「やあ、逢いたかったよ。水希桜夜。ボクの愛しい模造品」「模造品?」 静かな世界の中、桜夜との合体を解いた三姉妹の内、サイカが仮面の男に問うた。「ああ、水希桜夜は……」 そこで男は仮面を外す。仮面の下の素顔は桜夜と双子のように瓜二つだった。「このボク、アルファをモデルにルシフェル……今はサタンと名乗っていたか。あいつが造ったものだ」 桜夜は特に表情を変えなかったが、少女たちは驚きの表情を浮かべた。対して桜夜はどうでもよさそうにしていた。次はリオが質問をした「それは、サタンが桜夜様の生みの親ということですか?」「生みの親というよりは造物主だな。そして失敗作だから人間界に捨てた」「……失敗作だ?」 ホムラの顔に苛立ちが浮かぶ。「そうだ。水希桜夜は身体が極端に弱く、デミウルゴスとの戦いには使えない。だから捨てた、と本人は言うだろうな」 殴りかかりそうになるホムラを手で制すると、桜夜はアルファに尋ねる。「あなたは何者なんですか?」「ボクは世界最初の神殺しだ。ただ昔はまだ力が不安定でね。デミウルゴスを倒しきれず、二度とデミウルゴスの世界に入れないよう封印されてしまったわけだ。だが今回お前たちの活躍により、ようやく止めを刺せた。大義である」 アルファは笑みを浮かべる。桜夜とそっくりな笑みを。否、桜夜がオリジナルであるアルファとよく似ているのだ。桜夜は、なんとも言えない表情を浮かべながら気になっていたことを尋ねる「……サタンはどうなったんですか?」「なんだい? 自分の手で殺したくなったかい? まああいつは魂だけの存在だ。そのうち蘇るだろう」「そうですか……なら」 ――そのときはお礼をしないといけませんね。 「お礼? それはお礼参りって意味かい?」「違いますよ。この世界に生み出してくれてありがとう、と。生み出してくれたから僕は、先生に、あずさに、この子たちに出逢え
Terakhir Diperbarui : 2025-08-18 Baca selengkapnya