「座りなさい」亮はなおも言い張った。「浪川先生、言ったでしょう?私は忙しいの、時間がないわ……」「座りなさいと言っただろ、耳が聞こえないのか??なんだその上から目線の態度は?!自分を何様だと思ってる?!少し顔を立ててやったからって、調子に乗ってるのか!?誰があんたをここまで引き上げたか忘れたか?!毎年誰がリソースを確保してやっているんだ?!でなければ、あんたの取るに足らない実績で、大谷から予算を奪えるとでも思ったのか?!飼い犬が餌をもらいすぎると、主人に牙をむくようになるんだよ!」上条は罵声に打ちのめされ、呆然となった。「ど、どうして……」亮が彼女にここまで怒りをぶつけたのは初めてだった。「もう一度言うが、座れ!」上条はもう傲慢に振る舞うことができず、大人しく椅子を引いて腰を下ろした。「用件は?」声色まで慎重になった。亮は冷たく笑い、手元の招待状を掴んで彼女の顔に叩きつけた。「用件?!よくも聞けたものだな!?自分で見ろ!」上条は顔に招待状を叩きつけられても、反論ひとつできなかった。彼女は不思議そうにそれを拾い上げ、数秒後に声を上げた。「実験室の落成儀式?!そんなはずないでしょ?!」「どうしてあり得ないんだ?研究科長がさっき持ってきて私の前に投げてよこしたんだ。大学側にも届いている。これが偽物だと思うのか?!」「雨宮たちは学長にまで招待状を出したのか?!あの子は、まったく——」上条には今の驚きと怒りをどう言葉にすればいいのかわからなかった。だが心のどこかで、大学を巻き込んでしまった以上、事態は簡単には済まないと理解していた。「とにかく」彼女は深く息を吸い、歯を食いしばった。「雨宮たちが本当に実験室を作れるなんて信じない。きっと虚勢を張って、私たちを混乱させようとしているだけよ!」亮もその考えに明らかに同意していた。「今や大学側も知ってしまった。雨宮のチームが無理を言っていると完全に証明できなければ、私たちが無傷で引き下がることはできない。さもなければ……」上条がやってきたことは、隠しているつもりでも穴だらけだった。今が静かなのは、上層部が追及していないからにすぎない。ひとたび深く調べられれば、誰ひとり逃れることはできない。「明日は落成儀式よ。あの人たちが空から実験室を生み出せる
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