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Semua Bab 満天の星: Bab 51 - Bab 58

58 Bab

意外なお客さん2 ③

「あの・・・」山口さんがいきなりリビングから出てきた。そして、梨華と目が合った。「お前・・・」「先生」二人はポカンと口を開けたまま固まった。んん?どういうこと?「知り合いなの?」母が梨華に尋ねる。「う、うん」梨華にしては歯切れの悪い返事。「妹をご存じなんですか?」私は山口さんい尋ねてみた。「ええ、彼女が高校時代に教えていました。担任は持っていませんでしたが、生徒指導をしていて何度も顔を合わせていたんです」生徒指導の先生ねえ。梨華の渋い顔も納得できる。「まあ、とにかく部屋にどうぞ。梨華も来なさい」「えー」母に言われ、梨華が唇を尖らせている。「なんだか聞き覚えのある声がしたので、つい出て行ってしまいました。すみません」「いえ、こちらこそお見苦しいところを」母と山口さんが大人の会話をしているあいだも、梨華はすぐにでもここから逃げ出したそうな顔。それなのに、山口さんは梨華の方に視線を向けた。「ところで、竹浦は朝帰りなの?」「えっ」梨華の表情が固まった。「無断外泊ってこと?」「それは・・・」何々、梨華がおかしい。わがままで強気な梨華は、誰にだって物おじせずにものを言う。こんなに挙動不審になるのは珍しい。「お前高校卒業するときに約束したよなぁ。大学に行って真面目になります。もう2度と心配をかけるようなことはしません。あとなんだっけ?」「もー、やめてください」梨華が必死に止めた。母も私もあっけにとられ、梨華は顔を真っ赤にして口ごもり、山口さんはジーッと梨華を見ている。「どういうことな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-20
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意外なお客さん2 ④

母さんの用意した昼食をみんなで食べた後、私は山口さんを送りに出た。「梨華の姉と分かっていて、私とお見合いをしたんですか?」駅までの道を歩きながら、気になっていたことを訊いてみる。「知っていました。竹浦からお姉さんの話は聞いていましたから、正直会ってみたいとも思っていました」隠すことなく、山口さんは認めた。梨華から私のことを?何を言われていたのか、考えただけでも恐ろしい。「樹里亜さんはご自分の生い立ちにコンプレックスを持っていたんですよね?」確かに、私は養女だ。梨華のように実子だったらどんなに良かっただろうといつも思っていた。「でも、竹浦も同じなんですよ。いつもあなたが羨ましくて、両親はいつもあなたを見ているような気がして、反抗することで自分の存在感を出そうとしていたんです」え?私は足が止まってしまった。「そんな、バカな」つい、本心が言葉に出てしまう。「本当です。良かったら、どこかで座りましょう」「ええ」私達は近くのカフェへと入った。「竹浦は勉強もスポーツも苦手ではないんです。でも、勉強の出来る兄や姉と比べられたくなくてわざとしていなかった。夜遊びだって、ご両親に振り向いて欲しいからだったんです」運ばれてきたアイスコーヒーを片手に、山口さんが当時を振り返る。確かに、梨華は小さい頃から足が速かった。勉強も中学まではそこそこの成績だった。それに、私だってそんなに成績が良かったわけではない。お金で医大へ行ったようなものだから。「同じ事をやっても、『お姉ちゃんはよく頑張った』って褒められるけれど、私には何も言ってくれないと言っていました。お姉ちゃんはかわいそうだからって、みんなががひいきすると」「そんな・・・」「樹里亜さん。僕は出来
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-21
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突然の訪問①

実家に帰って1ヶ月。おかげさまで体調も良く、私も子供も順調。梨華は最近別人のようにおとなしくなり、母さんや父さんにも素直に受け答えしているし、私のことも気遣ってくれる。一方渚は、お父様との話し合いに苦戦しているらしい。まあね、3年以上音信不通の息子がいきなり帰ってきて「子供ができた」では、怒らない方がおかしい。許す代わりにお父様が出した条件は、沖縄に帰ってくること。当然だと思うけれど・・・難しい問題だ。「もー、樹里亜も梨華も早く食べなさい」母に急かされて、私は今日も朝食をかき込んだ。ピンポーン。その時、玄関のチャイムが鳴った。朝8時半。こんな早い時間に誰だろう。「奥様」玄関から戻ったお手伝いの雪さんが、怪訝そうに母を見る。「どなた?」「それが・・・」母が聞くけれど、雪さんはハッキリ言わない。しかたなく母が、玄関へ向かった。「樹里亜」しばらくして、私を呼ぶ母の声。私も玄関へ向かった。何だろう?ヒョコヒョコと玄関へ向かった私の足が、ピタリと止まってしまう。嘘・・・目の前に立っているのは3人。みのりさんと、色黒の男性。そして・・・渚。見た瞬間に涙が溢れた。「な・・ぎ・・さ」声にならない声が漏れる。ウウ、ウウッ。私はすぐにも駆け出しそうになった。すぐにでも、渚の胸に飛び込みたかった。「樹里亜」しかし、母の声で私の動きが止まる。「梨華、お父さんを呼んできてちょうだい」いつになく厳しい声に、梨華は黙って父さんの書斎に向かった。多分短い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-22
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突然の訪問②

普段は使うことのない10畳の和室に、私と父さんと母さん、向かい合って渚とご両親が座った。「お話を伺います」あくまでも堅い表情の父。すると突然、渚が座布団から降りて両手をついた。凄く凄く緊張していた私は、その後渚が何を言ったのかハッキリとは覚えていない。ただ、「樹里亜さんとお付き合いしています」「順番が逆になりましたが、子供が出来ました」「真剣に将来のことを考えています」そんなことを言って、頭を下げた。渚のご両親も低姿勢で、「息子が申し訳ありませんでした」と謝られた。「お話の主旨は分かりました。が、納得は出来ません。子供が出来るような付き合いならもっと早く打ち明けてもらうべきだったと思います。今更こんな風に来られても、はいそうですかと嫁には出せません」父さん・・・あまりの剣幕に、誰も何も言えなかった。「高橋君。私は君を信頼していた。真面目で仕事の出来るいい若者だと思っていた。がっかりだよ」「すみません」渚がうなだれている。妊娠も私の家出も渚が一方的に責められることではないはずで、むしろ責任は私の方にあるのにひどすぎる。そう思ったら、私は黙っていることができなかった。「渚だけが悪いわけではありません」「樹里亜、やめなさい」母が止めたけれど、私は止まらなかった。「父さん、渚だけを責めるのはやめてください。私だって、父さんが思うような娘じゃありません。この3年、私はあのマンションで渚と同棲していました。平気な顔をして家族を騙していたんです。それでも渚だけを責めるんですか?」感情にまかせて一気に言ってから、少し後悔した。父さんと母さんの寂しそうな顔が目に飛び込んできたからだ。「樹里亜、やめろ」怒ったときの渚の声。「だって」渚ばかり責められるのは辛い。「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-23
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2人で受診①  

渚とご両親が我が家を訪問して以来、父が口をきいてくれなくなった。同棲のことも、渚とのことも一切触れようともしない。「父さん、怒っているのよね」「怒らせた覚えがあるでしょ?」母に訊いても、当然よと返されてしまう。それでも、母とみのりさんは何度か外で会っているらしい。私も携帯を返してもらい、渚と連絡が取れるようになった。この先どうなるんだろうと考えると目の前には不安しかないが、こんな状態で家を出れば2度とここには戻れないだろうと分かっているから軽はずみなこともできない。渚は、「いざとなれば、沖縄を捨ててこっちに来る」つもりらしいが、出来ればそうはしたくないとも言っている。その気持ちは私も同じだ。「樹里亜、今日病院でしょ?1人で行くの?」ああ、そうだった。「うんん。渚と一緒」「そう」私は今日、初めて渚と検診に行く。 *** 「なんだか恥ずかしいね」何て言いながら、元勤務先の病院へ渚と一緒の受診。 当然、受付でも、待合でも、次々と声をかけられた。 「樹里先生。おめでとうございます」 「あらー、お似合いですね」 「うそー、知りませんでした」 言われるたびに、私は渚の手をギュッと握った。 ずっと、この手を握りしめたいと思っていた。 だから、もう離さない。 「竹浦さーん。竹浦樹里亜さーん」 名前を呼ばれて診察してへ入ると、いつも診てもらっている産科の先生が迎えてくれた。 30代前半の若い女医さんだけど腕は確かで、今だって渚には気付かない振りをしてくれている。 産科ってデリケートだから、普段からパートナーについては詮索されない。 今までだって、『赤ちゃん
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-24
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2人で受診②

月子先生の診察には、当然渚もついてきた。 本当は1人で行きたいけれど、やはりそうもいかなかった。 「渚、先に帰っていいよ」 「いや、一緒に行くよ」 「どうぞ」 少し不機嫌そうな月子先生に呼ばれ、私と渚は診察室へと入った。 「へー、意外ね。先生がパートナーだったの?」 「黙っていてすみません」 マジマジと渚を見つめる月子先生に、渚が頭を下げる。 その後、ちょっとの間だけ渚に説教をたれた月子先生は、私の診察を始めた。 「うーん。あんまり良くないわね。貧血が進んでるし、血小板も落ちてきている」 「はあ」 相づちを打ちながら、なんだか嫌な予感がした。 月子先生がこんな言い方をするときは、入院を勧められるとき。 嫌だなあ・・・ 「しばらく、入院する?」 やっぱり。 私は黙り込んでしまった。 「入院が必要な状態なんですか?」 渚が身を乗り出した。 「そうね、入院しないといけないって程の状態ではないけれど、赤ちゃんや母体のこと、その先の出産を考えるなら入院して治療する方をお勧めするわね」 月子先生も相手が渚だから、いつもより言葉を選んでいる印象だ。 「あのー、後1週間だけ自宅安静じゃダメですか?」 それでも私はねばってみた。 できれば病院ではなく、家で休みたい。 「樹里亜、わがまま言うなよ。入院してちゃんと治療した方がいい」 どうやら渚はすっかり入院のつもりになっているらしい。 それを聞いた月子先生も点滴や検査のオーダーを始めている。 これで、私の入院が決まってしまった。 *** そのまま
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-25
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父の思い

数日後、たまたま誰もいない時間に父が病室を覗いた。「1人か?」「うん。渚はみのりさんと出かけてる」「お母さんだろ、気を付けなさい」「はぁい」あーあ、言い直されてしまった。確かに、彼のお母さんを名前で呼んでる私って非常識かもしれない。病室に入ってきた父は、窓際に置かれたソファーにどっかりと腰を下ろす。父とはここしばらく冷戦状態のはずだけれど、一体何の用事だろうと私もソワソワしてしまった。「彼はいつまでこっちにいる気なんだ?」え?もしかして渚が目障りだとでも言うのだろうかと、ムッとしながら父を見返す。「なあ樹里亜。父さんが古い考えなのかも知れないが、男は仕事が一番でなきゃダメだと思うんだ。もちろん色んな生き方があるだろうし、それを否定する気はない。でも、お前も同業者だから分かるよな、いついなくなるか分からない医者なんて信用できない。病院に入れば、家族に病人が出ても、目の前の患者を診なくちゃいけない。私の知っている高橋君は優秀で、仕事が好きな若者だった」うん、知ってる。渚は救命の現場が好きだったし、彼の能力を生かせる職場だと思う。「そろそろ帰してやらないか?」「それは・・・」私は返事ができなかった。「お前は、母さんから自分の出生の状況を聞いたんだよな」「うん」もちろん驚いたけれど、話してもらってうれしかったし、そのことを機会に両親や家族に対する見方が変わった。「お前の誕生には少なからず私にも責任があると思ってきた。だから、厳しくもしたし、やりたいことは何でもさせてきたつもりだ」確かに、私立中学からわざわざ公立高校に行きたいと言ったときも、東京のお金がかかる大学に行きたいと言ったときも、反対はされなかった。一人暮らしだって、始めは反対されたけれど結局は認めてもらった。「今回のことも、お前が望むことなら仕方がないと思っている。ただ、い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-26
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選んだ道

入院して1ヶ月。毎日ベットの上でおとなしくしているせいか、血液検査の結果も比較的安定してきた。まだいつ何があるかも分からないし、いつまでおなかで育ててあげられるのかも分からないけれど、ひとまず安定期にも入った。渚はいまだにつきっきりで寝泊まりしてくれている。みのりさんも母さんも大樹も毎日やってくるし、父さんもたまにだけど顔を出してくれる。「ねえ渚」1人せっせと病室の掃除をしている渚を呼ぶ。「何?どうした?」「あのね」私は一旦深呼吸をして、真っ直ぐに渚を見た。「もうそろそろ沖縄に帰らない?」「・・・」何を言われたのかわからないって顔で、私を見る渚。「あのね、私もできるならこうして一緒にいたいのよ。でも渚だって、そろそろ仕事がしたいでしょ?」「なんで急にそんなことを言い出すんだよ」いきなり私に帰れって言われて、渚はやはり不満そうな顔になった。「私の体調も良くなったし、働きもせずにここにいるのは人としてダメだと思うの。親である前に、1人の人間として真っ当に生きなくちゃ」渚のことだから親から援助で生活しているはずはないけれど、貯金を崩すぐらいのことはしているだろう。そんな生活を続けるのは、はやり良くない。「じゃあ、ここに復職するよ」それでいいだろと言いたそうな顔。「それはダメよ。沖縄のお父さんがあなたを待っているのよ。帰ってあげなくちゃ」自分でも何を言っているんだろうと思う。私だって本心では渚と離れたくはないけれど、やはり沖縄に帰るべきなのだ。「樹里亜はどうするんだ?」ふて腐れ気味に渚が口にした。「私は出産までここで頑張って、その後はちゃんと父さんと話すわ。時間はかかるかも知れないけれど、父さんを納得させた上で渚を追いかける」「沖縄に来る気?」「ええ」私はコクンと頷いた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-27
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