Semua Bab 王子様じゃなくてもいいですか?: Bab 21 - Bab 22

22 Bab

第21話 見えない距離

 視線を周囲に向けたまま、私は更に続ける。 「眞鍋さんも、先輩の噂が本当だって、自信を持って言える? 現場を見たりしたの?」  それは眞鍋さんだけに対する問いじゃない。勝手気ままに、無責任に噂を広げる人に対しての問いだ。  眞鍋さんの噂には、多分嫉妬や被害妄想が含まれている。1年の頃はどうか知らないけど、少なくとも2年になってからは私にずっとくっついていたんだから。それでも噂がやむことはなかった。  そして、噂は女子だけじゃなく、男子からのものも多い。これって相手にされなかった憂さ晴らしなんじゃないだろうか。そう感じていた。  だから正直に言う。 「私思うんだ。もし眞鍋さんの噂が本当だったとしても、それって男子側にも責任があるんじゃないかって。例えアプローチされたとしても、本当に彼女が大事なら、他に目は移らないんじゃないかな。私、浮気する奴って大っ嫌いなんだよね」  剣道で鍛えた声量は、廊下にも十分届いているはずだ。 「女子も、自分が振られた腹いせに言ってるとしか思えない人もいるよ。どれが事実かなんて、私には分からない。ただ無責任に他人を陥れようとするのに腹が立ったんだ。眞鍋さんが私を思って言ってくれているのは分かってる。だから、先輩のことも少し思いやってくれると嬉しいな」  そっと眞鍋さんの手を取り、瞳を見つめる。 「噂ってさ、結局は関係ない人が流すものなんだよ。私は『王子様』なんて呼ばれてるけど、そんなんじゃない。ただの女子高生だよ。眞鍋さんが慕ってくれるのは嬉しい。だけど、クラスメイトとして接してくれると、もっと嬉しい」  そう言うと、眞鍋さんは瞳を潤ませ、遂には泣き出してしまった。その頭を撫でながら、ふとした疑問を投げかける。 「それにしても……私、先輩の噂
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-15
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第22話 信じるという選択

 私の演説じみた話が終わると、先生がひょっこり顔を出す。それは担任でもあり、理科の担当教諭でもある江崎先生だった。  そこでハッとして時計を見ると、既に5時間目の時間に突入している。 「す、すみません! 私、無我夢中で……」  慌てて席へ戻ろうとすると、先生は手で制して優しく微笑んでくれた。 「いや、聞き惚れたよ。私もこの年になるまで、いろんな噂に翻弄されてきた。オイルショックはみんな知っているよね?」  先生は周囲にも目を向け、話を続ける。 「最近も、米不足や増税なんかが連日テレビで報道されている。それに紛れて芸能人のスキャンダル、政治家の汚職、いろんな噂を耳にするだろう。それが悪いとは言わない。僕はただ、自分の考えを持って、自分自身で判断してほしいと思っているんだ。いい噂も、悪い噂もね」   みんなの視線が集中する中で、先生は淡々と語る。 「それは学校でも同じだよ。眞鍋さんや瀬戸くんの噂は、職員室でもよく耳にするんだ。だけど、僕の知っている眞鍋さんは、少なくとも噂とは違う。新堂さんを追いかけるのは、ほどほどがいいとは思うけどね」  冗談めかして笑う先生は、いつもより頼もしく見えた。 「瀬戸くんについても、僕個人としては新堂さんに賛成かな。もちろん、それを強要するつもりもないし、もしかしたら噂の方が本当なのかもしれない。だけどね、噂を信じるのなら、それ相応のリスクも覚悟が必要だよ」  それを聞く生徒の態度は様々だ。  俯く人、憤慨する人、聞き入る人。  私はじっと先生を見つめていた。眞鍋さんも同様だ。 「人の噂も七十五日というだろう? 結局、その程度のものなんだよ。それでも、ただの
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