「俺たちを捕まえたあとで私刑に及ぼうとしたことを、言い逃れできるのか?」拓海の手にしたノコギリがわずかに震え、危うく地面に落ちそうになった。「お前の息子はもう死んだのに、まさか一緒に殉死するつもりか?お前はまだ50代前半だ。努力すれば、まだ息子をもう一人持てる。だが、ここで立ち止まらなければ、賀茂家のこの莫大な財産は他の分家の手に渡ることになるが、本当にそれでいいのか?」最後の一言は、実に考えさせられるものだ。当時、時也の父が家を出たことで、賀茂家当主は苦もなく賀茂家全体を継いだ。その後この一族は賀茂家の中で我が物顔で振る舞ってきた。高い地位に長く居座り、手にするものが多くなるほど、人はそれを失うことを恐れるようになる。今は賀茂グループの20パーセントを時也に奪われているとはいえ、もし自分が投獄されれば、残りの80パーセントは賀茂家の他の者たちに分け取られてしまう。財を失った彼は、一生牢に入れられるだけでなく、獄中で屈辱を受け続け、苦しみながら、本来自分のものだった財産が他人に奪われていくのを見続けることになる。しかも、何もできない。そこまで考えると、拓海の胸中の憎しみはかなり薄らいだ。さらに、商治のある提案が彼の心を強く揺さぶった。それは、彼はまだ50代で、その気になれば子孫を残せるということだ。そうなると……彼は目を上げ、無様な姿の時也を見た。今夜、之也の配下たちは、時也をかつてない窮地に追い込んでいた。拓海はすでに、彼らの恐ろしさを身をもって知っている。今後、時也を殺す機会はいくらでも見つけられる。それに、今さら華恋を殺しても、何の意味もない。この世に本当の地獄など存在しないのだから。死ねば、それで終わりだ。華恋と一緒に死ぬというのは、哲郎が死ぬ間際に抱いた執念にすぎない。拓海は生きている人間だ。すでに一度哲郎に付き合って愚行を犯したのだから、そろそろ常人の思考に戻るべきだ。最悪でも、次に華恋を殺したあと、その遺骨を哲郎のそばに埋めてやれば、遺志を果たしたことにはなる。そう考えが整理されると、拓海の気持ちは一気に晴れた。「外にいる連中に伝えろ。すぐに掘削機を撤収させろ……生きている時也に会いたいのならな」その言葉を聞いて、商治の張り詰めていた神経はようやく緩
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