「瀬戸社長のあの二つの作業チームが本当に頼もしくて……」元々は基礎工事のために借りてきたのだが、浩二はすぐに自分が彼らの実力を過小評価していたと気づいた。基礎工事だけでなく、内装や資材の鑑定まで一流の腕を持っていたのだ。だから工事が終わった後も、浩二はしばらく彼らを時也に返さず、そのまま内装工事とスマート制御システムの補助作業を続けさせることにした。「……瀬戸社長、これで大丈夫?」凛もその言葉を聞き、浩二と一緒に時也の方を見た。時也は彼女の視線を受けて、わずかに笑った。「問題ない」凛が望むなら、どれだけの人手でも揃えてやれる。「瀬戸社長、ありがとう!」「時也って呼んでくれ」「……」凛はまたか、と心の中でつぶやいた。浩二が「へへ……時也、ありがとな」と続ける。時也は言葉を失った。食事もおおかた済み、浩二は会計をしようとした。しかし時也は浩二より先に立ち上がり、レジへ向かった。「女将さん、お会計」「瀬戸社長、お食事はいかがでした?今日の手羽先のから揚げのお味は?」時也は凛の方を見て言った。「彼女に聞いて」女将はにこやかに視線を向けた。凛は正直に答えた。「とてもおいしかったです」「お気に召したようで何よりです!最近この料理が大人気で、以前の看板メニューより売れてるんですよ。おかげで商売もずいぶん良くなりました。そういえば瀬戸社長の貴重なアドバイスに感謝しなければ」時也は支払いを済ませ、スマホをしまいながら言った。「俺じゃない、彼女に感謝して」女将はさらに笑顔を深め、どこか含みのある目つきで凛と時也を見比べた。「ええ、本当に!お二人ともに感謝ですね!」店を出ると、冷たい風が顔に吹きつけ、襟元にまで入り込んできた。凛は慌ててダウンジャケットのファスナーを一番上まで引き上げたが、それでも思わず身を震わせた。次の瞬間、時也は自分のマフラーを外し、彼女の首に巻いた。凛は一瞬呆然とし、我に返ると慌てて外そうとした。「いえ、いいの。ダウンを一番上まで閉めれば風は防げるから……」だが時也は取り合わない。「あげたんだから、そのまま巻いておけ」「……」……経済大学の正門前で、早苗と学而は実験室を出て、歩きながら話していた。早苗が言った。「焼き肉食べに行かない?牛タンが特
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