となる多くの親族がいるが、唯花の周りにいる人間はどれも金があり権力を持つ者ばかりであるから、到底敵う相手ではない。それに、内海じいさんとばあさんの二人は老後問題において、孫たちからショックな言葉を言われてしまったため、その時から騒ぐ意欲を失ってしまったのだった。彼らは昔、唯花姉妹には薄情な態度を取っており、彼女たちの両親の交通事故による賠償金の多くを奪っていった。そして、その金は全て彼らの子供たちへ資金援助し、その元手を使って起業した彼らは、今日のような良い生活が送れるようになったのだ。孫たちも、経済的に苦しい時には星城ではやっていけなくなってしまったことがあるが、田舎に帰れば、そこなら何かしらある程度稼ぎになるようなことをすることができた。そして息子、孫たちの貯金も少なくはなかったのだ。内海ばあさんが病気の間、子供たちが医療費を出す必要に迫られた時には、それぞれが自分の金を惜しみ、喧嘩にまで発展した。内海じいさんは夫婦で子供や孫たちには心血を注いできたというのに、そうするのが当たり前だと捉えられてしまっていて、夫婦二人への見返りはほとんどなかった。さらに孫からはおじいさんはただ子供を養っただけで、孫である自分は養われた記憶などないと言われてしまった。だから老後の件は孫に期待するなと言うのだ。しかし、おじいさんには財産がある。孫である彼らにはその一部分を相続する資格があるのだ。それで、内海じいさんもショックを受けて失意のどん底に突き落とされている。このようなこともあり、彼は子供や孫にそそのかされて、唯花姉妹に理不尽な要求をするのは二度としたくなくなった。人生の最期に、唯花姉妹の二人にその願いを託すことになるかもしれないと心配しているからだ。それ故、内海家は現在、おとなしくしていて、唯花の邪魔をしてくるようなことはなかった。そんな中、唯花から電話がかかってきて内海じいさんはと
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第1444話

唯花の話を聞いて内海じいさんは喜んでいた。それは彼女が困ったときに彼らに頼ってきたからだ。「お姉ちゃんがトラブルに巻き込まれて、怪我をしたのよ」「トラブルだって?怪我の具合は?どうして怪我なんてしたんだ?もしかして一週間前のことなのか?あの日、智明と智文が何度も私にお前から連絡が来てないか尋ねてきたんだよ。私はあいつらに何がしたいんだって聞いたが、何も返事がなくてな」内海じいさんはネットニュースなどはあまり見ないので、唯月が怪我をしたことを知らない。もちろん若い世代はこのことを知っていたが、誰もこの二人の老人には教えていなかった。村の人たちも何も言わなかった。唯花姉妹とその祖父母はかなり気分が悪くなるような騒ぎを起こしていたから、この二人に唯月の怪我を知らせてしまったら、人の不幸を喜ぶのではないかと考え、誰一人として教える者はいなかった。「そう、一週間前のことよ。今はかなり回復しているわ。だけど、お姉ちゃんの元夫側家族がいつもいつも付き纏ってきて、佐々木俊介と復縁させようとしているの。でも、お姉ちゃんが怪我をしたのは、元夫の再婚相手の女のせいなのよ。私にしろ、お姉ちゃんにしろ佐々木家とまた接点を持ちたくないわけ」唯花はだいたいどういうことなのかを説明した。それを聞いた内海じいさんは、佐々木家全員をこれでもかと罵った。じいさんと佐々木母には因縁がある。彼女から金を受け取った後、頼まれたことを遂行していない。彼女はじいさんにその金を返せと言ってきたのだが、すでに懐に入ってきた金を返せなど、到底有り得ないのだ!だから、内海じいさんと佐々木母のわだかまりはかなり大きくなっていた。「確か、お前の姉さんは弁当屋を開いていて、かなりの人気が出ているらしいじゃないか。毎日毎日次々と金が入ってきてるんじゃないのか。お前は財閥家に嫁いだし、二人には超金持ちの伯母さんもいる。佐々木家のやつらは唯月に能力があるとわかり、甘い汁をすすりたくなったのだろう。だから、また復縁を考え出したんだ。この、恥知らずめが、あの一家は揃いも揃って面の皮が厚いな!唯花や、じいさんとばあさんに何をしてほしいのか、言っておくれ」唯花は焦って頼み事はせず、逆に尋ねた。「ねえ、おじいちゃんとおばあちゃんは今生活はどうなの?息子さんや孫たちから生活費とか必要経費をもら
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第1445話

唯花は内海じいさんとの通話を切ると、携帯を握ったまま理仁に言った。「あなたのアドバイス通りに、あいつらの力を借りて佐々木家に対抗してみましょう。まだお姉ちゃんが平穏に暮らしていけるか、どこまで効果が発揮できるかわからないけど」「暫く様子を見ていればわかるさ。きっと抜群の効果を発揮することだろう」理仁は自分が打ちだした対策案にはかなりの自信があった。「唯花、あまり心配しないで。今俺たちが考えないといけないのは、今夜君がどんなドレスとジュエリーを着用するかという問題だよ」唯花は彼をちらりと見た。「なんだか、九条さんの注目を奪ってしまおうとしているような言いっぷりね」理仁は自惚れた様子で返した。「別に奪う必要なんてないさ。どんな場面でも俺が現れるだけで、その場の人間の注目を集めてしまうんだからね。俺がいるだけで、悟なんかかすんでしまうだけだ」唯花「……」理仁は悟を蹴落として、いいところを持って行こうと自信満々になっているが、唯花のほうは親友である明凛の見せ場を奪うようなことはしたくない。彼女は笑って言った。「私が選べるドレスはあなたがプレゼントしてくれたのか、伯母様と一緒に買いに行ったものばかりよ。自分で買ったのはまだ数回しか着ていないの。あなたと一緒にこういうパーティーに出席する時に自分で買ったドレスを着るチャンスはないんじゃないの?」そして俺様大王を一瞥してから彼女は言った。「最近はちょっと暑くなってるし、布の多いドレスを着させないでよ、暑くてたまらないから」彼が贈ったドレスは肌の露出が少ないものばかり。しかし、その中にはかなり露出を抑えたものがあり、春か冬に着るのはちょうどいい。今は四月に入り、星城は昼間かなり暑い日が増えてきたので、冬用のドレスを着るとかなり暑い。この時理仁は、ふふふと低く笑っていた。「今夜は君が自由に選んだらいい」彼女が言うには、理仁が贈ったものはどれも露出が少ないらしい。だから彼女がどのドレスを着るかはどうでもいいのだ。彼が贈ったドレスであれば何も問題はない。「まだ早いから家に帰って少し休んだらいい。夕方起こしてあげるからさ」理仁は彼女の目の周りにクマができているのを見て、胸が締め付けられた。唯花は彼の方にもたれかかり、あくびをして言った。「一緒に休みましょう。あなたのほうが私
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第1446話

唯月が唯花に昏睡状態で両親に会った話をした後、唯花は数日ほどきちんと眠ることができていなかった。いつも夜中に何かに怯えたようにハッと目を覚まして、こっそりと姉のベッドまで行き、息をしているか確認した。そして姉が生きていることがわかるとようやく安心を得られた。幼い頃に両親とも失ってしまい、家族を失う苦しみを嫌というほど味わった唯花は、さらに唯一残った姉を失う恐怖に襲われたのだ。「さあ、私と一緒に二階に行って、ドレスに着替えましょうか」結城家と九条家は親交の深い家同士であり、悟の婚約パーティーには、麗華ももちろん顔を出す。それに麗華の実家である白鳥家と九条家も実は親密な付き合いがあるので、白鳥家の兄弟、おじや甥たちも今夜は出席する予定だ。唯花は言われた通りに立ち上がると、義母と一緒に二階にあがっていった。そして少ししてから、唯花はドレスに着替え、薄く化粧を施すと、以前から用意していた明凛への婚約祝いのプレゼントを手に持ち、義母と一緒に下に降りてきた。理仁と栄達の二人はリビングで唯花と麗華の二人を待っていた。そして二人が降りてくると、彼らは自分の愛する妻の名前をそれぞれ呼んだ。理仁は言った。「唯花、ちょっと何かお腹に入れてから行こうか」昼に、唯花はあまり食べていなかったのだ。九条家に到着しても、すぐに食事を始めるわけがない。理仁は唯花がお腹を空かせるのではないかと心配だった。唯花はこの時すでにお腹を空かせていたが、恥ずかしくて言い出せなかった。理仁は彼女のことをよく考え、気が利き、彼女のお腹を少し満たしてあげた。そして、一家四人が出かけようといている頃、辰巳のほうは咲の周りに付き纏い、彼女を連れて九条家に行こうと説得中だった。「柴尾さん、いろいろと手伝ってあげたので、今日は俺の頼みを聞いてください。もし断りでもするなら、冷たくないですか?」辰巳はまるで金魚のフンのように咲の後ろを纏わりついていた。この時、咲は花に水やりをしていた。辰巳のそのような文句を聞き、彼女は手元の動きをピタリと止めて、振り返り辰巳と向き合うとそっけない口調で言った。「結城さんにはいろいろお世話になって非常に感謝しています。そのたびにあなたには食事をご馳走していますので、それがお礼ということです。今は何も借りは作ってないと思いますが。
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第1447話

「結城さん、すみません」咲はやはり丁重に断ることにした。辰巳は彼女の手からジョウロを取ると、その手を引きレジの奥に座らせて言った。「柴尾さん、座って、ちょっと話したいことがあるんだ」「話?」辰巳は二人の店員がいないのを確認した。彼女たちは客に配達に行っているのだ。実は辰巳が人に頼んでわざと二つの花束を注文させたのだ。こうすれば店員二人ともいなくなる。ブルームインスプリングは、柴尾家のあの二人のおばが騒いでいることで一気に商売が下り傾向にある。「君はずっと、どうして俺が君に近づいて、助けようとするのか、知りたいと思っていただろう?」咲は彼のほうを向いて、返事をしなかった。彼女はそれをとても知りたいと思っていた。しかし、彼が何も言わないなら、彼女も尋ねることはできなかった。それでいくら考えてもその答えは出なかったのだ。彼が初めて彼女の花屋に現れた時、お互いにただの赤の他人だったと保証できる。「今年になって、ばあちゃんが二枚の写真を持ってきた。一枚は俺に、もう一枚はうちの奏汰にだ。そして俺に渡された写真は、君の写真だった」それを聞いて咲は驚いた。結城おばあさんは、いつの間に咲の写真を手に入れていたのだろうか。しかもそれを辰巳に渡すとは、どういう意味だ?咲は懸命に以前のことを思い返してみたが、結城おばあさんに会った記憶など一切なかった。彼女はただの柴尾家にいる透明人間。結城おばあさんは結城家で最も高い地位にある人間で、一族から尊敬される人物だ。それだけでなく、星城でも多くの人から好かれ、愛される人である。そんな二人は一ミリたりとも接点など存在しない。辰巳はそう言ってから、その続きは何も言わない。咲は暫くの間彼が話すのを待っていたが、我慢できずに尋ねた。「結城さん、おばあ様はどうやって私の写真を手に入れたんですか。その写真をあなたに渡したって、どういう意味です?」彼は一気に話すことなく、彼女をおあずけ状態にさせた。この男は彼女にとても良くしてくれるが、時にはふざけた嫌な奴になる。「当ててみて」「さっぱりわかりませんよ」咲は正直に言った。「やっぱり、結城さんがその答えを教えてください」辰巳は手を伸ばし、彼女の黒いサングラスを外して言った。「君の顔はもともと小さいのに、こんなに大きなサ
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第1448話

「ばあちゃんは、写真に映る女性が、俺に選んできた嫁候補だと言ったんだ。一年以内に、その写真の女性と結婚しないと、この孫である俺を結城家から破門にするってね」咲「……」どうしてこんな答えなんだろう。結城おばあさんはどうして咲を気に入り、結城辰巳の妻にさせたいと思ったのだろうか。咲は目が不自由だというのに。「もう四月だから、俺にはあと数カ月時間がある。ゆっくり君に好きになってもらうよう頑張るさ。そして俺たちは順番通りにやっていこう。恋愛して、婚約、それから結婚で、終わり。あ、いや、それで俺はばあちゃんから追い出される心配をしなくてよくなる。これも違うか、うーん……今はどう言っていいのかわからないな」自分の言葉はなんだか、咲には彼が任務を全うしようとしていると聞こえてしまうような気がしたのだ。確かに辰巳は自分は与えられた任務を遂行するために咲に近づいたと認める。しかし、彼女と交流していく中で、咲はなかなか良い女性だと思うようになっていた。彼女は彼にはめられた瞬間いつも怒ってはいるものの、彼に対してどうしようもないという様子をするのが面白かった。柴尾夫人は捕まり、柴尾社長が警察の調査を受けてからは、柴尾家のビジネスは咲が電話だけでうまく処理することができている。辰巳は彼女が電話しているのを傍で聞いていて、信じられなかった。この目の見えない女性は、コツコツと準備を進めていたのだ。そしてその瞬間、辰巳は咲に対して全く何も理解できていなかったと気づいた。それから彼はしっかりと彼女について深く知りたいと思うようになった。「咲さん、初めて君に会いに来た時から、俺は君のことを将来の妻だと思って見ていたんだ」咲「……」「驚いてもいいし、おかしいと思ってくれてもいい。俺のばあちゃんがやることは、いつだって不思議に思うことばっかりなんだ。つまり、俺はもう君のことを妻だと思ってるんだよ。俺は君に好きになってもらうよう積極的になるつもりだ。君が俺に対して愛が芽生えた時、婚約して、結婚しよう。年越しまでまだ八ケ月もあるから、時間的にはまだ間に合うだろう」もしできるなら、彼は一年以内に彼女との間に子供ができればいいとも考えていた。それで彼の人生は完璧だ。しかしその考えは辰巳は口にできなかった。咲に追い出されるかもしれないからだ。咲が本気
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第1449話

九条家。理仁の専用車の列が到着したのは早めの時間だった。理仁と悟は親友で、上司と部下の関係でもある。さらに彼は悟と明凛の縁を結んだこともあり、理仁夫妻はもちろん早めに到着した。九条家と牧野家の全員がすでにこの場にいた。そして結城栄達夫妻が車を降りてくると、両家は率先して彼らを迎えにいき、悟と明凛は親たちの後に続いた。栄達と麗華の二人は明凛の両親とは面識がないので、悟の両親が紹介する形となった。握手をし、挨拶を終わらせると、明凛の母親である莉子が麗華のほうを見て微笑んで言った。「結城夫人は、息子さんとは姉弟のように見えますね。肌がとってもお綺麗だわ」唯花が車を降りて近づいて来ると、莉子のそのセリフが聞こえてきて、微笑んで話しかけた。「本当にそうなんです。私とお義母さんが一緒に街を歩いていると、周りから姉妹みたいだって言われるんですよ」麗華は笑って言った。「ちょっと、二人ともそんなに私をおだてないでちょうだい」莉子は言った。「結城夫人、おだてているのではなく、本当の事を言っているだけです。唯花ちゃんのことは小さい頃から成長を見てきたんですよ。彼女はとっても誠実で、正直に話す子なんです」唯花と明凛は親友で、普段、莉子は唯花のこともよく面倒を見ていた。何か美味しいものがあれば、唯花を家に呼んできて一緒に食べたり、明凛に包んで本屋まで持たせたりしていたのだ。そのこともあり、麗華はよろこんで莉子の面子を立てていた。そして、莉子ととても楽しそうにおしゃべりをしていた。悟の母親である小百合はみんなに家に入るように伝えた。唯花は時間を作って、ようやく親友とひそひそ話することができた。「唯月さんは良くなった?」明凛はまず唯月の状況について尋ねた。明凛は婚約のことで忙しく、ここ二日はただ電話をかけて唯月の体調を気遣うことしかできず、病院までは行けなかったのだ。「かなり回復してるよ。あと一週間入院したら退院して家で静養すればいいんだって。お姉ちゃんに頼まれてあなたに婚約祝いを持って来たわ。お姉ちゃんがあなたと九条さんに年を取っても仲良く暮らしていってね、だって」明凛は笑顔で言った。「唯月さんにお礼を言っておいて。悟とは白髪になってもラブラブしてるわよ。ところで、陽ちゃんは連れてこなかったの?」「私は連れて来たか
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第1450話

「俺たちは今こんなに幸せに暮らしているんだ。悟と牧野さんたちも絶対に幸せになるさ」九条家と牧野家はどちらも理仁夫妻には非常に感謝していた。九条家は理仁が独身を卒業しても、仲の良い親友のことも忘れず、悟に明凛を紹介してくれて、義理堅いと感じていた。牧野家もそのように思っていた。九条家は明凛のことをとても気に入っている。牧野家も九条悟という婚約者がいて喜び、明凛の弟である涼太の立場も薄くなってしまった。明凛に関しては言うまでもない。もし、彼女が両親の前で堂々と悟の文句でも言ようものなら、ギロリと睨まれてしまうだろう。明凛は悟の前では何度も不満を漏らしていた。彼と付き合うようになってからというもの、彼女の両親はまるで悟の親になってしまったようだ。悟はそれに非常に満足して自負までしているのだった。婚約パーティーに招待された客は、ほとんどが車でやって来た。しかし、数名の客は例外で、プライベートジェットでやって来た。彼らは九条家の当主が持つ個人の専用飛行場に止めた。唯花は興味津々で隣にいる理仁に尋ねた。「プライベートジェットで来るお客様って一体どなたなの?」「俺の予想が当たっているなら、きっと柏浜の白山家だろうね。九条家が招待した客人なら、星城もその他の都市の人もみんな来てるし、あとは柏浜の白山家だけが到着してないから」柏浜の白山家ほどの実力であれば、プライベートジェットを持っているのは普通のことだ。理仁も自分のプライベートジェットに豪華クルーズ船も持っている。「柏浜の白山家?じゃ、あの白山玲さんのおうち?」唯花はまだおばあさんが出張で柏浜に行く時に自分を連れて行ってくれなかったことを残念に思っていた。それで面白いものを見逃してしまった。それがまさか悟の婚約パーティーにその白山家もお祝いに駆けつけるとは思ってもいなかった。やはり、九条家の人脈はかなりのものらしい。多方からやって来た招待客たちは、みんな大物で、それぞれ金持ちで地位のある人たちだ。だから、理仁が悟に何かを頼む時には、いくら困難なことであっても、それをどうにかできてしまうのだ。九条家にある莫大な人脈を駆使できるということだ。「そうだよ」理仁は愛おしそうに妻の鼻を突っついて微笑んだ。「後で白山家のご子息を紹介するよ。いずれは親戚になる人だから、今の
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