香澄と梅乃が消えてから、日々野高校では女子生徒の不審死と行方不明事件の発生に、生徒は動揺を隠せずにいた。 梅乃に関しては見つかってはいないものの、もう始業式から一週間が経過する。やはり安全な場所にいるとは考えにくいだろう。生徒達の間でも悪い噂が流れ始める。 休み時間。蛍は二階の窓から、学校を後にするスーツ姿の二人組を見下ろしていた。一目で刑事だと丸分かりの神経質な顔付き。蛍はその姿を眺め続ける。どちらも磨かれた革靴に皮膚まで剥がす勢いな髭の剃り方。 しかし無駄だ。 ルキが対処した死体の始末と防犯カメラ。そう易々と近所の山等から見つかるわけが無い。プロとして始末を頼んだのだから。 それにもし、自分に聞き込みされても、梅乃との付き合いは香澄がいてこその存在。蛍に聴取したところでプライベートで会って話す仲では無いのだから。 何も出てこないのにご苦労な事だと鼻を鳴らす。 蛍が窓から離れようとした時、一人の男子に声をかけられた。「け〜い君」「 ? はい……」 見慣れない生徒だ。日々野高校の男子はブレザーのネクタイ色で学年が分かる。この生徒は蛍と同じ学年の赤色だ。 しかし……マッシュルームカットがプリンカラーになった男子。 蛍には見覚えがない。 制服は傷みが無く、ネクタイも新品で折シワがない。「……転校生 ? 」「ピンポーン♪そうなんだよぉ〜。 親がさ ? だらしなくて、二学期ピッタリ間に合わなくてさぁ ! 参るよ〜」「そう。大変だね。何組 ? 」「三組だよ」「ふーん。なんで俺に声掛けたの ? 」「それそれ ! なぁなぁ、いつも図書館で美人と話してるだろぉ ? 前の高校にいた時から、見かけてたんだ」「 ??? 美人 ? 美人…… ? 」 結々花なのか美果なのか。恐らく口を開かなければ結々花の方が整ってい
Terakhir Diperbarui : 2025-06-12 Baca selengkapnya