その夜、茜は串焼きを何本か食べ、しばらく積み木で遊び、星空を眺めたあと、山を下りてホテルに戻り、休むことにした。翌日、玲奈は礼二や会社の一部のスタッフと仕事について話し合っているとき以外は、ほとんど茜と一緒に過ごした。礼二と翔太も、何度か自分から仲良くなろうと茜に歩み寄っていた。茜はそのたびに素直に挨拶をし、きちんとお礼も言っていたが、彼ら2人と茜の距離が縮まることはなかった。2人は最初、茜が人見知りしているのだと思っていた。だが、すぐに茜が自分たちに近づかれることを拒んでいるのだと気づいた。茜はただ、2人と友達になりたくないのだ。以前、茜が優里に懐いていたことについて、礼二は玲奈をとても気の毒に思っていたものの、茜はまだ幼く、分別もつかない年頃だったため、茜を本気で責めることはなかった。茜は玲奈の娘なのだから、礼二が心から可愛がってあげたいと思わないはずがなかった。だが、今の茜の態度には、礼二もさすがに複雑な気持ちになり、思わず口にした。「礼儀正しくはしているけど、実際には俺たちが近づくのを拒んでる。まさか、生田博士のパーティーの日に俺が智昭や大森のことをあんなふうに言ったのを、恨んでるんじゃないだろうな?」玲奈は首を振った。「私にもわからない」自分も当然、茜が礼二と親しくなりたくないのだと気づいていた。礼二だけではない。自分に対しても、茜の態度は以前と比べてよそよそしくなっていた。茜の性格は、以前と比べて確かに変わっていた。その原因について、玲奈には分からなかった。だが、茜は一度も自ら彼女に話しかけてくれなかった……礼二は、茜に自分がどう接されようと、実は気にしていなかった。ただ、玲奈のことが不憫でならなかったのだ。彼は、生田博士のパーティーの日、茜が多くのことを知ったにもかかわらず、それでも智昭と優里のほうに肩入れするとは思っていなかった。礼二もこれ以上このことに深入りするわけにはいかず、ただ玲奈の肩を軽く叩いて、意識を仕事へと戻した。日曜日の午後、社員旅行が終わると、玲奈と礼二はそれぞれ帰路についた。この2日間は社員旅行だったとはいえ、玲奈も礼二も実際にはかなり忙しく、玲奈が茜と話す機会はそれほど多くなかった。茜の世話はほとんど田代がしていた。ただ、玲奈はこの2日間、智昭がずっと茜に連絡を取ろうとしていたようだが、茜は
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