Semua Bab PSYCHO-w: Bab 61 - Bab 70

87 Bab

16.任侠者

    ルキは浮かない顔を一掃し、普段使わない回線で山岡組にコールした。「わたしです。ルキです。湊市周辺の警察署の根回しありがとうございました。……ええ ! 快適ですよ。 ですが、今日少し問題が……」 電話越しでガチャガチャ音がすると、一際野太い男の声が帰ってきた。『もしもし、ルキさんか。    山王寺の嬢ちゃんが残した火種だな ? 』 ルキがこの地で活動するには警察を抑え込む必要がある。しかし、どこの誰ともしれない外国人に警察官が首を縦に振るわけが無い そこで結々花が利用したのがヤクザの存在だ。 勿論ただでは無いし、山岡組の悩みの種を潰すことも条件に取引は成立していた。 ルキはボイスチェンジャーを停止すると、生の音声で頭と話した。「そうなんですよね」『……山王寺とうちの組は、それやぁ激しいドンパチした仲でな。それが今や相手は女子高生のボスだの……輪をかけるように暴対法の嵐だの。しょーもない生活してる訳だ。 しかし……女子高生の嬢ちゃんが消えたそうだな ? 』「ええ。今は側近にいた男が梅乃さんの後釜についたようです」『なるほど。そんでお前さんの仕事に影響出てるわけか』「困っちゃいますよ〜。その新ボスってのが湊市警察署の刑事と血縁で、なんと同じく高校生  ! 」『警察の身内ぃ ? はははは !! そりゃろくでもねぇな。 外国人のあんたには分からんかもしれないが、まず親が幼稚園児だろうが女子高生だろうが、親は親だ。 それを何食わぬ顔で取って代わって椅子に座るとは阿呆丸出し。物事にはシキタリっつーもんがな、任侠もんの常識だ』「イキがったヒヨコはすっこんでろ……と ? ふふ。親分さん、厳しそうですね ! 」『そらぁ、舐められたら商売にならん。 
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-22
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17.尋問

「さぁ、効いてきたかな」 畳の上に正座させられた椎名は、酷く汗を浮かべて籐の椅子に座るルキに頭を垂れていた。 自制心を失い、かなり酔う薬を投与された。全身が脱力し、思考能力を奪う。それは嘘や誤魔化しを考えることも出来ないほどの威力だった。 畳の感覚さえふわふわして目が回るが、それでも椎名は気力だけで土下座している。「出……過ぎた真似を、しました…… ! 」「そうじゃないよ。まず、休みの日にどうして椎名はケイを付け回してたの ? 」「っ…… ! ま、まさか ! つけ回すなんて !  た……ただの通りすがりです。駐車場にパトがいた事に気付いて…… ! 」「本当に ? 」 立ち上がったルキがコルセットから細いワイヤーのような物を抜く。それはしなりのある金属で、刃は無いものの凶器であることに変わりは無い。「ルキ様 ! ほ、本当です ! 」     ルキが思い切り椎名の背を打ち付ける。 バチィッと言う音と共に、椎名は悶絶し畳に崩れた。ワイシャツが一度で大きく裂け、血が滲んでいく。それでもまだ降り続く鞭。「ふっごっ…… !! がぁっ !! …… っ!! 」「スミスに確認したけどさぁ、今日出かけたのは北湊の浜沿いだよね ? この旅館は西湊駅前。どうして東湊の蛍の家にいたのか。納得出来ないんだよねぇ」 再び振り下ろされるベルト。椎名のシャツが破れ所々、血が滲んできた。「ほう……報告……の、通り…………です……。この狭い湊周辺、北から東に南下して……ドライブ中、たまたま……なんです ! 」 
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-23
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18.我儘なペット

 警察署から帰宅した蛍はようやく下着を交換出来る事に機嫌が良かった。 どうせ洗濯と料理は蛍がする。汚れていても問題は無いのだが、流石に気持ちのいいものでは無い。 帰宅してから重明と話をし、風呂に入った現在、深夜二時を回っていた。 Tシャツとジャージを履くと、冷蔵庫の中から夜食用のおにぎりを取り出した。 育ち盛りの蛍の為、仕出し屋の女将がいつも差し入れを持って来てくれる。 この日、通夜会場が開いている以上重明は少しの仮眠だけしかとらない。それも斎場に付きっきりだ。いつでも遺族が話が出来る距離で見守る。 自宅に帰って来れば遺族も気を使い相談事を持ちかけない事もある。『寝ているかと思い遠慮してしまった』等と言わせる訳にはいかない。少ない男性社員と共に交代で夜間勤務するのだ。 おにぎりを齧りながら、時計をぼんやり見上げる。今日は眠れそうもない。 明日も学校だ。椿希は来るのだろうか ?  眠れないとなると急に焦るが、今日は朝まで起きていてもいいかと覚悟を決めた時だった。 カツン……。カツッ。「 ? 」 玄関の外で物音がする。 蛍がキッチンから廊下の先の玄関曇りガラスを見ると人影が映る。「……」 ひと目で分かった。 背の高さと白いシャツ、金糸のような髪色。 そのシルエットは間違いなくルキだ。 purrrrr.purrrrr スマホが鳴るが、その着信音は自室の二階で響いている。 蛍は少し戸惑いつつ、ドアに近付く。「……ルキ ? 」「あ……ケイ……。俺」「……」『開けろ』とは言われない。 蛍は少し様子を伺ったが、無理矢理ドアを開けてくる訳でもない。ルキは蛍の言葉を待つだけだった。「またゲーム ? 」「ううん&he
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-24
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19.ヒューミント Rの正体

 ──♪♪♪♪♪♪ !! 「うぎゃ ! 」 突然電話して来るヒューミントの着信に結々花の心臓が跳ねる。「んもう〜、なんなのよ」 蛍の自宅の庭側から様子を伺っていた結々花だが、ドアから訪問して入ったルキの存在には気付かなかった。「もしもーし。R、わたし張り込み中なんだけど」『おいおい、聞けよ ! ルキの側近にいた眼鏡野郎がゲームに出されるらしいぜ』「えぇっ !? 」 結々花はつい先程、青い顔で旅館に戻った椎名を思い出す。「アチャ〜。わたしが報告遅れたばかりに……。大丈夫かしら……」『でも、あいつもデスゲームから上がって来た奴だろ ? 何とか出来るんじゃねぇの ? 』「ゲームにもよるでしょ……。 でも、ルキなら不安要素はすぐに排除する選択をするかもね……椎名さんやばいかも」『だろ ? 』「あとは何か……情報ある ? 」「今ん所は無ぇけど。あ、ルキが今回、涼川  蛍を参加させないんだとさ」「え ? そうなの ? まぁ、初夏から連続だったもんね。その方がいいわ。焦らずゆっくりやっていきましょ。 貴方、今ルキと一緒なの ? 」『うんにゃ。ここにルキはいねぇよ』「出かけたってこと ? それとも、貴方は日本にいないの ? 」『ははは。結々花ちゃん、今日はダイレクトに聞いてきたなぁ。 知り過ぎると、ろくな目にあわねぇよ ? 』「多少、痛ぶられる訓練は受けてるわ。簡単に口を割らないようにね。お互いにそうでしょ ? 違うの ? 」 結々花の問いに、男の通話からカチャッと言う音を拾った。 結々花はそれを聞き逃さなかった。 ──洗面台の音。……何か置いた音。アクセサリー ? いえ……眼鏡かしら&
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-25
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20.参加意思

 ルキは朝になると蛍が目覚める前、一人帰って行った。  一口減ったミネラルウォーターを残して。蛍を抱き枕にしただけの一夜。  蛍はふわふわした気持ちで、卵をフライパンに落とす。夏休みも終わり、既に九月に入ったが、まだまだ猛暑は続いている。  夜中に感じたルキの体温と感触。(あいつ、本当になんなんだよ……) 蛍は自分がどれだけ油断していたのか。この時ようやく気付く。  背後から抱き着かれたルキの身体は柔らかかった。以前は刃物を仕込んでいると明かし、その固められた身体に触れた。あんなゲームイベントの主催者が、まさか武装していないわけがないというのに、何故か昨夜はしていなかったのは事実。(俺はいつか殺す気でいるってのに。余裕ってわけ ? ) 考えれば考える程、内側に広がる初めての……なにかの感情。 そこへ背広姿の重明が帰宅した。「おかえり」「おう。食ったらすぐ出る。  今日も図書館か ? 美果さんを待たせるのもなんだから、先に準備して来い」「もうしてある」「そうか。なら……いいが」 重明は飛び出てきたトーストを皿にのせると、目玉焼きを持ってきた蛍と卓に着く。「昨日は眠れたか ? 」「……あー。うん。別に普通」「あいつは友達か ? 」 あいつ……とは ?  ルキが来たことを知るはずもないのだから、椿希のことだ。  蛍としては自分にちょっかいを出してきた椿希より、何も言わずに夜に来たルキの方が余程気になっているのが本音だ。しかし重明も内心穏やかじゃない。   「いや……。ちょっと絡まれただけだよ。  学校で美果を紹介しろって言われて、曖昧に返したんだ。だってそいつ転校生で話したことないし……勝手に決めらんないじゃん。変な奴かもしれないのに美果に会わせらんないよ」「そうだったのか……」 重明はトーストを折り畳んだりちぎったりするだけで、口に運ぼうとしない。「……どうしたの ? 」「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-26
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21.緑星市 シティホテル

 車は東湊市を南下し緑星市へ入る。県内で最も人口の多い土地だ。 人口が多いとはいえ、地方都市である事には変わりは無い。温泉地域とも離れた、寂れた町のシティホテルへ連れてこられた。 十階建てのずんぐりむっくりとした古い外観と、不釣り合いな程豪勢な門構え。「こんな人の多い場所でやるの ? 」 蛍と美果は車内からホテルを眺めた。「ええ。出入り口には勿論、逃走防止に部下を置きますが……お二人は逃げないでしょう ? 」 スミスが入口に乗り付けると黒服達が群がってきた。蛍と美果を出迎えロビーに誘導する。 部下に入れ替わり運転席を降りたスミスに通行人の視線が釘付けになる。 褐色肌に長身。スーツを着たスミスの姿は、まさに絵に描いたような『要人のSP』という出で立ちだ。更にホテルマンとは似ても似つかない様相の黒服達。悪目立ちにも程がある。「目立ってんだけど……」「葬式でもないのに皆んな真っ黒だしね。なんでもいいわ。暑いし、入りましょ」 美果が蛍を引っ張りズカズカとフロントに入る。二人はすぐ違和感に気付いた。「……フロントの人も、黒服なのか ? 」「まさか、ホテルの人誰もいないの ? 貸切 ? 」「ええ。支配人は買収済ですし、勤務されてる方々には慰安旅行へ行っていただきました」「相変わらず、無茶なやり方ね。コンテナターミナルもここも、一般人を買収なんかしないで自分たちで会場作ればいいじゃない。金はあるんでしょ ? 」「転々とする我々としましては借りた方が楽なんですよ。ここをシマにしている組とも友好関係を築いてますし。 観覧者のお客様も旅行好きな方が多いので、日本は人気です」「リッチなことね」 蛍は二人から離れ、ホテルのパンフレットを手にする。 外観の割りに豪華な客室。結婚式も行える会場に豪勢な食事の写真。「このホテルの……部屋でゲームするの ? 狭
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-01
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22.第3ゲーム開幕

「来たぞ !! 」 エレベーターのドアが開いた瞬間、大きなどよめきと喝采が沸いた。 蛍と美果は自分たちに向けられた視線と歓声に度肝を抜かれていた。 今までのイベントと確実に違う場の空気。 観覧者の姿が見える。相変わらずマスク着用だが、明るい会場の照明では肌の質まで分かるほど近い距離感。「おい ! 俺はお前に賭けたぞ蛍 ! 」「ミカ !! ミカもいるわよ !? 」 会場にひしめき合う円卓の合間を縫って、ウェイター役の黒服が料理を運ぶ。コック帽を被っている男は隅に鉄板を置き、上質そうな肉を客前で斬ってみせる。煙に反応しない会場。エレベーターの重量もそうだが、建築のあれこれは違法状態なのだろう。 観覧者達の顔触れをしっかり見るのは蛍も美果も初めてだった。 マスクの隙間から見える目元や唇。どの人間も普通に見えた。 ドレスも上質な生地だが派手でもなく品があり、マスクを外しても厳つい反社会的な顔付きはしていないだろう。 蛍と美果の入った檻は、ステージ中央に並べられた。 その隣にもう一つ。同じ檻があった。 蛍は前を向いたまま、その中で拘束着を着せられた椎名に呟いた。「……何それ。ハンニバルのコスプレ ? 」「…………黙れ」 奥にいた坂下刑事は檻の隅で立ち尽くし、理解不能な表情で観覧者を見つめていた。「く……こんなっ ! こんな馬鹿な事あるわけが無い ! 」 自己暗示をかけ続ける坂下刑事を、椎名と蛍は冷たく無視を決め込む。「ふーん。椎名、あいつと組むの ? 不安だね」「俺にそんな揺さぶりは効かないぞ」「そうかな ? ルキのやつ、坂下を生かして帰らせる気は無いんじゃない ? だとしたら、一緒に組むあんたは負け確じゃん。 一体、何やったんだ ? 」「……ルキ様の……ただの思
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-02
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23.プレイヤー&ペナルティ

 黒服が用意された台の上のセットをスクリーンに映す。  ゲームで使う物。  メモ紙、封筒、ペン、ナイフとフォーク。そして離れたところにトランプ。  黒服が一人現れ、蛍達参加者にはルール説明が記載された用紙が配布された。「それでは皆様にルール説明をいたします。  まず各檻の二人を『プレイヤーになる者』と『ペナルティーを受ける者』に分かれて貰います。これは二人で相談して決めて貰いましょう。  わたくしがハイローの『親』をします。  プレイヤーの『子』は檻の中で、手元のメモに1〜13までの数字を書き、更に親のカードより上か下かを↑↓で当てて頂きます。  highかlawかだけでなく、数字も当てる仕様です。  次に得点の計算方法です。  親が『6』の時、プレイヤーが『3↑』と予想した場合を例にします。  まずプレイヤーはこの場合↑Highを選択しましたので、ハイローは負けになり1点の減点になります。  更に親のカードの数字『6』から、子が予想した数字の『3』を引き、差分の3と言う数字も減点とします。この例題では合計4点の減点となります。  親が『2』、プレイヤーが『2↓』の場合、同じ数字は減点無しです。↑HIGH 、 LOW↓のペナルティーだけ減点です。この場合も減点です。  もしプレイヤーがピッタリを当てに来たい場合、↑↓ではなく、『=』と記入して頂きます。ただし=を使用し、負けた場合、減点は2点、当たればペナルティー無し」 蛍と美果、坂下と椎名はそれぞれ説明用紙を見つめ、頭に叩き込んでいく。  紙にはより詳しく書いてはあるが、明確にルールは違わないようだ。  親が『5』、子が『12↑』の場合、差分だけがペナルティーとなる。  親は観覧者にトランプが新品であることを確認してもらい、数人にシャッフルして貰い山場から引く。「プレイヤーは1〜13までの数字を選んで、ルキの引いたトランプの数より上↑か下↓か、もしくは同じ=かをメモに書くだけか」「ハイアンドローでしょ ? 別に数字の差分なんて出す必要無くない ? 」 外れた数字の差分が減点
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-03
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24.HIGH & LOW

 一方、隣りチームは初体面同士の刑事と反社だ。当然、馴染む訳もなく。「お、俺が…… !? き、斬られるのか !? 」 坂下が鉄格子を背に張り付き、ソワソワと椎名から距離を取る。椎名は顔色一つ変えずにルキを見つめていた。 蛍は焦る。 椎名にとって、坂下がどうなろうと知ったことでは無いはずだと。寧ろルキを知る刑事など、いない方が都合が良いはずなのだ。 だが、椎名は側近だったはずなのに、何故かここに叩き出されて来ている。椎名の口振りからして、おめおめ負けて帰るつもりは無いだろう。 どちらにしても、一般人の自分たちには厳しいゲームだ。「美果……やっぱり俺が……」「ダメよ」『自分がペナルティー側になる』と言いそうになった蛍を美果は遮った。「わたしがペナルティー受ける。ケイくん。こてんぱんにやっちゃって ! 」「……でも、美果は絵描きだろ ? 」「そんときゃ足でも口でも使って描き続けるわよ。 わたしは、ケイくんの……分かるでしょ ? それはわたしが困るの」 美果はなんとしてでも蛍の絵の存続を望んでいる。その為に承諾してここへ来たのだ。 そんな事情を知らない観覧者達は奇声を上げ、二人を冷やかし手を叩いて笑い転げていた。「…………分かった。やるよ。赤の紙、書くよ ?」「ええ。いいわ ! 」    蛍がペンを走らせ、封筒に赤い紙を戻す。決まった。ペナルティを受けるのは美果。今日彼女は身体の一部を失う。 「さあ、椎名さん。あんたも選びなよ。坂下刑事が斬られんの ? あんたが斬られんの ? 」 檻の背後からようやく拘束着を解かれた椎名は、腕や肩を擦りながら軽くストレッチをして答える。「この俺が恐怖を覚えるとでも ? 既にこの身体を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-04
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