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選んだ道

Autor: 紅城真琴
last update Fecha de publicación: 2025-06-27 10:59:50

入院して1ヶ月。

毎日ベットの上でおとなしくしているせいか、血液検査の結果も比較的安定してきた。

まだいつ何があるかも分からないし、いつまでおなかで育ててあげられるのかも分からないけれど、ひとまず安定期にも入った。

渚はいまだにつきっきりで寝泊まりしてくれている。

みのりさんも母さんも大樹も毎日やってくるし、父さんもたまにだけど顔を出してくれる。

「ねえ渚」

1人せっせと病室の掃除をしている渚を呼ぶ。

「何?どうした?」

「あのね」

私は一旦深呼吸をして、真っ直ぐに渚を見た。

「もうそろそろ沖縄に帰らない?」

「・・・」

何を言われたのかわからないって顔で、私を見る渚。

「あのね、私もできるならこうして一緒にいたいのよ。でも渚だって、そろそろ仕事がしたいでしょ?」

「なんで急にそんなことを言い出すんだよ」

いきなり私に帰れって言われて、渚はやはり不満そうな顔になった。
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  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。家族の始め方~ SIDE  桃子 ②

    目が覚めると、アパートのベットに眠っていた。 「うぅーん」 頭が割れるように痛い。 あれ?私は昨日どうやって帰ってきたんだろう。 えっと・・・ バーでカクテルを飲んで、迎えを呼んだらって言われて、大樹先生に電話を あー。 もしかして・・・ 恐る恐る後ろを振り返る。 マ、マズイ。 そこには大樹先生がいた。 「起きたのか?」 「は、はい」 恥ずかしくて直視できない。 「呼んだのはお前だからな」 「え、ええーと、確か電話は切ったはずでは、」 「好きな女から着信があれば普通かけ直すだろうが」 はー、確かに。 って、好きな女? 「いきなりマスターが電話に出て驚いたぞ」 「すみません」 「大体、何で記憶がなくなるまで飲むんだよ」 「ごめんなさい」 もう、大樹先生には恥ずかしいところばかり見せている。 「で、結衣ちゃんは?」 どうやらアパートに結衣がいないのが気になるらしい。 「昨日は父親の実家に泊まりに行ったの。月に1度の約束だから」 「へー、どんな人?」 「え?」 「結衣ちゃんのお父さん」 「えーっと、高校時代の先輩で普通の商社マン」 「好きだったんだよな」 どこか探るように聞く。 「大樹先生、誤解しないでください。彼は結衣の父親だけど認知もしてないし、結婚を考えられる相手ではなかったの。初恋の人には違いないけれど、それだけ。結衣が泊まりに行くのも彼の両親の立っての希望で。もちろん、私が結婚するまでって約束だけど」 「ふーん」 まるで興味がない風に返事をして、大樹先生はベットを出

  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。 家族のはじまり SIDE  桃子 ①

    大樹先生がアパートに泊ってから2ヶ月。 あの時はっきり断ったから、声をかけてくることはなくなった。 病院でも、何もなかったように普通に接してくれる。 それが寂しい気がするのは、私のエゴね、きっと。 「杉本さん、今日は日勤だったでしょ?」 勤務時間を過ぎても帰る様子を見せない私に、師長が声をかけた。 最近は労務管理がやかましくて、師長も残業にはピリピリしている。 「すみません。もう、帰ります」 「そう、お疲れ様」 追い立てられるように病棟を後にした私。 かといって、アパートに帰る気にはなれない。 その理由は、今日は結衣がいない日だから。 はー、寂しいな。 今まで子育てに忙しくて、1人がこんなに寂しいなんて思ったことがなかった。 このまま買い物にでも行こうかな。 良さそうな店があれば1人で飲んでもいいし。 こんな時に大樹先生がいたらいいのになあ。 バカバカ、自分が拒絶したんだった。 何考えているんだろう私。 結局足が向かったのは、以前大樹先生に連れられて行った駅前のバー。 「何かお作りしましょうか?」 マスターに声をかけられ、 「ええ、オススメのカクテルをお願いします」 注文してしまった。 「おいでになるのは2度目ですね」 「覚えているんですか?」 「はい。随分酔っていらっしゃいましたから」 はあ、そういうこと。 顔が赤くなってしまった。 「今日はお一人ですか?」 「ええ」 「どうぞ」 と出されたのは、薄いブルーの液体。 「うん、美味しい」 今日、結衣は父親の実家に行っている。

  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。家族の始め方~ SIDE  大樹 ③

    まだ桃子とデートもしたことがないのに、1日結衣ちゃんと過ごした。 行きたかったというパーラーでフルーツパフェを食べ、本屋や洋服屋を周り、スーパーに寄った。 「夕食、何にしようか?」 「うーん」 俺も結衣ちゃんもそんなに料理が得意なわけではない。 できれば、桃子が帰ったときには食事の用意ができているようにしたい。 なおかつ、俺も桃子も結衣ちゃんも好きなメニュー。 結構ハードルの高い難題に、頭を悩ませた。 「そうだ、お鍋にしようか?」 考えてみれば、今は冬ではない。 でも、いいじゃないか。 冷房を効かせてでも、今夜は鍋が食べたい 桃子は鶏肉が好きらしいし、結衣ちゃんの希望はソーセージ。 俺は・・・魚貝が食べたい。 豆腐、白菜、キノコに、〆のうどん。 そういえば寄せ鍋ってどうやって作るんだ? 「結衣ちゃん寄せ鍋作ったことある?」 「えー、大樹先生はないの?」 「うーん、ないなあ」 家は母さんが台所を仕切っていたし、父さんや俺が台所に入ることなんてないし。 「大丈夫、スマフォで検索すればすぐにわかるから」 はあー、今時の子だなあ。 アパートに帰り、桃子の帰宅に会わせて準備を始めた。 結衣ちゃんはとっても手際が良くて、どちらかというと俺の方が使われている気がする。 「もうすぐ帰って来るね」 「ああ。食器と箸持って行った?」 「うん。ゆず胡椒もね」 ゆず胡椒? 「随分大人な物が好きなんだな」 「違う、ママが使うの。結衣は辛いの食べられないから」 「フーン」 子供がいればそうなるのか。 「ただいまー」 「「お帰り」」

  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。家族の始め方~ SIDE  大樹 ②

    10時を回ってようやく結衣ちゃんが部屋から出てきた。 「おはよう」 「・・・」 「ママ、心配そうにお仕事に出かけたぞ」 「・・・」 「ご飯食べる?」 「・・・」 返事はしないつもりらしい。 それでも、結衣ちゃんのために味噌汁は温め、ご飯もよそった。 「結衣ちゃん、ご飯食べちゃって」 「・・・」 やはり返事はせず、不機嫌そうに席に着いた。 「いただきます」 「はい」 どんなに怒っていても、きちんと「いただきます」が言えるのは桃子の躾のお陰かもしれない。 なんだかんだ言って、結衣ちゃんはいい子だ。 「ママに告げ口したの?」 「え?」 「だって」 ああ、俺が桃子に話したことを怒っている訳か。 「本当は結衣ちゃんから話してもらうつもりだったんだ。でも、昨日の夜家に結衣ちゃんがいなくてママがすごく心配したから、黙っていられなかった」 「嘘」 「え?」 「ママは結衣よりお仕事が大事なのに」 はあ? 「そんなことないよ。ママは結衣ちゃんが何よりも大事なんだ。昨日の夜、ちゃんと話しただろう?」 「でも、又お仕事に行ったじゃない。今日は映画に行く約束だったのに。ママなんて・・・嫌い」 「結衣ちゃんっ」 思わず語気を強めた。 結衣ちゃんだって、ママが仕事を頑張っているのはわかってくれたはずだ。 きっと、楽しみにしていた映画がダメになって機嫌が悪いだけ。 こうしてわがままを言ってくれるのは、打ち解けた証拠。 理解はしているんだが・・・ カチャカチャと音をたて、玉子で遊びだした結衣ちゃん。 あまり食欲がないようだ。

  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。家族の始め方~ SIDE  大樹 ①

    翌朝。 いつもより早く目が覚めてしまった。 リビングのフローリングは思いの外堅くて、昨夜はなかなか寝付けなかった。 午前6時。 彼女、イヤもういいだろう。 こうしてアパートに泊めるくらいに心を許しているんだ、桃子って呼んでも問題ないはずだ。 桃子も結衣ちゃんもまだ目覚める様子はない。 昨日の夜は遅くまで起きていたんだから仕方ないか。 そういえば、今日仕事になったって言っていたな。 結衣ちゃんに話すって言っていたのに、きっと話せてないだろう。 昨日の晩は色々あったから。 さて、コーヒーでももらおうか。 うぅーん。と伸びをして立ち上がると、肩と腰が重い。 まいったなあ。 こんな事なら、狭くてもソファーで眠るんだった。 「痛て」 キッチンへ向かいながらつい口をついてでた。 まるでじじいだな。 アパートらしくコンパクトにまとめられたキッチン。 広くはないが良く整理されている。 昨日も遅かったはずなのに、鍋も食器も綺麗に片づけられていて、予約タイマーがセットされていた炊飯器が湯気を出している。 いかにも、手を抜かない桃子らしい。 その時、 「先生?」 背後から声がした。 「おはよう」 「おはようございます。姿が見えないから、帰ったのかと思いました」 普段病院で見せるより少しだけ穏やかな表情。 「目が覚めたから、コーヒーでももらおうかと思って」 「いれましょうか?」 パジャマ姿でスッピンのまま、キッチンに入ってくる。 「いいよ。今日は仕事

  • 満天の星   満天の星 番外編 ~兄、大樹。家族の始め方~ SIDE  大樹

    ガチャ。 玄関を開け、まず俺が先に入った。 結衣ちゃんは、ドアの前を動こうとはしない。 「ほら、入って」 少し強引に、手を引いた。 ここまで連れてくるのに、結構苦労した。 「ママに会えない」と泣き出す結衣ちゃんを「このまま逃げても何の解決にもならないよ。僕が一緒に行くから、帰ろう」となだめすかしながら連れ帰ってきた。 「結衣っ」 玄関まで駆けよった彼女が、強い口調で名前を呼んだ。 それでも、結衣ちゃんは動かない。 靴も履くことなく、俺を押しのけて部屋の外に出た彼女は 「いつまでそんな所にいるの。早く入りなさいっ」 ギュッと腕を引っ張って、結衣ちゃんを部屋の中に入れた。 「今何時だと思ってるの。小学生が出歩く時間じゃないでしょう」 いつもの冷静な彼女からは想像できない取り乱しようだ。 「結衣はいつからそんなに悪い子になったの」 「そんなに一方的に言うなって」 つい口を挟んでしまった。 「先生は黙っていて。結衣をこんな子にしたのは私の責任なんだから」 「こんな子って、結衣ちゃんはいい子だよ」 「小学生のくせに夜中まで遊び歩いて、どこがいい子なのよ」 話している間に興奮してきたのか、彼女が結衣ちゃんに手を振り上げた。 「オイ、やめろ」 とっさに振り上げられた手をつかむ。 「いい加減にしろ。さっき言っただろう。まずは結衣ちゃんの話を聞け。その上で違うところがあれば言えばいいだろう。お前みたいに一方的にまくし立てたんじゃあ会話にならないじゃないか。冷静になれ」 叱りつけてしまった。 うわぁー。 泣き出す結衣ちゃん。 座り込む彼女。 俺もその場に立ち尽くした。

  • 満天の星   体調不良と痴話げんか ②

    渚と喧嘩別れのようになったものの、仕事ではいつも通り。私は平常心を意識しながら、その日の午後も病棟での勤務についていた。「樹里先生」後輩研修医の千帆先生に呼ばれて顔を上げると、あっちと病棟センター前を指さしている。そして、そこに梨華が立っていた。「何、どうしたの?」その場から声をかけた私に、クイッ クイッと手招きする梨華。ったく。昨日の晩はあんな悪態ついていたのに、今はニコニコと私を見ている。一体どうしたんだろうと思いながら病棟センターを出たところで、私は梨華に腕を

    last updateÚltima actualización : 2026-03-20
  • 満天の星   出生の秘密 ②

    「樹里亜は、自分の名前の由来を知ってる?」「由来?」「そう。大樹はお父さんの名前『樹三郎』から一文字を、梨華は私の名前『華子』から一文字をもらったの」「知っているわ」私は父の樹の字をもらって樹里亜になった。それは、父だけの子だからでしょう。「樹里亜の名前は、お父さんと私が決めたの。亡くなった樹里亜のお母さんの名前『ジュリア』をそのままもらって、お父さんの樹の字をあてたのよ」ジュリア。それが、母親の名前?知らなかった。それよりも、母から生みの母親の話しを聞かされることが意

    last updateÚltima actualización : 2026-03-20
  • 満天の星   意外なライバル ②

    「では、よろしくお願いします」「ありがとうございました。気をつけてお帰りください」患者の引継ぎを終えた私たちは、転院先のスタッフに挨拶をして病院を後にした。フライトナースの桃子さんはすごく優秀で私が言葉にする前から準備をしてくれるから、今回の搬送もとても順調だった。仕事に対する厳しさと女子特有の慣れあう感じがないことから孤立することも多いけれど、間違いなく仕事はできる。本当に、フライトナースの鏡だ。タクシーで最寄り駅に向かい駅のコンビニで夕食を買い込んで、私と桃子さんは列車に乗り込んだ。

    last updateÚltima actualización : 2026-03-19
  • 満天の星   渚️×樹里亜️×大樹 ③

    「樹里亜」その日の夕方、私のミスに付き合う形で夜勤帯まで残ることになった大樹が更衣室の入り口で待っていた。「どうしたの?」 「お前、大丈夫?」 じっと、顔を覗かれる。「大丈夫よ」 「無理するな」がっしりと肩を抱かれ、病院通路を歩き出した。「ちょ、ちょっと、見られてるから」ただでさえ大樹といると目立つのに、さっきから行き交う人たちの視線が痛い。「いいじゃないか、こんな時は兄貴に甘えてろ」 「大樹?」 「送ってやる。車は置いて帰れ」

    last updateÚltima actualización : 2026-03-18
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