「一ついいか ? 」 セロが気まずい顔で立ち止まる。「リコといる時、レイルに会った」 え………… ? 「飛竜一族と共に来たんだ。リコに言ってもピンと来ないし、一先ず帰って貰ったんだが。 リコにその気が無かったから、二人で相談してグリージオには行かないつもりだ」 グリージオに向かわない ? 何 ? 「あんた何言ってんの ? これはわたしの身体で、わたしが主人格なの ! グリージオには仲間がいるのよ !? わたしは歌はやらない !! 冒険者に戻るの !! 」「リコは了承してない」「リコはあんたの玩具でしょ ?! その自由はわたしが与えてるのよ !? リコが欲しいならわたしの言う事を聞きなさいよ !! 」「リコは玩具なんかじゃない」 論点そこじゃないし。 レイと会った事なんて、朝起きたらすぐ話す情報じゃない。「セロ、あんた何か勘違いしてるようだから、もっとはっきり言ってあげる。 わたしはリコを鬱陶しく思ってる。戦えもせず、わたしの身体で勝手な人生を歩もうとしている。わたしはグリージオに戻るし、あんたとレイならレイに従うわ。リコをどうにかしたいなら、主人格のわたしから説得する事ね」「……」 わたしが怒らないとでも思ってるの ? グリージオを目指すようだから保留にしていたけど、向かわない挙句、仲間に会った事を隠して、増して断るなんて !! 「あの……本当にリラさんが主人格なのですか ? 」 こいつまで何を言い出すの !? 「そうよ。何か文句でも ? 」「いえ。ただ、気になることが。 コデは貴女を執拗に魔族だと言い立て取り乱していましたが……。実際にはリラさんは女王の娘……王は人間で、混血なのですよね ? 」「そうだけど ? 」「でしたら、そもそも嗅ぎ分けられるはずが無いんです。わたし達ヴァンパイアは、人間の血に反応して獲物を探す一族ですから、コデはリ
Terakhir Diperbarui : 2025-07-13 Baca selengkapnya