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All Chapters of PSYCHO-w: Chapter 101 - Chapter 110

140 Chapters

11.家族

「ミハイル ! どうしたの !? 急に」 慌てて玄関まで出てきた真理に、ミハイルは微笑み、ゆっくりとハグをして肩を抱く。「何も。君のグリーンティーを飲み忘れたのを思い出して戻っただけさ。煎れてくれ」「ええ ! 勿論よ」 金髪に青い瞳。ルキより男らしい顔つきと広い肩幅。  そのミハイルに真理は、心臓が激しく感じていた。「お抹茶もあるけど、どうする ? 」「いつものやつでいい」「そう。  ……日本にまだいたのね」 早々と真理がボロを出す。ミハイルが経ったとルキに聞いて油断していたと言う事。「ルキはここに来てるんだな」「え……あ、いえ。今回はたまたまみたいよ…… ? 」「どうした ? 何も隠すことは無い。お前はルキの良き母親だ。ここに来たがるあいつの気持ちを束縛するつもりは無い。  それに真理。そのドレスもだ」 ロングヘアが乱れたまま、フォーマルな装いをした真理の生活は、ミハイルからすれば手に取るようにバレてしまう。「思い出すな。俺も若かった。いつでも綺麗に居てくれ、とは言ったが……。それは昔の事だ」「いいえ。ただ、ご近所さんから浮かないように振舞おうと。面倒は困るし」「今、この城で何がドレスコードなのかは君が決めるべきだし、俺は口出ししないさ」「……ええ。でも、いいのよ。たまにこうして会うくらいの時は女でいさせて。ただ、事前に連絡が欲しいわ。  あなたの前にいる時は、あなたに見合った女でいたいの。  ……おかしい ? こんな年齢になってからもそんな事言う女って……」「いいや。素敵さ」 真理の側に座ると、そっと髪に口付ける。「ルキはどんな様子だ ? 」「いつも通りよ。相変わらず敬語だし、素直じゃないしね」「あいつのことになると嘘が下手だな」 ミハイルは差し出された湯飲みに一度、唇をつけると懐から何かの写真を取り出す。 パサっと音を立ててローテーブルに散らば
last updateLast Updated : 2025-08-09
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12.蛍の罪

「ルキ。いつまでここにいる。座れ。言いたいことが山ほどあって、頭が割れそうだ。  まず、前回のあのだらしないゲームはなんだ ? 」 ルキは真理の側に座ると、不満そうな面持ちでMの言葉を聞き流す。「俺がお前の主催に何もしないと思っているのか ? 」「そんなつまらない事は考えませんよ」「前回のcrow達の賭け金も、過去一少ない。客だって賭けようがないものには賭けられんのだ。  次は分かりやすく勝敗が付くゲームにする事だ」 「分かりやすく……ですか」「どうした ? お前の得意分野じゃないのか ? ギャンブルではこれが一番手っ取り早い。馬鹿でも分かり、競走するもの。順列がつくものだ。     今は赤字では無いが、このままだとGMを降りる事になるぞ。  あの蛍という子供を殺す。次回は俺が主催する。     それだけ言いに来た」 Mは立ち上がると、茶を飲み干し無言で玄関を出ていった。「ま、待って ! ミハイル !! あの子は必要な子なの !! 」 真理は裸足のまま、車に乗り込むミハイルにしがみつく。「どうして !? どうしてルキの幸せを願ってあげられないの !? あんたが引き取った子供じゃないの !! 」「真理、俺はガキが欲しかった訳じゃない。  欲しいのは優秀な跡継ぎだ。何度も話し合ったはずだ。  しつこいようならお前もゲームに出てもらうことになるぞ」 Mはドアを閉め、バックで住居の敷地から出ると、路駐していた他の車両に護衛されるように挟まれ去っていった。 真理はドレスを脱ぎ捨てるとくしゃくしゃに握り、思い切り床に叩きつける。「何よ ! もう !      ルキ、あんたもうGMなんかやめてここにあの子と住んじゃえば !? Mの言う通りになんかしなくていいわよ ! 」「ふふ。真理さん、落ち着いて。あと……服は着てください」 真理をなだめようとしたルキが
last updateLast Updated : 2025-08-10
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13.待ち合わせて……

 湊駅前。 バスプールの乗降口。 便の少ない路線バスの空いたバス停に、ピンクの軽自動車が停まった。「よっほ〜。お待たせ」「え……」 なんと椿希が運転席に乗っていた。「お、お前……免許……」「免許 ? あると思う ? 走ってればバレねぇって。 ほら、けい〜。早く早く」 停まっているままでは余計に怪しい気がして。 実際に怪しい以上に犯罪なのだが、蛍も面倒は御免だ。助手席に乗り込んだ。「狭い……」「いや、普通だから。今時の軽自動車、これで広いからね ?  けい〜、趣味とかルキさん感覚になってない ?  これは多分梅乃様が使ってた車。なんか可愛いっしょ ? 」 椿希が乗って来たのは梅乃の家にあったもので、十年以上前の主婦層に人気だった車種。ピンクシルバーのボディに、桜色で統一された内装。「別に車に拘らないから、詳しくない。俺ん家、ほぼ移動は軽トラだし」「だぁ〜よなぁ。分かるわぁ〜、俺ん家もそう。いい車は行事とか檀家さん関係の移動でばっか使ってさぁ〜 ?  ルキさんて、車何乗ってんの ? いつも黒塗りのトヨタのって運転手いるし、私用は別の車 ? 」 蛍はこの答えをはぐらかす。「さぁ。車種聞かなかった。広いな、くらいにしか思わなかったよ」 蛍に取って他人の所有物に興味は無い。今は真理の車で送られて来たのもあり、蛍にとって車の趣味自体が皆無なのだ。「一緒には来なかったの残念〜。次のゲーム、決まったら連絡欲しいんだけどなぁ」「はぁっ !? お前、その腕で…… !? まだ出る気なのか ?  ってか、今気付いた !! 片手運転じゃん ! 」「大丈夫、傷は塞がってるし、先っちょでハンドル支えてるし。 俺はいいけどさぁ。しなモンはまだ
last updateLast Updated : 2025-08-11
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14.詐欺

 湊市と北湊市のちょうど境目の古い住宅地。 一度公園入口<span;>に車をねじ込むと作業を始める。 大きなバッグから、工具の入ったツールボックス、ヨレヨレのスニーカー。最後にペンキの付いた繋ぎを取り出す。「え ? バイト ? 」「まぁ〜、ある意味バイト……違うな。タダ働きだけどぉ」 着替えを終えた椿希は、そのままハンドルを握りルームミラー越しに周囲を探る。 すると一台の脚立を詰んだ軽ワゴンがやってきて減速する。運転手は三十代後半程のガタイのいい人大男で、タイルを頭に巻き日焼けをした顔で椿希を伺う。 その男に窓も開けず、左手で『行け』のサインを送る。「しのぎ ? 」「あの部下のね。今回手強いから俺が頼まれて、断れなかったわ」 山王寺の最もたるしのぎが何なのか、未だ蛍はボンヤリとしか知らなかった。以前は葬儀屋を飲み込まれそうになったものの、他にどんな悪どい商売をしているかなど、梅乃が死んでからあやふやになって行った。 だが、新ボスがここにいるとなれば、懐に入れてしまった方が早いのでは、とも思えた。「いいけど、俺は隠れてるよ。関わるのはごめんだね」「え〜来ればいいじゃん ! はい。つなぎ♡」「やだってば……犯罪だろ ? 」「けいくん……意外と拘るね……。ヒトゴロシも一緒じゃん。なんなら俺は命までは取らないし ? けいに比べれば善人じゃない ? 」「犯罪に善も悪も無いんだよ。互いに知ってる情報が、脅しにならないのは分かってるだろ ?  ……何をす
last updateLast Updated : 2025-08-12
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15.海玄寺

椿希の手にあるのは袈裟だった。「次はけいくん家♡」「はぁ !? なんだよ止めろよ !! 」「大丈夫。じいちゃんも来るし、こっちはガチの仕事で、詐欺じゃねぇからさ」「俺、行かない」「俺は構わないけど、爺ちゃんと俺は涼川さんに会うよ ? アポ取ってるもん」 この言葉に蛍は目眩のする頭を抱えるのだった。 □□□□□「蛍 ? おめぇ、なんで…… ? 」 涼川葬儀屋の事務所横の個室。 商売相手の住職と挨拶を終えた頃、椿希と蛍が現れた事に目を丸くしていた。 当然だ。 一緒にいる椿希は、先日警察にまで通報したトラブルを持ち込んでいたのだから。「あ、いや。こいつの家、住職さんの孫って知って驚いて……。それから……」「なんだかんだで、仲良くしてます♪」 椿希が言い切る。「違っ ! 話したら案外、面白くて。嫌いなんだ ! 本当に ! 」「何それ〜 ? 今日一日笑って一緒に遊んでたのに、そんな事言うぅ〜 ? 」 実際、今日一日で蛍は機嫌よく椿希と一日を過ごした。人肉ゲームでは全く食べれなかった椿希が、三キロもあるオムライスプレートを昼食に食べきったのにも驚いた。そもそも同級生で生きる世界が反社会的な二人だ。壁を壊すのはそう難しい事ではなかった。 海玄寺の住職が深々と頭を下げる。「うちの孫が、先日とんでもない事をしでかして……大変ご迷惑をお掛けしました」 重明は、以前から住職に「孫がヤンチャすぎる」とボヤいていた為、なんだか妙に納得してしまった。「ごめんなさい、けいのお父さん。 こないだは、今日の話をしようと思ってけいのところに来たんだけど、けいの奴……全然相手してくんないし。ちょっとイタズラしようとしたら……本当に警察まで来ちゃって」 椿希の言い訳に住職が
last updateLast Updated : 2025-08-13
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16.ペット

「実は先日、シロの……あ、飼ってた犬なんですけど、散歩中に自分の不注意で事故にあいまして」「事故…… ! 失礼ですが、もしかして……その腕はその時に ? 」「はい」「そうですよね ? 先日は……あったもんなぁ……」 重明は悟った様子で話の続きを待つ。「はい。俺は腕で済んだんですけど、犬の方は……駄目で。子供の頃からいた奴だし、拝んで小さく葬儀しようって思ったんですけど、お経は自分で出来ても、葬儀する、俺の家にはその装備が無いんですよ。 つまり、火葬や納骨なんかの業者をどうするかとか、仏壇は人と分けろって爺ちゃんは煩いし」「ペット葬儀事業ですか」「はい。この辺だと、緑生市の外れまで行かないと業者が無くて。それも仲介業者だし。 お寺が全部やってるとこに話聞いたりしてみたんですけど、ただお経あげて寺に埋めて終わりらしくて。 もっとちゃんと葬儀屋さんでやりたいんです。家族だけでいいから、花とか写真とか置いて豪勢に !  葬儀屋さんがしてくれるなら本当にありがたいし、まず依頼される方も安心すると思うんです」「ちなみに相場どのくらいを考えているの ? 」「合同供養なら10000円から。個別ではセレモニー含めて、大型犬とか特殊な生き物、あとは遺体の状態で10万前後で」 これを聞いていた蛍は思わず「高っ ! 」っと声を上げたが、重明はそうではなかった。「まぁそんなものでしょうね。もっと高い業者もありますし。 葬儀用品はうちでも用意はできますが、バリエーションに関しては……ペット用は今まで扱って来なかったしなぁ」「それなんですが、仏具の販売コーナーがあるじゃないですか ?  あの隅っこでいいので、ペット葬儀のしおりや見積もりカタログ、それとペット用の仏具を置かせて欲しいと思いまして。勿論、スペー
last updateLast Updated : 2025-08-14
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17.椿希の自宅へ

「なぁ。俺、本当に嫌なんだけど」 椿希は重明に挨拶を済ませると、蛍と二人、歩きで駅へ向かう振りをしながら再び車に乗り込んだ。 嫌がる蛍を連れて来た行先は、自分の家──つまり元 梅乃の自宅である。「気味が悪い。あと、別に見たくない」 そう拒否し続けるが、結局蛍は好奇心に負けてしまった。 月が昇った頃、梅乃の屋敷の前に立つ。「意外。もっとヤクザ丸出しって感じの家かと思った」 蛍が車庫から出て、家を見上げた。 確かに周囲の家に比べても不釣合いなほどの豪邸ではあるが、真理の家ほど空気が読めていない雰囲気では無い。 一般的な塀に一般的な広い庭、広めのウッドデッキ、洗濯物にも困らないテラス。 敷地面積もあるし、窓を見る限り三階建てでクリーム色の外壁に黒い瓦屋根。 材質も工務店が建売で販売するレベルの『近所で少し豪勢な家』である。 一つ違いがあるとすれば、防犯カメラの多さだが、そこは仕方ないだろう。「近所にボスの家ってバレてんの ? 」「古参の爺婆は知ってるらしいけど、別に普通。ここでなにか犯罪起きてるわけじゃないしね。梅乃様は学校でも優等生だったろ ? 」「確かに。俺も梅乃が反社とは知らなかったし」「山王寺グループ自体はまともにやってる表向きの会社もあるしさ。契約した会社のホームページが出てこないとか、住所が別な名義の会社だとか、他の詐欺グループはザラにあんじゃん ? 俺らはそんな事しないし。ボロも出さないよ」 椿希は門番の部下に玄関を開けさせると、帰宅を命じる。「まじで夜一人 ? 護衛とかは ? 」 家の中に人の気配は無かった。 時刻は既に19時。 コンビニで買った弁当を片手に、蛍は家の中を見渡す。 高そうな花瓶に造花の生け花。 畳の大広間はいかにもな造りだが、それ以外はちょっと広い大家族の家と言う雰囲気だ。「護衛は外だけウロウロするかもね。 俺、家の中に人いるの嫌だもん」「山王寺グループのドンが高校生で一人
last updateLast Updated : 2025-08-15
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18.女体構造

 椿希は幕の内弁当の鮭をつつきながら、ニッコリと蛍に笑みを浮かべる。「けいなら分かってくれると思ったのにぃ〜。  梅乃様はもう歳をとらない。永遠にあの姿のまま俺の中に残るんだ。素晴らしい事だよ……本当に女神さ」「……」「そして俺も梅乃様になる」 この台詞には、流石に蛍の箸が止まった。「写真見てから思ってたんだけど、それっておかしくない ?   自分に好きな人 ? が、なる…… ??? あれ ? ええと。『自分が自分の好きな人になる』……って事だろ ?   自分じゃないからこそ、恋愛なんじゃないの ? 」 蛍があまりにも不信げにするもので、椿希は勢いが収まらず立ち上がって急かし始める。「分かった !! 今、着替えて来る ! 」「は !!? やだよ !! 見たくねぇって言ってんだろ !! 」「大丈夫。大丈夫だから」「何がっ !? 」 椿希は器用に無い右腕を振り振り階段を駆け上がって行った。「何なんだよ、馬鹿過ぎるんだけど……」 蛍にとって騒がしいタイプは本来苦手なのだ。しかし、久しく同学年の男子とは距離を置いていた分の楽しさや刺激はある。それも自分の素性を知っている悪である。  今や椿希の事は完全な害とは思っていない蛍だが、時折あの騒がしい姿を見せられるとふと、落ち着いた雰囲気のルキを思い出してしまうのだった。 □□□□□□「ババーン ! 」「……うわぁ……」 目の前に現れた椿希のクオリティに思わず蛍は箸を置いて見上げる。  サラリと長い黒の三つ編み。神経質な程磨かれた丸メガネ。シリコンスーツで盛り上げた大きな胸と、それに纏う日々野高校の二年生女子の赤いリボンスカーフ。  極めつけは椿希本来が持つ足の細さと、切長の瞳いつも話す時はくりくりと目を見開いている椿希だが、真似ようとしただけでここまで似るとは……誰も思わないだろう。  完全な梅乃の複製だ。「おっと、違った……ゴホン。あ〜。
last updateLast Updated : 2025-08-16
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19.嬲り

「な〜けい。ルキさんとはどこまでやってんの ? 」「はぁ ? 普通聞く ? それに、なんも無いし」「いやいや、無いわけないだろ〜」 答えにくいところをスパッと聞いてしまえるのは実に椿希らしい。「よっ……っと !! 」「うわ !! 」 蛍が言い淀んでいると、椿希は隙を見て蛍に馬乗りになった。「ふふー、乗馬完了 ! 」「どけよ。だいたい、お前そんな趣味無いだろ ? 大好きな梅乃様が泣くんじゃないの ? 」「んーまぁ〜 ? 確かに ? 梅乃様がけいとしちゃうなんて俺、泣いちゃう〜。 でも、俺。人を虐めるのは好き♡別腹かな☆」 そう言うと、男性一人用の性具をカポンと取り出す。その使い道は想像するまでもない。「はぁっ !? なんでだよ ! 離せ ! ウギギギ !! 」「抵抗すんなって ! 」「片腕無いのに何なんだよその馬鹿力 !! 馬鹿椿希 !! 」 椿希は蛍の腹に馬乗りになると、後ろ手で器用にファスナーを外してモノを引っ張り出す。「なぁんだ。おっぱい触らせてやったのに全然反応無しかよ」「たかが偽物だろ ! 残念だったな。 いいからどけよ ! 」「んー。 けいってルキさんとどっち ? もう入れられんの ? 分かんないからオナホにしちゃった」「にしてもお前とはやらねぇよ ! 」 蛍は何とか足で椿希の背を蹴り上げようとするが、体型のペラペラな椿希にはカスリもせず、なすがままに陰部を弄ばれる。「……っ ! 」「お、ちょっと元気になった ! まぁ〜俺も男だし ? こう、こんな感じに、こうでしょ ? 」「あ……うぅ……んんっ ! 」「はは、ビシャビシャじゃん〜。なぁ、ルキさんはもっと上手いんだろ ? ちょっと思い出せよ。手は俺が働くからさぁ。 なぁ。ルキさんとす
last updateLast Updated : 2025-08-17
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20.歪友

 再び弄ばれる。「そうだ。ここ、縛っちゃお」 三つ編みウィッグのヘアゴムを外すと、蛍の根元にキツく絡める。「い、嫌だ ! あうぅ…… !! 」 何度、辿り着いても絶妙に達するまではしてくれないもどかしい快楽。「あぁっ、ん〜 ! ……あぁ、椿希……もう……」「そんな泣きそうな声出すなよ〜。ちゃんと最後はイかせるし ? 」「もうイきたい……んだよ ! 」「じゃ、もぅ一回近くまで行ってみる ? 」「違っ !! そうじゃな……ああ ! 」「はち切れそー♪ほらイけば ? 」「外せよ ! あっ ! だ、出したい !! 出したいん……あっ、あぁ !! 」「けい〜あのね ? 梅乃様の身体。俺本気で探してんだよねぇ〜」「くっ ! ん……っ ! 」「なんだよ。話始まったらイクの我慢すんの ? 」 決して予想外の話題では無い。  しかし、殺した梅乃の部屋で、殺した梅乃のコスプレをした男に犯されている今、倒錯的なものを好く蛍の質は治まるはずがないのだが。  ただ答えたくない事実は変わらない。「殺人鬼ってさ。殺したやつの物、取っておくって本当 ? 」「……〜〜〜」「そう、まだ我慢すんの ? じゃあこっちか」 椿希はベッドの下からコードに繋がれた物体を引きずり出した。簡単な電動マッサージャー。電源を入れ唸りを上げる先端を、立った裏側にスルスルと当てる。「っぅあぁぁぁっ !! や、やめ……ああああぁぁぁっ !! 」「ねぇ、梅乃様の遺体一部でもいいんだ。残ってる ? 」「の、こ…… ! 残ってない ! 残ってないぃぃっ !! 止めろ ! 止めろよぉぉぉっ !! 」「ホント ? 」「無いってば !! 無い〜っ !! 」「んむ〜。じゃあ、ゴム取るよ……」「あ、ああっ !! あうぅ……」 椿希が蛍からどいてもしばらくクタりとして動けないままだった。
last updateLast Updated : 2025-08-18
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