All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 591 - Chapter 600

612 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」89

-89 有名なはずの大騒動- 客席で先程姉弟だと発覚した2人を含めた転生者達が談笑している頃、調理場でずっと時間に追われていたシェフ達は焦りに焦っていた。ロリュー「ナル、転生者達って皆こんなに食ってばっかなのか?俺こんなの初めてなんだけど。」ナルリス「光の祝い事だから余計じゃないかな、唯一の救いはガル・・・。」バイト「すいませーん、オーダー通しまーす。」2人「はーい・・・、よろしく・・・。」 雪崩の様に機械から吐き出される伝票を見て先程からなのだが何度も何度もため息をつく2人、そんな中ソムリエ兼サブシェフは先程聞き逃したオーナーの言葉を聞きなおそうとした。ロリュー「ナル、それで?さっき「唯一の救いは・・・」って言ってたけどガル・・・。」 ただタイミングが悪かったのか、唯一の救いが崩れ去ってしまった様だ。それどころか、状況が一変してしまったと言っても良い位に・・・。ガルナス「パパただいま、メラ連れて来たけど忙しそうだね。」 ハーフ・ヴァンパイアの娘・ガルナスの学校の友人でマーメイドのメラ・チェルドは相も変わらずナルリスのコロッケが好物の様だ、今日もそれを食べに来たらしいが・・・。メラ「お・・・、お邪魔してます。」 女子高生達の姿を見て焦りの表情を隠しきれなかった父はせめてこの2人の食事は後にさせて欲しいと願って仕方がなかった、嫌な予感が頭をよぎったからだ・・・。ナルリス「あれ?そう言えばアルバイトは大丈夫なの?」メラ「今日は先日の代休なんです、確か店長もここに来ていると聞いたんですけど。」ナルリス「え・・・、どこからそんな情報が飛んで来たの?」メラ「姉です、後で本人も来るって言ってましたけど席は空いてますか?」ナルリス「席ね・・・、今日は予約で埋まっているんだよ・・・。」ロリュー「え?そうだ・・・。」 空席の状況を改めて確認しようとするロリューをきつめの視線で引き止めるナルリス、勿論先程の言葉は嘘であった。店の端の方にまだ2テーブルの空席があったが今は自分達の仕事を執拗に増やしたくなくて必死だった、しかしオーナーシェフの希望は再び崩れ去ってしまった。真希子「あら、ガルちゃんにメラちゃんじゃない。2人もこっちにおいでなさいな。」 酒が回った勢いで気持ちが大きくなっていた副店長が女子高生達を手招きしていた、その光景を見て2人は絶
last updateLast Updated : 2026-03-02
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7. 「異世界ほのぼの日記3」90

-90 まさかね- 緊急事態に気付いたサブシェフは使っていなかった方の炊飯器に洗ったばかりの米を詰め込んだ後に水を流し込んで電源ボタンを押した、ただそれだけで間に合う訳も無く・・・。ナルリス「まずいな・・・、炊飯器1台分の米が無くなろうとしているぞ。折角ロリューが用意してくれているのに早くも総崩れしてしまうかもしれないぞ!!」 ナルリスは注文を取り終えて手の空いていたミーレンを捕まえると、調理場の裏の事務所(あったか?)へと連れて行って両肩に手をやりながらお願いしようとした。ミーレン「何してんの、いくらオーナーでも奥さんがいるじゃない!!私は不倫するような男は大嫌いなんだけど!!」 どうしてダーク・エルフがこういった思考に至ったかは分からなかったが、出逢ってからずっと光の事を想っていた吸血鬼が不倫をする為にウェイトレスを呼んだ訳が無い。ナルリス「何馬鹿な事を言っているんだ、そんな訳が無いだろう!!」 ただ2人の会話は声が大きすぎてオーナーの嫁に聞こえていた様だ、客席から鬼の形相をした光が事務所へとやって来た(あれ?関係者以外立入禁止のはずだけど・・・、気にしないでおこう)。光「ナル・・・、今聞こえて来たけど不倫ってどう言う事?」ナルリス「違うんだ、光!!」 しかし、2人の姿はどう見てもラブホテルの前で繰り広げられる不倫の現場にしか見えなかった。光「何よ、仕事の邪魔しちゃいけないと思って気を遣っていたのにそれを良い事にその女といい関係になっていた訳?!」ミーレン「光ちゃん!!」 この店に雇われてからゆっくりとだが光と仲良くなっていったウェイトレスも必死に誤解を解こうとしていた、一先ず未だに両肩に乗っていたナルリスの手を振り払って・・・。ミーレン「私、彼氏がいるの!!彼氏一筋なの!!不倫なんてあり得ないじゃない!!」光「あっ、そうか。ははは・・・、私ったら勘違いしちゃってごめんね。」 ウェイトレスの言葉によりその場は一気に和んだが状況は未だに悪いままだ、ナルリスはミーレンを呼び出した本来の目的を実行する事にした。ナルリス「ミーちゃん、俺が君をここに呼んだ理由はこれなんだ。」 ナルリスは事務所の奥に隠してある金庫から金の入った封筒を取り出してミーレンに渡した。ミーレン「何?お小遣いでもくれる訳?丁度欲しいバッグがあったから嬉しいよ。
last updateLast Updated : 2026-03-02
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7. 「異世界ほのぼの日記3」91

-91 遺伝なの?- 転生者達が談笑を続けてオーナーシェフが行方を眩ませている中、女子高生達は空腹に身を任せて目の前の料理をおかずに白飯を進めていた。その光景を初めて見た美麗はあからさまにドン引きしていた。美麗「好美、あの子達は大食いの選手なの?こっちの世界でもギャルは大食いな訳?」 とある大食いタレントの影響なのか、美麗の脳内では「ギャル(と言うより女子高生達全般)=大食い」という等式が生み出されていた様だ。好美「おや・・・、そう言う訳じゃ無くて何と言うか・・・。肉親の影響ってやつ?」 確かにガルナスが大食いなのは光の影響(遺伝?)と思われるがメラの場合はどうだろう、本人の姉であるニクシーのピューアは大酒吞みであるがそれは未だに未成年であるメラの食欲に関係するのだろうか。 ただ好美の心中を察したのか、隣で秀斗と酒を酌み交わして顔を赤くしていた真希子が会話に入り込んでいた。真希子「好美ちゃんったら何言ってんだい、簡単じゃないのさ。あの2人の実家がトンカツ屋だからだよ。」 真希子はピューアと出逢った時の事を思い出していた、ダンラルタ王国にある実家に帰ろうとしたが道に迷ってネフェテルサ王国に来てしまったピューアを愛車で送り届けた時の事だ。真希子(当時)「本当にこの店なんだね、確かにテレビで言ってた店だよ。」ピューア(当時)「昔はこんなに人気じゃ無かったんですけどね、少し前に父が独断で提供し始めた料理があっという間に有名になってしまった様で・・・。」声(当時)「おい、そこで何してんだ。」 その時、後頭部を軽く搔きながら語る娘を見かけて声を掛けた男性がいた。一応『人化』していたが見た感じから種族はマーマンだろうか、そこは流石異世界と言える。男性は当日の残りの営業で使用する為に店に運び込もうとしていた米をゆっくりと降ろして続けた。男性(当時)「おいお前、銀行員の仕事はどうした?まさか辛くなったから逃げて来たんじゃないだろうな。」ピューア(当時)「と・・・、父ちゃん・・・。」 そう、声を掛けて来たのはこの店の店主でピューアの父であるメラルークであった。どうやら貝塚学園を卒業してすぐの頃に親(と言うよりメラルーク個人)の反対を押し切って銀行員になると家を出た娘を未だに許してはいない様だ。メラルーク(当時)「仕事が上手く行かないからってここに縋ろう
last updateLast Updated : 2026-03-07
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7. 「異世界ほのぼの日記3」92

-92 副店長にとっての憧れの存在は食い逃げ犯?- 賑やかな宴会が続き、女子高生達がひたすらに箸を進めていく中、調理場でサブシェフと共にずっと調理を続けていたナルリスには1つ不可解の事があった。 ハーフ・ヴァンパイアである娘のガルナスと同級生のメラが以前から大食いというのは変わっていない、むしろ食のペースが速くなっている(よく言えば成長していて、悪く行ってしまえば金のかかる様になってしまっている)のだ。まさかと思ったが2人で大食い同好会でも結成して日々鍛錬を続けているのだろうか、そうでないと早食いとしても成長してしまっている根拠が産まれない(まぁ、ガルナスに至っては光からの遺伝だと思われるが)。自らの店の周囲を中心に飲食店等をぷらぷらと当たってはみたが、何処の店も大食いのチャレンジメニューなんて出してもいない。 ただガルナスは学校の陸上部に所属していた事をも思い出した、日々厳しい練習が放課後から数時間の間続く中で大食いの練習をする時間なんて取れるだろうか。 そんなこんなで父が頭を悩ませているのを横目に娘達はどんどん空いた皿を重ねていった、正直アルバイト1人では皿洗いが追いつきやしないのでタイミングを見つけてはロリューが手助けに入る様になっていた。ロリュー「無理しなくても良いからな、ちょこちょこ水分摂ってくれよ。」 流石にどんなに忙しい状況でも「無理をしろ」だなんて人として言える訳が無い、と言ってもロリューは『人化』したケンタウロスなんだが。アルバイト「ロリューさん、すみません。本当に助かります。」ロリュー「なぁに、元々休みだったのに無理やり入って貰って申し訳なく思っているのはこっちの方さ。後でアイスでもご馳走させてくれ。」アルバイト「はい!!」ロリュー「お前、こんな時だけは良い返事だな。」 バイトの返事が良いのは分からなくもない、高く昇った日の光が窓から差し込む調理場はずっと火を使っていたが故に室内温度が40度を超えてしまっていた。正直ナルリスもロリューも調理と汗拭きのどちらを優先すべきか分からなくなっていた、この状態でのアイスは何よりのご馳走だと言えるだろう。 そんな中、真希子にはこっちの世界に来てからずっと疑問に思っていた事が有った。真希子「ねぇ、ずっと思っていたんだけどこの世界って妖精とかっていないのかい?」メラ「えっと・・・、姉
last updateLast Updated : 2026-03-07
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7. 「異世界ほのぼの日記3」93

-93 妖精族の昔と今- 副店長の真希子が何とか冷静さを保とうと必死にしている横で、ひたすら給仕の仕事をしていたミーレンは少し興奮していた。実は貝塚学園魔学校大学部に通っていた頃、学内の図書館でずっと妖精族についての本を読み漁っていたので本人にとっても憧れの存在だと言えたのだ。 ただこのダーク・エルフが読んでいた書物には「古くから妖精族の者達はダンラルタ王国(若しくは外界)の山中に籠り、決して人前に姿を見せない」と書かれていた上に、本人はその書物を参考に卒業論文まで提出していた。 しかし、ウェイトレスの目の前に本物のピクシーがいる、しかもガルナス達と同じ制服姿をしているので何の違和感も感じさせない。『人化』した妖精は堂々とした姿で目の前にいるのだ、そんな状態で落ち着いて仕事が出来る訳が無い。 プルプルと震えるミーレンを見かけた真希子は丁度隣の椅子が空いていたので座る様に促した、勿論ナルリスの許可を得た上でだ(と言うよりこの店で真希子に逆らえる人物などいないのだが)。真希子「あんた、どうしたんだい?さっきから顔色が悪いじゃないか、ほら、水でも飲んで落ち着きなさいな。」 学生時代に研究していた事が総崩れしそうになっているミーレンは真希子からグラスを受け取ると中に入っていた水を一気に飲み干した、一応冷房は利かせていたつもりではあったが室内温度の高さが手伝って喉がずっと乾いていた様だ。ミーレン「すみません・・・、本物の妖精族の人を見るのは初めてだったんで驚いてしまって。」真希子「何言ってんのさ、ガルちゃんだってこんなに冷静になっているというのに。」 ガルナスやメラについては冷静になっているというよりただひたすらに眼前の食事に集中していただけだと思われる、その上いつも学園で会っているので今更どうしたと言わんばかりだ。ミーレン「いやですね・・・、一生会えないと思っていたんでうれしくてつい・・・。」 2人の会話に口を挟んで来たのは『人化』して食事を再開したピクシー本人だった。ホル「あの・・・、それっていつの時代の事を言っているんですか?」ミーレン「確か・・・、あの時呼んでた書物には今から丁度700年程前の事だって書いてあったけど。」 ウェイトレスの言葉を受けてため息をつくホル。ホル「やはりですか・・・。」 ずしんと肩を落とす様子から見るに、もう既
last updateLast Updated : 2026-03-07
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7. 「異世界ほのぼの日記3」94

-94 真面目な無職と不真面目な店長- ガルナス達の新たな学友の出現に湧きあがる店内の傍らで、好美は顔を赤くしながらも少し前から気になっていた事を聞いてみる事にした。好美「美麗、そう言えば新しい仕事はいつから始まるの?結愛は何も言ってなかった訳?」 正直、泥酔寸前の状態で仕事の話なんて出来るのだろうか?日を改めて素面の時に聞いた方が良いのではないかと思うのは俺だけだろうか。好美「何え、おまはんみたいに毎日深酒ばっかりしとる阿呆に言われたくないんじゃけど。」 仕方ねぇじゃろ、呑んどらんと夜勤なんてやっとれんのじゃ・・・、って今は我がじゃのうて美麗の話ちゃうんけ。好美「ほうじゃほうじゃ、わせとったわ。」 もう・・・、我がらが2人共阿波のもんじゃからって皆の前でいきなり阿波弁出したら混乱するじゃろうに。美麗「ねぇ好美、さっきから何訳分かんない事言ってんの。」好美「大丈夫、気にしないで。それで?結愛は何も言ってなかったの?」美麗「実はこの前ね、結愛に電話してみた時なんだけどまだ社屋の建設と車の手配が完了していないんだって。それが終わるまでは何処かでバイトしててって言われたんだけど。」好美「じゃあ、うち(「暴徒の鱗」)でバイトする?確か・・・、昼の従業員不足で人手欲しがっていたはずだから聞いてみるよ。「松龍」にいたんだもん、美麗なら大歓迎してくれるはずだよ。」 好美は急遽店長のイャンダに『念話』を飛ばした、まだ忙しくなる時間帯ではないはずなのだが全くもって返事がない。好美「まさか・・・。」 好美は嫌な予感がしたので、代わりに副店長のデルアに聞いてみる事に。好美(念話)「デルア、イャンダが今どうしているか分かる?」デルア(念話)「イャンダ?さっき店にはいたけど、何分か前から見かけないな。」好美「やっぱりか・・・、(念話)ごめんねデルア、後は本人に直接聞くわ。」デルア(念話)「だったらついでにすぐに戻る様に伝えてくれるかい?野菜の積み下ろしで人手が欲しいんだよ。」好美(念話)「分かった、でもあんまり期待しないでね?」 好美はため息をつきながらデルアの行動を『察知』してみた、やはり嫌な予感は当たっていた様だ。好美(念話)「イャンダ、忙しいみたいじゃん。景気良いみたいだね。」 ただ前回と違って今度は返事があった。イャンダ(念話)「本当だ
last updateLast Updated : 2026-03-07
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7. 「異世界ほのぼの日記3」95

-95 感動の裏で- 今回は先に有給届を出して来たと宣言した後に喜び勇んでグラスに瓶ビールを注ぐ結愛の意識は別の方向へと向いていた、どうやら聞き覚えのある声に反応した様だ。結愛「ん?聞き覚えがある声がすると思えば、お前ホル・マイヤーだな。もうすぐ期末だってのに随分と余裕じゃねぇか。」ホル「理事長先生、食事中にその話題はやめて下さい。」 ネクロマンサーの顔を見たピクシーが少し焦った表情をしていたので好美は小声で尋ねてみた。好美(小声)「結愛、あの子がどうしたって言うの?」 社長兼理事長は好美の問いに頭を抱えながら答えた、本人に気遣って回答も小声で。結愛(小声)「あいつな・・・、次の期末で赤点が3つ以上あったら留年しちまうんだ。」 どうやらこの世界でも学校の事情は変わらない様だ、ただ言える事は折角この世界で一番競争倍率が高い貝塚学園魔学校に通っているのに今のままでは本当に勿体ない。ホル「もう・・・、人の事ひそひそ話で言わないで下さいよ。帰って勉強するから勘弁して下さい。」結愛「本当だな、俺は全員の成績表を預かって目を通しているからちゃんと勉強してないか分かるんだぞ。来年は大事な年になるんだから今現在でそんな状態だとまずいってのは分かるよな?」ホル「はい・・・、十分分かってます。」 自分の言葉に崩れ落ちるピクシーの気持ちを察した結愛は本人の肩に手を乗せて慰めた。結愛「悪かったよ・・・、そんな顔すんなって。俺はお前も頑張っている事も知ってんだぞ、1年2年と特進クラスに通っている数少ない生徒の1人なんだからそれを活かして欲しいだけなんだよ。ほら、今日はゆっくり食ってからでいいから帰って必ず勉強しろよ。」ホル「は~い・・・。」結愛「それとガルナスにメラ、お前らも人の事言えないって事は感じておけよ。俺は3人に仲の良いまま特進クラスに居続けて欲しいんだぜ、期待を裏切んなよ。」 ただ娘の学校での様子をあまり知らないが故に結愛の発言に驚きを隠せないのが光とナルリスだった、ガルナスのイメージと言えば「陸上」と「大食い」だけだったはずだが・・・。光「結愛ちゃん、今何て言ったの?うちの子が「特進クラス」って?」 状況を把握しきれていない両親に理事長は「大人モード」で答えた。結愛「そう・・・、ですけど・・・。なんでそこまでびっくりしているんですか?」 
last updateLast Updated : 2026-03-07
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7. 「異世界ほのぼの日記3」96

-96 社長の拘りから- いつの間にかレストランにいた社長に好美は美麗について聞いておこうと思った、自分も人の事を言えた状態ではなかったが泥酔されては聞ける事もきけなくなってしまう。好美「ねぇ結愛、さっき美麗から聞いたんだけど新しい社屋を作るのが遅れてるって本当なの?」 ビールが並々と注がれたグラスを片手に結愛はゆっくりと答えた、どうやら原因(と言うより理由)は結愛自身の拘りにある様だ。結愛「ああ・・・、実はミスリル鉱石が数年に一度の不作になっている様なんだ。」好美「ミスリル鉱石?何の関係がある訳?」 結愛が言うには貝塚財閥関連の建物の外壁には必ず溶かしたミスリル鉱石を塗っているらしい、情報漏洩の防止と建物自体の強化が目的の様だが一応高級品であるはずのミスリル鉱石をそんな使い方して勿体ないと思うのは俺だけだろうか。結愛「良いだろうがよ、従業員あっての貝塚財閥だぞ。命は金で買えないじゃねぇか、建物を強くする事で従業員を守ってんだよ。」 これはこれは・・・、いち社長として立派な事を言っている様だな、相も変わらず口は悪いが。結愛「この口調は昔からだろうがよ、それに誰がこのキャラにしたんだ。」 確かに・・・、ギャップのある社長令嬢キャラを作ろうと考え出したこの2重人格に関しては否定が出来ないな・・・。結愛社長、大変失礼致しました。結愛「分かれば良いんだよ、もう・・・。折角の酒が不味くなるじゃねぇか・・・。」好美「良いじゃない、気にせず呑もうよ。」 一度グラスを空にした後、好美に再びビールを注いで貰った結愛は一気に煽り目の前の小皿に取り分けておいた鶏の唐揚げに箸を延ばした。あれ?ナルリスの店に箸や鶏の唐揚げなんてあったかな・・・、確か洋食屋だったはずだけど・・・。ナルリス「フォークとナイフでは食べにくいっていうお客さんもちらほらいるし、バイトやミーレンへの賄いとして出していた鶏の唐揚げ丼を見た常連さんが自分も食べたいって仰ったから試しに出して見たら意外と好評で商品化する事にしたのさ。それに台抜きで出したら肴にもなるから一石二鳥で助かっているんだよ。」 なるほどね・・・、「お客様第一主義」ってやつか。ただ光とお客さんだったらどっちが大事なんだろう、これは個人的に気になるだけだけど。ナルリス「そりゃあ・・・、あ・・・、光に決まっているだろう!!」
last updateLast Updated : 2026-03-09
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7. 「異世界ほのぼの日記3」97

-97 女将を困らせた大臣- 突然聞こえて来た女性の声に数人が驚いてはいたが、この世界で(と言うよりこの女性においては)はよくある事なので冷静な人物がいた。光「お母さん・・・、『瞬間移動』が使えるからって皆を驚かせるのはやめなってずっと言ってんじゃん・・・。」 そう、知らぬ間にやって来た女性の正体は相も変わらずピエロの様な性格を持つ光の母・赤江 渚だった。好美「それで?何に困っているんですか?」 マンションの一番上にある自室の露天風呂で何度も経験しているのでもう慣れたのか、好美は冷静な顔をして渚の言葉の意味を聞き返した。渚「いやぁ・・・、いつも通り屋台を走らせてダンラルタ王国で商売していた時なんだけどさ・・・。」 この宴が行われる約1ヶ月前の事、ダンラルタ王国の山中をいつも通り走っていた時だ。渚(当時)「いつも思う事なんだけどね、四駆で無いとこの山を登るのは難しいね。元の世界でこのバンを買った時やっぱり二駆にしようか悩んだけど、四駆にして正解だったよ。キッチンや調理器具は相も変わらず重いから走るのに邪魔だねぇ、まぁ商売の為だから良いんだけどさ・・・。」 渚の運転するバンは商売をする場所であるダンラルタの採掘場の駐車場に到着した、いつも通りバックで駐車して客席となるテーブルや椅子を設置していると・・・。男性客(当時)「すみません、もうすぐ開店ですか?」 腹を抱えた男性が1人、まさかこんな所をずっとうろついていたのだろうか。渚(当時)「悪いね、まだ椅子とかを設置してからスープやお湯を温めないといけないから少し時間が掛かるんだ。」男性客(当時)「時間はたっぷりありますので、開店まで待たせて頂けますか?」渚(当時)「良いけど・・・、それまでどうするつもりだい?」 渚は辺りを見廻してみたが暇を潰せるような物は全くもって見当たらない。男性客(当時)「えっと・・・、良かったらお手伝いさせて頂けませんか?」渚(当時)「何言ってんのさ、お客さんに手伝って貰う訳にはいかないよ。」 しかし強情な男性客はほぼ無理くりだが手伝いを始めた、流石に渚本人にしか出来る訳が無い仕込みの作業を手伝わせる訳にはいかないが重い物を持つ位ならと本人の要望を聞き入れる事にした。 数分後、寸胴内のスープやお湯も十分に温まったので開店までの準備が整った。渚(当時)「悪かっ
last updateLast Updated : 2026-03-09
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7. 「異世界ほのぼの日記3」98

-98 女将の困りごと- 『人化』した大臣が屋台を訪れてから間もなく、店の開店を待ちに待っていた採掘場のゴブリンを中心とした常連たちが店に集まって来た。渚(当時)「いらっしゃい、今日もいつもので良いかい?」ゴブリン(当時)「おおきに、女将はんは全部覚えてくれとるけん嬉しいですわ。」渚(当時)「こら、「女将」はやめろって何回も言ってんじゃないか。今度そう呼んだらただじゃおかないよ。」 平和な雰囲気に包まれる中、涙ながらに1杯の拉麺を食べ終えたロラーシュは改まった様子で渚に声をかけた。ロラーシュ(当時)「渚さんでしたっけ・・・、私のお願いを聞き入れて頂けませんか?」渚(当時)「あんた、唐突に何を言い出してんだい。」 ミスリルリザードの発言どころか、本人がそこにいたこと自体に驚きを隠せずにいた客たちは邪魔したら悪いと思ったのかその場から離れ始めた。渚(当時)「あんた・・・、この辺りじゃ有名人なんだろう?そんな人が私なんかに何の用があるってんだい?」ロラーシュ(当時)「私は貴女の作った1杯に惚れました。」渚(当時)「へ?」 渚が経営している屋台を含めて「暴徒の鱗」はチェーン展開をしているので「渚自身の味」という訳では無いのだが、大臣にはそんなの関係ない様だ。ロラーシュ(当時)「・・・して下さい。」渚(当時)「あんた何言ってんだい、私は子持ちの未亡人だよ。」 ちゃんと聞こえなかったのか、プロポーズと勘違いした渚。ロラーシュ(当時)「いや・・・、違うんです!!」 何とか訂正しようとする大臣、ただその行動は正しかったのだろうか。渚(当時)「えっ?違うのかい?勘違いしちゃったじゃないか。」 阿久津と死に別れて年月が経過したからか、「男性」という物に飢えていたのではないかと推測される。ロラーシュ(当時)「す・・・、すみません・・・。ただ私が惚れたのは拉麺の味なんです。」 この拉麵の味を作り出したのは渚ではなく元々の店主であるパルライとシューゴなので今の台詞はこの2人に言うべきだと思われるが、現時点での大臣には関係無いのかもしれない。渚(当時)「あんたの気持ちは嬉しいけどその言葉は1号車が通った時に言ってくれるかい?」 確かに、時間帯をずらしてではあるが確実にシューゴが乗る1号車も同じ場所を通るのでその時に申し出るのが最良ではなかろうか。
last updateLast Updated : 2026-03-09
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