理仁は唯花を見つめ、暫くしてから、彼女の耳元で小さくごにょごにょと何か囁いていた。そして唯花は堪らず彼の腕をつねった。理仁も怒ることはなく、逆に笑って言った。「行こう、案内するよ」唯花はとても嬉しそうにしていた。二人は九条家の庭園にいて、白山会長が、妻と二人の「息子」と一緒に九条家と牧野家に案内されて入ってきた。そして大勢の人の中にいた奏汰は、白山会長の後ろに立つ、あのスラリと高く冷たいオーラを放つ「男」に目線がいった時、何か思わしげな表情をしていた。奏汰はここに柏浜の白山家がやって来るとは思っていなかった。姫華は赤ワインを片手に、唯花の傍に近寄ってくると、理仁に話しかけた。「結城さん、ちょっと唯花に内緒話があるから、ちょっとだけ彼女を借りるわね」理仁は暗い顔で姫華を睨んでいた。この女、公然と妻を連れ去る気か。姫華は、理仁が不機嫌そうにしながらも、自分に対して何もできない様子を見て嬉しそうにしていた。「理仁」唯花から甘い声で呼ばれた理仁は、白旗を揚げるしかない。彼が数歩彼女たちから遠ざかってすぐに、姫華が唯花に言うセリフを聞いてしまった。「唯花、見て、あの人すっごくかっこよくない?背が高くてイケメンだわ。冷たいオーラを放っているのもクールよね。まさかお宅の結城さんよりもイケメンがいただなんて初めて知ったわ」そして理仁は唯花を姫華に貸すのはやめることにした。彼はくるりと振り返り、まるでそびえ立つ山のように唯花の隣を陣取った。そして自分の背の高くカッコイイ姿で姫華に圧を与えていた。彼女がいくらどこかのイケメンを見ても、それは構わないが、唯花まで巻き込むのはやめていただこう!唯花は姫華が指さしたほうへ目線を向けると、そこには白山会長の後ろに二人のイケメンがいるのが見えた。それから自分の夫へ顔を向け、笑って言った。「私の目には、うちの結城理仁というお方よりも素敵な人は映らないみたい」この時、姫華も理仁のほうを向き、笑いながらからかった。「結城家の御曹司様、そんなにウサギみたいに耳をそばだてなくてもいいのではないかしら」「唯花が俺を鬱陶しく思わなければそれでいいので」姫華「……」理仁はいつの間にか、唯花を自分の腕の中に包み込むと、冷淡な様子で姫華に言った。「神崎さんの話は終わりましたでしょうか?招待客
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