「みんな元気そうだね」「ル、ルキ様 ! 」「椎名、約束通り戻っておいで。でも、お前の事だ。焦って無理してでも退院しそうだから忠告に来たの」「う……」「ゆっくり治療するんだ。いいね ? 」「はい。ありがとうございます」 そして椿希の方を向く。「やぁ。頼まれてたモノ、回収したよ」「あざっす、ルキさん」 椿希のベッドのサイドテーブルに布の袋が置かれる。蛍も椎名も、それがなにか察した。「納骨袋……。坂下 晃のものですか ? 」 椎名の問いに、ルキだけでなく椿希もポカンとした。その二人の表情に、椎名も蛍も困惑する。「違うよ、しなモン」「しなモン ? 何それ !?」 ルキがすかさず反応する。「椎名……ぷくく、いつの間にそんな……くくっ…… ! 高校生にあだ名付けられてるとは…… ! 」「同意じゃないですよ……」「あーっははは ! こりゃいいや」 ルキがケラケラ笑う後ろで、蛍もやっぱり肩を震わせていた。「しなモンか。ギャップが凄いね。椎名、俺も呼んでいい ? 」「ルキ様、やめてください ! 」「俺が付けたっす。 同室だしぃ ? お互いイライラしてると腕痛ぇから。楽しくしてた方がいいかなぁって」 椿希の言葉をルキは頷き承諾する。「椎名は一見堅物だけど短気だし、案外大衆的な物が好きなんだ。たまにはシャバの空気も悪くないだろ」「この面子でシャバって……反社の集まりじゃん」 蛍はぽそりと呟いてしまった。「それで、その遺骨は…… ? 」「これは伯父さんじゃないよ」 椿希は小さな布袋に手をやると、ソッと撫でる。「これ、俺とけいが殺したウサギちゃんなんだ」「え ?! 」 椎名だけではなく、蛍が強く反応した。「だって可哀想じゃん」「そう……だけど……」
Terakhir Diperbarui : 2025-07-15 Baca selengkapnya