-59 初の深夜営業- ダルラン家の裏庭で唐揚げをたらふく味わい、ハイボールを浴びる様に口に流し込みまくってから数日の事。ビルの寮部分に住む魔学校生を中心に雇ったアルバイト達がレジや店の仕組みを含めて仕事に慣れて来たと思われる頃、好美は2店舗の主要メンバーを集めて緊急会議を行った。好美「本格的な営業を始めていきます。」 今まではデイ営業とナイター営業のみに限定し、全員が仕事に慣れるまで十分な期間を置いてきたのだが、遂にビル下店の本来の目的である深夜営業を始めていく事にした。しかし、イェットから一言。イェット「何言ってんだい、ウチはもう既に始めているよ。」 そう雑貨屋を経営する大魔法使いの妻が店長を務める「コノミーマート」では2週間前から試験的に始めていたのだが、「暴徒の鱗」の場合は調理技術等の観点から期間を置いていたのだ。 ホール担当のスタッフ、及びキッチン担当のスタッフの双方の教育が十分だと判断した好美はやっと決意を固めたのだという。イャンダ「俺も、ナイトマネージャーも、そしてお客さんもずっと待ち構えてたぜ。」好美「うん、では次の金曜日の夜から始めていきましょう!!」 金曜日を選んだのにもちゃんとした理由がある、ナイトマネージャーであるピューアとニーコルが両方とも出勤出来る曜日だからだ。念の為に人数を揃えておき、深夜に来る客数を余裕を持って把握する必要がある。 それに、「花金」とも言うではないか。呑んだ帰りにラーメンを食べたくなる人が多い事は言うまでも無い、オーナーである好美が正しくそうだからだ。 デイ営業では麺類やランチメニューを、そしてナイター営業では居酒屋メニューを中心に販売を行ってきたが深夜はどちらが必要とされるのだろうか。いや下手すれば両方の可能性もある、その事も十分に把握しておきたい。 ドラマで有名な「出来るものなら何でも作るあの食堂」では無いが、夜遅くにも関わらず店に来てくれるのだ。とても難しいと思うが可能な限り皆からの信頼を得たい。 数こそは少ないとは思われるが、好美と同様に普段夜勤として働くお客さんだっているはずだ。本人にとって少しハードで、ちゃんと役に立てるかは不安だと思われるが、好美は自分もちょこちょこお手伝いして好美なりに状況をしっかり把握しようと思った。 数日後、王宮での夜勤が休みである金曜日の夜。「暴徒の鱗
Terakhir Diperbarui : 2025-06-16 Baca selengkapnya