黒い髪、大きな体、鋭い目つき、気崩した制服。 見るからに、ヤンキー。 誰でも口を揃えるであろうその姿は、窓から差し込む光に照らされ、柔和に表情を綻ばせている。 むぅ、と口を尖らせると、そいつは何故か頬を染める。「可愛い……」 その言葉に、私はカッとなってしまった。「あんたね……さっきっからそればっかりじゃない。ハッキリ言って、迷惑なのよ。ただでさえビッチだなんだって言われてるのに、あんたみたいなのに付きまとわれたら、噂は本当ですって宣伝してるようなもんだわ」 最後の一口にフォークを刺すと、デカブツに突きつける。「何が目的か知らないけど、金輪際、私に関わらないで」 そう告げると、ぱくりとケーキにかじりつく。 それなのに……!「それは無理かな。何度も言ってるけど、俺は由香里ちゃんが好きなんだ。これは譲れない」 いい加減しつこいな、こいつ。「だからさー、ぱっと見が好みだっただけでしょ? そんなんで『本気で好きだ』なんて言われてもねぇ。私にだって好みはあるし、あんたは私の好みじゃない。諦めて」 フォークを置いて席を立とうとすると、太い腕がのび、私の手首を優しく、でも力強く掴んだ。「じゃあ、君の好みを教えて? 俺、君に好かれるためなら、なんだってする。勉強でも、スポーツでも」 真剣な瞳で見つめられ、思わず視線を逸らした。「そ、そんな言いなりになる奴なんて嫌い……お生憎様でした、私、自分を持ってる人が好みなの。あんたとは真逆ね」 だけど、デカブツはぷっと吹き出し、小さく笑うと私を正面から見つめる。「へぇ……自分を持ってる奴……か。それなら俺はピッタリじゃない? 俺は好きな子のためなら何でもする。好きな子は、何をしてでも捕まえる。それが、俺の『自分』だよ」 その答えに、私はぐっと唸る。 だって、それは私が持っていないものだったから。 震える手で拳を握り、目の前の男を睨みつける。「……言うじゃない……そこまでして
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