「若子......子どもを産むかどうかは関係ない。侑子の罪は、必ず裁かれる。俺は絶対に、あの女を許さない。それと......本当に、ごめん。あのときお前を信じなかった。俺が馬鹿だった......許してくれないか?」若子は目を閉じて、深く息を吸い込んだ。「このことについては、前は本当に腹が立った。でも、もう終わったの。人は誰だって、騙されることはあるわ。今、あんたが現実を見られるようになったなら、それでいい。だから―もうこれ以上は、何も言わない......遅いし、帰って」修の視線が、彼女の後ろへと向けられる。「......冴島は?いないのか?」「もう帰ったわ」「なに?」それは修にとって、まるで希望の兆しだった。「どこへ行ったんだ?まだ戻ってないのか?」「それ、あんたには関係ないことよ、修......今日、私が証拠を持って式場に行ったのは、あんたとの関係をどうこうしたかったわけじゃない。あの女がおばあさんを殺して、子どもまで狙ったから―だから、彼女を罰したかっただけ」修は食い下がるように言った。「じゃあ......じゃあ、たとえ侑子が捕まって、冴島がいなくなっても、俺とお前の間には、もう何もないってことなのか?」若子は静かに、けれどはっきりと答える。「修、この話、何度もしたよね。もう繰り返したくない。今は、お互いに自分の人生を生きましょう。あんたは山田さんのことを受け止めて、整理しないといけない。それに......今日はもう遅いし、帰って休んで。顔色、ひどいわよ」修は、今にも倒れそうなほど青白い顔をしていた。その目には生気がなく、どこか虚ろだった。「若子......俺、本気で侑子と結婚したかったわけじゃない。一緒になりたいのは、お前だったんだ......若子......!」彼は彼女の手を、ぐっと掴んだ。「触らないで!」若子は強く手を振り払う。「若子......!」ドサッ。次の瞬間、修はその場に倒れ込んだ。若子は思わず叫んだ。「修!......どうしたの?」しゃがみ込んで、彼の肩をゆすった。「若子......もう......疲れた......本当に......疲れたんだ......」修はそう呟くと、ゆっくりと目を閉じた。「修?修っ!」若子は慌てて手を伸ばし、
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