香りぷんぷん……のもの?なんだそれ?桜子と隼人は顔を見合わせ、樹もまた、陽汰の中性的でどこか妖しい顔を驚いたように見つめていた。裕太はあまりの衝撃に口をぽかんと開け、目をこれ以上ないほど見開いている。頭の上から鈍器で殴られたような屈辱が、容赦なく裕太を襲った。あの夜の出来事が鮮明によみがえり、恐怖と怯え、そして恥辱が全身を駆け巡る。体はまるでふるいにかけられたように、ガタガタと震えていた。「お、お前……うっ……!」裕太は口元を押さえ、今にも吐きそうになる。「林田弁護士、ずいぶん苦しそうな顔してるね」陽汰は一歩下がって、樹の隣へ戻った。まるで疫病神でも近づいてきたかのように距離を取りながら、いたずらっぽく目を細める。「でもさ、お前の口って、十年放置された公衆トイレより臭そうじゃん?ちょっとうんこ食ったくらいで、今さら何が変わるの?むしろ、あるべき場所に戻っただけだろ」うんこを……食べた!?うわ、マジかよ!これは健一が人前で露出したときより、よっぽど破壊力あるぞ!「うぉえええっ――!」消えない悪臭が再びこみ上げ、裕太は両手で口を押さえたまま、よろめきながらドアを突き破る勢いで飛び出していった。「ははっ……やっば、無理、笑い死ぬ!ほんと無理!」陽汰は腹を抱えて笑い転げ、涙までにじませながら、隣のハンサムな男の腕を肘でつついた。「ねえ、なんでみんな笑わないの?これ、俺、一生笑ってられるんだけど!はははは!」樹は何も言わず、ただ陽汰を見つめていた。あまりにも生き生きとしていて、自由で、屈託がなくて。その笑顔を見ているうちに、自然と樹の口元もゆるむ。陽汰の笑顔を映す瞳の色は、静かに深みを増していた。「陽汰さん、早く教えてよ!いったいどういうことなの!?」桜子は目をきらきらさせ、好奇心全開の顔でぐいっと身を乗り出した。――陽汰さん?隼人の眉がぴくりと動く。小柄な彼女の腰を抱く手には、わずかに力がこもり、うっすら青筋まで浮いていた。この子、ゴシップ聞きたさにずいぶん甘えた呼び方してくるな……こっちの気持ち、まるで考えてない。いや、別に嫉妬してるわけじゃないけど。「俺さ、ある日、叔母さんたちとアフタヌーンティーしてたときに、鈴子さんから聞いたんだよ……」陽汰は目を輝かせながら、鈴子が手
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