苑のファン?あの事件は苑のファンと関係があるのか?苑の胸に冷たいものがこみ上げた。苑はもう一度写真を見返したが、やはりまったく印象に残っていない。当時苑にはたくさんのファンがいた。だが苑はトレーニングに全身全霊を捧げファンとは一切接触していなかった。見覚えのある顔がいたとしても、これだけ時間が経ってしまってはもう思い出せない。苑は携帯を蒼真に返した。「一体何を突き止めたのですか?」「佳奈は当時、深刻なストーキング被害に遭っていた。それどころか……」蒼真は一度言葉を切った。「危害を加えられていた」苑は息を呑んだ。当時苑と佳奈はあれほど仲が良く、食事も寝泊まりもトレーニングも一緒だった。トイレさえ一緒に行くと言っても過言ではない。もしそんなことがあったなら苑が気づかないはずがない。「今はまだほんの少ししか分かっていない。具体的なことはまだ何とも言えない」蒼真の声も重かった。苑の脳裏に当時佳奈が事故に遭った時の光景が浮かんだ。「では、あの事故は偶然ではなく、人為的なものか、あるいは何か別の原因があったのかもしれないということですか?」蒼真は黙っていた。苑もとっさに何を言えばいいのか分からなかった。先ほどの写真のことを思い出す。「この方たちは皆、容疑者なのですか?他にも?」「まだ調べている」「もし必要ならいつでも協力します」苑の口調は真摯だった。蒼真が調べているのは苑のファンだ。つまり蒼真が突き止めたことは苑と関係があるということだ。もし本当にそうだとしたら、佳奈の事故はたとえ苑の仕業ではなくても苑と無関係ではいられない。苑は今の佳奈の状況と洋が言った言葉を思い出した。「もし佳奈の状況にずっと進展がなければ、あなたは本当に彼女の治療を打ち切るのですか?」蒼真は答えなかった。だが苑には分かった。希望のない固執は諦めに如かず。あるがままに任せるということだ。「もう手がかりはあるのですから。たとえ終止符を打つとしても、まずは彼女に答えを与えてあげてくれませんか?」苑は低く呟いた。佳奈にはっきりとさせてあげたい。そして自分自身のためにも。蒼真が苑に確認させた人物を苑は思い出せなかった。だがファンという言葉を聞いて苑は多く
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