勝はここぞとばかりに褒めちぎった。「いやあ、佐藤チーフは本当に素晴らしいお人柄です。あれほど謙虚な方は、心から尊敬いたします!」晟雄は言った。「佐藤チーフは控えめで、ひけらかさない性格がいいですね。でも、メイクくらい見せてもいいでしょう。どうせ同じ会社の同僚なんですから」病室のベッドサイドにて。大輔は、蓮司のスマホを全力で奪うわけにもいかず、息を切らして奮闘していたが、まだ取り返せていなかった。その上、蓮司が幹部たちに自慢げに話しているのを聞き、大輔はまるで火あぶりにされているような気分だった。最初にあんな大口を叩くんじゃなかったと、今さらながら激しく後悔した。もう収拾がつかない。晟雄たちに笑われるだけならまだしも、蓮司が笑いものになってしまう。もし蓮司が自分の顔を見たら、間違いなく自分は殺されるだろう……「違います、そうじゃないんです。実は社長のメイクは……」事態はもはや制御不能だった。大輔は隠し通せないと悟り、覚悟を決めて自白しようとした。晟雄たちに見られる前に止めれば、せめて蓮司の面目だけは保てる。部下の前で恥をかかせるわけにはいかない。だが、蓮司は彼に最後まで言わせる隙を与えなかった。その隙にカメラを切り替えてしまったのだ。大輔は書類で蓮司の顔を隠すことさえ間に合わなかった。……その頃、新井グループ本社の役員室にて。ビデオ通話の画面上で。蓮司側の映像が突然鮮明になり、幹部たちは何の心の準備もないまま、不意に目にしてしまった。……悪霊のような顔を。晟雄たちはほぼ同時に息を呑み、目を丸くした。長年ビジネスの世界で揉まれ、強靭な精神力を養っていなければ、今頃悲鳴を上げてスマホを放り投げていただろう。なんてこった!社長の背後に悪霊がいる!白昼堂々と現れるとは、すぐにお祓いを頼まなければ!それが全員の脳裏に浮かんだ最初の解決策だった。だが次の瞬間。彼らはその「悪霊」の目元がどこか見覚えがあることに気づき、必死に心を落ち着かせた。恐る恐る画面を凝視してみると、ある事実に気づいた。……この悪霊、どことなく社長に似ていないか?まさか!社長が悪霊に取り憑かれたのか?晟雄たちはさらに目を見開き、椅子ごと後ずさりして、壁にぶつかるまで下がった。驚愕と恐怖が過ぎ去ると、理性が戻っ
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