All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 571 - Chapter 580

612 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」69

-69 工事現場で- 「酒」という言葉にすぐさま反応した好美、相も変わらずこの世界は呑兵衛だらけだ。好美「呑み放題?!呑み放題?!勿論、呑み放題だよね?!」 あまりの喰らい付き様についタジタジしてしまう社長。結愛「分かったよ、分かったからちょっと下がって涎ふけ。」 翌日、例の駐車場にて貝塚財閥が契約した業者による工事が始まった。元々舗装はされていたが、学園のバスを止める為に白線を塗り替えないといけない上に所々穴が開いていたのでライカンスロープ達も大助かりの様だ。 工事後の完成予定図を見せながら、今回の工事の為に駆け付けたゴブリン・キングのブロキントが特別現場監督として結愛に説明をしていた。ブロキント「一応、奥の方の区画を広めに取って止めてたバスを動かしやすくしようと思うとる算段です。手前を中型のトラック等を止めるスペースにしてお互いに使いやすい場所出来ればええかなと計画してます。」結愛「成程・・・、因みにあそこの小屋は何のために?」ブロキント「ヤンチさん達の要望で管理人室を作る事になりました、また今度採用面接を行うって聞いてますけど。」結愛「そうですか、ではこちらも何か協力出来る事があれば仰ってくださいね。」 大切なビジネスの場なので「大人モード」で対応する結愛、しかし好美の出現をきっかけにすぐにいつも通りの状態に戻ってしまった。好美「結愛、どう?工事は進んでる?」結愛「ああ・・・、好美か。うるさくしてすまねぇな。」好美「いや、住民の人達からはクレームが出ている訳じゃないから良いけど・・・。」 頬を掻きながら照れる好美を見て不思議そうにしている結愛。結愛「「けど」・・・、何だよ。」好美「結愛ってさ・・・、ヘルメット似合うよね。」結愛「何だよそれ、何か嬉しくねぇんだけど。」ブロキント「ハハハ・・・、結愛社長は本社でおるより現場を見て回る事が多くなってきましたんでヘルメット姿も様になって来たんとちゃいますか?」結愛「何だよ、ブロキントまでからかってんじゃねぇぞ。」 勢いに乗ってブロキントにまでいつも通りの対応をしてしまう結愛、先程までの「大人モード」は何処へ行ってしまったのだろうか。 そんな中、土地の所有者達が差し入れを手にやって来た。ヤンチ「皆さん、お疲れ様です。」ケデール「工事は進んでますか?」結愛「あら御兄弟で、
last updateLast Updated : 2026-02-16
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7. 「異世界ほのぼの日記3」70

-70 「抜き打ち」にしていた理由- ライカンスロープ達を襲った嫌な予感はどうやら的中したらしい、好美の夜勤が終わった時点で駐車場に関する話し合いは終わっていたので勿論好美と結愛の間での「打ち合わせ」などある訳が無かった。結愛「思った以上に結構貰えたな、早速好美の家に行こうぜ。」好美「結愛、私は良いけどあんたは仕事中じゃない訳?」結愛「ま・・・、待てよ・・・。俺は昨晩から仕事してんだぜ。午前中で仕事が終わる計算でいても良いだろうがよ。」 しかし、大企業のいち社長がそんなので良いのだろうか。念の為に好美は社長から離れた場所へと向かい、結愛の夫であり貝塚財閥の副社長である光明に『念話』を飛ばした。好美(念話)「光明さん、結愛って昼間から休みにして良いの?」光明(念話)「えっ・・・、何で好美ちゃんから結愛の名前が?!」 何処からどう考えても光明の様子からは貝塚財閥がざわついている事を察した好美。好美(念話)「もしかして、結愛って誰にも言わずにこっちにいる訳?!」光明(念話)「言ってないのも何も、俺が今朝起きた時点で部屋にも社長室にもいなかったんだから無断欠勤の扱いだよ。」 どうやら副社長は「抜き打ち検査」の事は知らされていなかったらしく・・・。光明(念話)「何だって?!結愛自らメーターの検査をしているだって?!またか・・・、これで何回目だよ・・・。」好美(念話)「「また」ってどう言う事?」 光明によると「メーターの抜き打ち検査」など真っ白な嘘で、なかなか有休を貰えない結愛がそれを口実に無断で社外へと出かける事が多かったのだという。光明(念話)「好美ちゃん、1つ聞いても良いか?」好美(念話)「え?私で良かったら何でも答えるよ?」光明(念話)「えっとさ・・・、はぁ・・・。」 副社長はため息をつきながら好美に質問した、どうやら何度もあったパターンの様で飽き飽きしているらしい。光明(念話)「もしかして・・・、今から昼飯だったりする?」好美(念話)「昼ごはん?うん・・・、そうだね・・・、今から焼肉サンドを食べようかって話していたんだけど。」 光明はより一層深くため息を吐いた。光明(念話)「はぁー・・・、やっぱりか・・・。申し訳ないんだけど、その焼肉サンドは好美ちゃんが1人で食べてくれるか?」好美(念話)「良いけど・・・、どうするつもり
last updateLast Updated : 2026-02-16
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7. 「異世界ほのぼの日記3」71

-71 弁当の行方は結局- 複数の従業員に抑えつけられながら、結愛は光明の『瞬間移動』によりバルファイ王国にある貝塚財閥本社へと帰って行った。結愛「やめろお前ら、せめて一口だけでも食わせてくれ!!」 食い意地を張る妻をよそに周囲への気遣いを忘れない夫は、好美達に優しく声を掛けた。光明「好美ちゃん、うちの結愛が本当ごめんね。それとお2人もお騒がせしました。」 数人の男女がその場から即座に離れていくのを見て、貝塚財閥の実情を知ったライカンスロープ達は顔を引きつらせていた。ヤンチ「大企業の社長ってのも大変なんだな。」ケデール「どっちかと言うと結愛社長の方が皆に迷惑を掛けていた風に見えていたけどね。」 社長達を見送った後、兄弟は自分達が手に持っている弁当の方に目線をやって好美に声を掛けた。ヤンチ「あの・・・、好美さん・・・。」ケデール「ちょっと・・・、お願いがあって・・・。」 ケデールの言った「お願い」の事を好美は聞かずとも既に理解していた様で・・・。好美「あの・・・、その前に焼肉サンドを頂いても良いですか?夜勤の休憩時間にお弁当を食べてから何も口にしてなくて、お腹空いちゃったので宜しければ2つとも頂いても良いですか?」 夜勤明けの女性の言葉は半分本当で半分嘘だった、空腹で2つとも食べてしまいたいという気持ちはあったが実は従業員の待機室に備え付けられたお菓子をちょこちょこつまんでいたのだ。そうにも関わらず空腹であるとは、好美の胃袋も侮れないものである。 ただ、狼男たちにとって先程のマンションの大家の発言は正しく「願ったり叶ったり」と言える物だった。結愛がいなくなってしまった分、余った物をどうしようか悩んでいたからだ。 実はと言うとこの弁当、2人が馬鹿食いする事を想定してかなり大きめ、そして多めに作ってあったので兄弟だけでは食べ切れそうになかったのだ。ケデール「勿論です、是非お持ち帰りください。」ヤンチ「やはりどんな料理でも出来立てが美味いですからね。」 2人から弁当を受け取った好美は即座に『瞬間移動』で自室へと帰って行った、慌てん坊の大家の背中を追う様に肉屋の店主が声を掛けようとしたが間に合わなかった様だ。ケデール「好美さん・・・、まぁ、良いか・・・。後で分かる事だし。」ヤンチ「何を言おうとしたんだよ。」ケデール「別に、大したこと
last updateLast Updated : 2026-02-21
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7. 「異世界ほのぼの日記3」72

-72 ヒーロー、いやヒロイン- 秀斗が前日まで住んでいたマンションの前でトラックの運転席に顔を赤らめながら乗り込む様子を見る限りでは、美麗は懐かしい思い出に浸りたかったかも知れない。 久々の再会に心から興奮したのか、美麗は少し強めに鍵を回してギアを「2」に入れてアクセルもまた強めに踏んでエンジンを蒸かした。秀斗「美麗、大丈夫なのかよ・・・。このトラック、まだこっちの仕様にしていないの?」美麗「ごめんごめん、元々古いトラックだから少し強めに蒸かさないと動かない時があるのよ。それに・・・、こっちの仕様って?」 嘘だ、この(元々)王麗所有のトラックは美麗が亡くなる数日前に買い換えたばかりだった物だ。まぁ、買い替える原因を作ったのは美麗本人なのだが今は本人の為に内緒にしておこう。ただ、女将本人の拘りである「MT」を探すのにかなりの苦労をした事は美麗には伝わっていない。 一先ず今言える事は、美麗自身がこの世界に来たばかりなので車が元の世界の仕様のままであるが故に「あの問題」が発生しようとしていた。 秀斗はバルファイ王国からネフェテルサ王国へと直通している道路上でトラックを運転している恋人が額に汗を滲ませている事に気付いた。美麗「どうしよう・・・。」 この言葉から秀斗は確信した、元の世界でもよく発生する(?)あの問題だ。秀斗「美麗、まさかガス欠か?」美麗「いや・・・、まだ1目盛上なんだけどさ・・・、この辺りってガソリンスタンドってあるかな?」 読者の方々はご存知である事と信じたいがこの世界にはガソリンスタンドどころか石油が存在していない、この世界の車は全て所有者の魔力で動いているので必要ないからだ。秀斗「参ったな・・・、何とかしてくれる人いないかな・・・。」 その時、本当に偶然だったのだが2人の乗った車両は貝塚財閥本社、そして貝塚学園魔学校の前にいた。秀斗「そう言えば、「アイツ」がこの世界にいるって守が言っていたな。電話番号はっと・・・。」 トラックを道端に止める様にと指示した秀斗は携帯を取り出して貝塚学園魔学校の番号を調べ、適当に見当たった番号から1つを選んで電話を掛けた。 数コールの後、とある男性が電話に出た。男性(電話)「お電話ありがとうございます、貝塚学園入学センターです。」 電話に出たのは入学センター長を兼任するバルファイ王国
last updateLast Updated : 2026-02-21
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7. 「異世界ほのぼの日記3」73

-73 代替品として渡された好物の記憶- スマホで結愛に状況を報告している秀斗の隣で、恋人からの指示でトラックを路肩に停車していた美麗は退屈になったので車両から降りて近くの自動販売機へと向かった。美麗「喉乾いちゃった、秀斗もずっと喋ってるから暇になっちゃったよ・・・。」 車両を止めた場所よりゆっくりと歩きながら懐から財布を取り出して小銭を入れていた場所を開けた美麗、中身を確認すると100円玉が4枚入っていた。 実はと言うとこれは美麗が元の世界にいた時からいつでも水分補給が出来る様にと必ず行っていた事で、この世界でも役に立ったので過去の自分の習慣が功を奏した様だ。美麗「そうだ、秀斗の分も買っておこうかな。えっと・・・、コーラと強炭酸水を買っておいたら大丈夫だよね。」 先程の秀斗もそうだがいつの間にか互いの事を名前で呼ぶようになっていた事は触れない様にしておくとして、ただ今更ながら美麗には少し不安になっていた事があった。美麗「そう言えば私、日本のお金しか持って無い・・・。どうしよう・・・。」 ビクターにより日本円でそのまま買い物が出来る様にこの世界自体が作り替えられている事を未だに理解しきれていない美麗は、恐る恐る小銭を自販機に投入していった。 当然の様に反応した自販機は「ピッ・・・」と言う音を出し、「ガシャン・・・」と言う音と同時に飲み物を吐き出した。美麗「良かった・・・、普通に買えるじゃん。助かる・・・。」 安心して路肩に止めているトラックに戻ろうとする美麗に、秀斗が車両の窓から顔を出して優しく声を掛けた。秀斗「美麗、結愛に話がついたからすぐそこの貝塚学園に行こうか。車を回して貰っても良いかな?」 決して上から命令する様にではなく、飽くまで下手に出て優しくお願いする形を取る秀斗。そのお陰で美麗も気持ちが楽になって色々とやりやすくなっていた。美麗「ねぇ、その前に喉乾かない?ジュース買ってきたよ。」秀斗「え?ビールは無いの?」 流石にまだ引越し作業自体が終わって無い上に、美麗自身が運転中なのでまだビールはお預けと言っても良い状況だ。美麗「ビールなんて持って無いよ(そうそう、後で後で)、持ってたら私が呑んでるって(馬鹿か、お前は)。」秀斗「冗談だよ・・・、引っ越し作業が終わり次第だよな。」美麗「引越し蕎麦と一緒に呑む予定だからそれま
last updateLast Updated : 2026-02-21
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7. 「異世界ほのぼの日記3」74

-74 移動に車が必要な位の巨大な学園- まるで日本の高速道路みたいにバルファイ王国からネフェテルサ王国へと延びる舗装された直進道路の路肩で、美麗が買って来た飲み物で一息ついた2人は改めてトラックに乗りこんで貝塚学園へと向かった。秀斗が言うには結愛が話を付けておくので先程の電話で話したリンガルス入学センター長の所に行って欲しいとの事だ。 車両をUターンさせた美麗は秀斗の案内で学園の校門へと向かい、大きな校門の隣にある守衛室らしき小さな建物の前に車を止めた。美麗「ここが・・・、異世界の学校なの?」秀斗「貝塚学園魔学校だよ、高校と大学、あと貝塚財閥本社が併設されているんだけど改めて見ると広くて建物がデカいな・・・。」 東京ドーム約70個分の敷地に魔法大学各学部の講義棟、そして高等魔学校の校舎や部活棟に共通体育館等が建ち並んでいた。 引越しの荷物を載せたままなので校舎前の運動場で体育の授業を受けている高校生と思われる女子生徒達から目立って仕方がない、その内の2名がこちらへと視線をぶつけて来ていたので尚更だったが体育教師の一言で授業へと戻って行った。生徒①「誰だろ・・・、あんなに沢山荷物持って大学に用事がある人達かな。」生徒②「この辺では見かけない人たちだね・・・、転生者とか?」生徒①「母さんに帰って聞いてみようかな、この辺の事詳しいはずだから。」体育教師「おーい、ダルランとチェルド!!何をじぃ~っと見てんだ、集合だからすぐに戻って来~い!!」生徒②「まずい・・・、アイツうざいから早く行こう。」生徒①「そうだね、走ろうか。」 そんな中、美麗と秀斗は未だに生徒達からの視線を感じながら守衛室内にいる男性に声を掛けた。美麗「あの・・・、すみません・・・。」男性「お待たせいたしました・・・、恐れ入りますがどちら様でしょうか?うちは配送業者では無いのでそんなに多くのお荷物をお持ちになられましても困るのですが。」秀斗「いや、そういう訳じゃなくてですね。えっと・・・、入学センターのリンガルスさんに用があるんですが。」男性「そうですか、失礼致しました。先程入学センターにいるリンガルスから連絡があったんですよ、貴方達の事でしたか。」美麗「突然の訪問ですみません、それで入学センターはどちらでしょうか?」男性「入学センターですね、ご案内致しますので少々お待
last updateLast Updated : 2026-02-21
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7. 「異世界ほのぼの日記3」75

-75 旦那にも言っていない秘密- 何も考えずに2人を結愛のいる社長室へと案内すればいいはずのリンガルスの様子は何処か変だった、ずっと2人の前で頬をかいてばかりだったのだ。秀斗「「ですが」・・・、って何ですか。案内して頂ければ済む話じゃないですか。」 秀斗が言っている事は正論だ、リンガルスも否定している訳ではない。リンガルス「確かに仰っている通りなんですがね、実は・・・。」美麗「「実は・・・」、何ですか?」 入学センター長兼バルファイ王国警察警部の様子はどう見ても異常だ、ただその理由が分かったのはすぐの事だった。リンガルス「もうこちらに理事長が来ているんですよ・・・、多分。」秀斗「何で「多分」なんです?」 本当にリンガルスが言う通り結愛がこの場にいるのなら2人の目の前にいてもおかしくはない、しかしリンガルス自身もまだ分かっていない状態だった様なので2人は辺りを見廻して見たが3人以外部屋には誰もいなかった。美麗「貴方は先程から何を言っているんです?私以外いないじゃないですか。」秀斗「俺達引越し作業の途中で困っているから来たんです、ふざけないで頂けますか?」リンガルス「いや・・・、私だってこうしたくはないんですがね。「そろそろ」かな・・・。」 そう答えたリンガルスは不安そうになりながら部屋の隅にある膝位の高さの小さなドアを開けた、中から金庫みたいにダイヤルが付いた重厚な扉が現れた。 その様子を見た秀斗はより一層苛立ち始めた、しかし冷静になる為に自分の頬を抓って我慢した。秀斗「あの・・・、俺達金が欲しい訳ではないんです。結愛に用事があるから会いに来たんですけど。」リンガルス「存じております、ただもう少々だけ・・・。」 そう言うとドアを2回ほど優しくノックした後にダイヤルをゆっくりと回し始めた、ドアの見た目のせいか宝物が出て来そうな雰囲気と静寂が辺りを包み込んでいた。 数秒後、「カチッ」という音と同時に扉の鍵が開いたのでリンガルスが扉を開けると中には電灯で明るく照らされた空間が広がっていた。中の見た目は金庫そのものと言うよりまるで「応接間」の様になっていて、高級そうな椅子とテーブルが並べられていた。リンガルス「あれ?いないな・・・、とりあえずこちらでお待ち頂ければ大丈夫と思いますので。」 リンガルスは2人を部屋に案内すると1人外へ出
last updateLast Updated : 2026-02-21
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7. 「異世界ほのぼの日記3」76

-76 便利な体と親戚同士の再会- ガス欠しかけのトラックの前へと戻って来た恋人達の前に再び現れた社長はある従業員を後ろに連れていた、ただその従業員は結愛と同様にパンツスーツを着た女性だったが右手には工具らしき物を持っていた。結愛「すまねぇ、待たせたな。」秀斗「良いけど結愛、業者さんでも呼んだのか?それともまた別の従業員の人でも来る訳?」結愛「いや違うぜ、後ろにいるこのヒドゥラが作業をしてくれるそうなんだ。」 結愛がそう言うと、先程から同行して来た女性従業員が1歩前に出て自己紹介した。ヒドゥラ「社長秘書のヒドゥラと申します、結愛社長のご親戚の方とお伺い致しました。喜んでお手伝いをさせて下さい。」秀斗「社長秘書さんが自動車整備を?」ヒドゥラ「はい、実は私の実家が自動車の整備工場ですので1通りの資格は持っているんです。」美麗「凄い方なんですね、でもスーツ汚れませんか?それに荷物を載せてるから整備用に高く持ち上げたらまずい気がするんですが。」ヒドゥラ「大丈夫です、ご安心下さいませ。」 ヒドゥラは美麗の質問に答えると『人化』を解除し、半身が蛇である元々の姿に戻ってあっという間に車両の下に潜り込んでしまった。秀斗「え?!ここでするんですか?!」ヒドゥラ「はい、では早速やっちゃいますね。」 そう言うと目の前のラミアは慣れた手つきで作業を始めた、エンジンスタートに関する整備作業なので真下に積んであるエンジンの方から手を付けていく様だ。結愛「凄いだろ。直接採用面接をした訳じゃ無かったから俺も最近まで知らなかったんだけどさ、この前光明の車の事で相談したらすぐに修理してくれたんだよ。」 社長の言葉が聞こえたのか、トラックの中から秘書の声が聞こえて来た。ただ本人が何処にいるのかは外からは皆目見当もつかなかった。ヒドゥラ「自動車整備は朝飯前というか趣味みたいなもんですからね、こうやって車の中に潜り込んでいると何だか楽しくなっちゃうんです。」 そう語りながら作業を進める秘書に結愛はさり気なく、ただ結構重要な案件を伝えた。結愛「ヒドゥラさん、今度新規事業として立ち上げる貝塚運送での社用車整備担当を貴女にしようと考えているんですけど良いですか?」 ビジネスでの事案なので一応「大人モード」で話しかける社長。ヒドゥラ「社長、いつも私にはその口調じゃないでし
last updateLast Updated : 2026-02-23
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7. 「異世界ほのぼの日記3」77

-77 別視点から見た「あの会議」- これは義弘による「最悪の高校時代」が終わりを告げ、結愛が貝塚財閥の代表取締役社長となるきっかけになった緊急株主総会での事。 持ち株が決して多かった訳では無かったが貝塚財閥の株主の1人として財閥のこれからをちゃんと見ておこうと思った洋子は社会勉強の一環になれば良いと考え、秀斗を引き連れて総会に出席した。洋子(当時)「良いかい?今から行われる会議でこの会社の、そしてあんた自身の歴史が大きく動くかもしれないからその瞬間をよく目に焼き付けておくんだよ。」 ただ、食べ盛りであった当時の秀斗は夕飯の事しか頭に無かった様だ。秀斗(当時)「母ちゃん、ここ何なんだよ。腹減ったよ、唐揚げ食わせてくれよ。」洋子(当時)「あんたね、何恥ずかしい事を言ってんだい。馬鹿な子に食わせる唐揚げなんて作り方も私ゃ知らないね。」 そんな中、会長である結愛の祖父の博が登壇した。博(当時)「おはようございます、皆様本日はお集まりいただきありがとうございます。只今より緊急株主総会を開始いたします。尚、この場に私の愚息が居ないのはその愚息について話し合う場だからです。」 会長の挨拶の後、義弘派閥の株主たちから反発の言葉が行き交いステージ上のスクリーンに映像が流れていた頃に秀斗の腹の虫が大きく鳴った。秀斗(当時)「母ちゃん、俺我慢出来そうにねぇよ。」洋子(当時)「良いから黙って見てな、あんたもテレビのニュースを一緒に見ていたんだから貝塚学園で起きた一連の事件を知らなかった訳じゃ無いだろ?」 当時の洋子は状況を逐一把握するために夕飯時は必ずニュース番組を見る様にしていた、ただ秀斗は退屈さだけを感じていた様だが。秀斗(当時)「あんなの俺が見ても仕方なかったと思うんだけどな、ハッキリ言って俺はこの場にいるべきなのか?」洋子(当時)「あんたは本当に馬鹿だね、ここにいる意味はこれから分かるんじゃないか。」 ステージ上にいる議長が義弘派閥の2人が反対したので社長解任決議案を否決にしようとした瞬間、真紅のスーツに身を包んだ真希子が浜谷信二達を引き連れて登場した。真希子(当時)「待ちな!筆頭株主の私を放っておいて勝手に総会を終わらせようとしているんじゃないよ!」洋子(当時)「ほら見てみな、救世主のお出ましだよ。」 洋子は人生でこの上ない位に興奮していた
last updateLast Updated : 2026-02-23
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7. 「異世界ほのぼの日記3」78

-78 社長も聞かされて知った母の記憶- ヒドゥラによるトラックの改造作業が進む中、秀斗はあの「株主総会」以来気になっていた質問を巨大財閥の社長にぶつけた(そう言えばこれ、異世界での話だったな)。秀斗「なぁ結愛、ずっと分からんかったんだが俺達は親戚だってのにどうしてあの「株主総会」まで会う事は無かったんだ?」 秀斗の質問に頭を悩ませていた結愛は、ゆっくりと重い口を開いた。結愛「そろそろ聞かれると思ったぜ、何処から話せば良いんだ?」秀斗「どんな事でも構わねぇ、知っている事を俺にも聞かせてくれるか?」結愛「そうだな・・・。」 再び深く考え出す結愛、何とか自分が秀斗に話せる真実は無いかと記憶を必死に辿っていた。結愛「実は俺・・・、母親の顔を知らねぇんだ。まだ小さいガキだった海斗も覚えていないって言ってたよ。」秀斗「そうなのか?」結愛「ああ。これは洋子おばちゃん、つまりお前の母ちゃんから聞いた話なんだけどよ。」 結愛や海斗が産まれる数年前の事、かつてよりギャンブルやキャバクラへの依存により父親が残していった借金を抱えていた羽柴莉子(後の貝塚莉子:海斗と結愛の母親)・洋子姉妹は4畳半の古いアパートで2人暮らしをしていた。 丁度その頃、莉子が借金返済のためにバイトで働いていたスナックの客としてやって来たのが当時専務取締役をしていた義弘だった。 当時の義弘は貝塚学園を設立した頃とは真逆で周囲への心遣いも忘れず、皆に好かれる性格だったという。義弘(当時)「お父さんの借金を返す為にここでアルバイトを・・・、それは大変ですね。」 社長兼理事長だった時の義弘と同一人物とは思えない台詞だ。義弘(当時)「それで・・・、洋子さんでしたっけ?妹さんも弁当屋で昼夜働いていると。」莉子(当時)「はい、元々は5時間のみでの契約だったのですがお店の人に無理言って8時間にして貰っているんです。私は私で午前中は別の工場で働いているので、共同で住んでいても会う事は殆ど無いに等しいですね。」義弘(当時)「休日も無く・・・、という感じですか?」莉子(当時)「そうですね、家には寝る為だけに帰っている様なものですよ。」 莉子は冗談を言う様にクスクスと笑いながら自らの日常を話していた。義弘(当時)「因みに・・・、その・・・、差し支えなければなんですが例のお父さんは?」 持っ
last updateLast Updated : 2026-02-23
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