ルキは浮かない顔を一掃し、普段使わない回線で山岡組にコールした。「わたしです。ルキです。湊市周辺の警察署の根回しありがとうございました。……ええ ! 快適ですよ。 ですが、今日少し問題が……」 電話越しでガチャガチャ音がすると、一際野太い男の声が帰ってきた。『もしもし、ルキさんか。 山王寺の嬢ちゃんが残した火種だな ? 』 ルキがこの地で活動するには警察を抑え込む必要がある。しかし、どこの誰ともしれない外国人に警察官が首を縦に振るわけが無い そこで結々花が利用したのがヤクザの存在だ。 勿論ただでは無いし、山岡組の悩みの種を潰すことも条件に取引は成立していた。 ルキはボイスチェンジャーを停止すると、生の音声で頭と話した。「そうなんですよね」『……山王寺とうちの組は、それやぁ激しいドンパチした仲でな。それが今や相手は女子高生のボスだの……輪をかけるように暴対法の嵐だの。しょーもない生活してる訳だ。 しかし……女子高生の嬢ちゃんが消えたそうだな ? 』「ええ。今は側近にいた男が梅乃さんの後釜についたようです」『なるほど。そんでお前さんの仕事に影響出てるわけか』「困っちゃいますよ〜。その新ボスってのが湊市警察署の刑事と血縁で、なんと同じく高校生 ! 」『警察の身内ぃ ? はははは !! そりゃろくでもねぇな。 外国人のあんたには分からんかもしれないが、まず親が幼稚園児だろうが女子高生だろうが、親は親だ。 それを何食わぬ顔で取って代わって椅子に座るとは阿呆丸出し。物事にはシキタリっつーもんがな、任侠もんの常識だ』「イキがったヒヨコはすっこんでろ……と ? ふふ。親分さん、厳しそうですね ! 」『そらぁ、舐められたら商売にならん。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-22 Baca selengkapnya