星羅は嬉しそうに言った。「いいの?」佳子が答えた。「もちろんいいわよ。星羅だって、佳子ママと一緒に寝たいでしょ?」星羅はこくりと頷いた。「寝たい!」真夕が笑みを浮かべて言った。「佳子、星羅を連れて帰るのはちょっと不便じゃない?」佳子は微笑んだ。「真夕、大丈夫よ。前にも星羅はよく私と一緒に寝ていたの」「前は前よ。今は今。今は藤村社長と一緒なんでしょ?藤村社長が迷惑じゃないかしら?」と、真夕は真司を見た。真司は唇を上げた。「俺は全然構わないよ。俺も星羅が大好きだしね」星羅は手を叩いて喜んだ。「じゃあ今夜は佳子ママと一緒に寝られるんだ!」真夕も娘の楽しみを壊したくはない。彼女は笑って言った。「佳子、それじゃあ星羅をお願いね。私は先に行くわ」「星羅、ママにバイバイして」「ママ、バイバイ」真夕が去り、佳子は星羅を抱いて真司の高級車に乗った。真司は運転席に座り、後部座席には佳子と星羅が並んで座った。星羅が尋ねた。「佳子ママ、今夜はどこで寝るの?」「星羅、いつもの別荘で寝るわよ」すると、前の席から真司の声がした。「俺のところに行こう」佳子は顔を上げ、バックミラー越しに真司と視線を交わした。真司もまた、バックミラー越しに彼女を見ている。彼は彼女と星羅を自分の家に招こうとしている。佳子は少し動揺しながら言った。「それはまずいんじゃないかしら。今夜は星羅がいるし、私は星羅と一緒にいたいの」真司は穏やかに答えた。「俺も星羅が好きだ。俺だって一緒にいたい」星羅が無邪気に言った。「佳子ママ、それなら真司パパのところに行こうよ」星羅はまだ子供で、何も分からない。彼女にとっては、佳子の別荘でも真司の別荘でも同じなのだ。しかし、佳子の顔は赤らんだ。真司の別荘に行ってしまえば、何が起きてもおかしくないからだ。……佳子は星羅を抱いて真司の別荘へとやって来た。ここに来るのは初めてだ。ここは有名な高級住宅街で、この三年間、彼はずっとここに住んでいる。真司は大小二足の女性用スリッパを取り出した。「佳子、星羅、これを履いて」「うん」二人がスリッパに履き替えると、佳子は真司を見て尋ねた。「なんでここに女物の靴があるの?」真司は口元を緩めた。「何が聞きたい?」佳子はすぐに視線を逸らした。「別
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