「ベルナルド王子はこちらのお部屋でお待ちです」ジョンに案内された部屋の扉はとても大きく、白塗りの扉だった。「この部屋にベルナルド王子はいるのね?」「ええ、そうです」そしてジョンは扉をノックもせずに勢いよく開けてしまった。バンッ!!「失礼いたします!」そして大きな声で部屋の中に入って行く。「ちょっと! ジョン!」なんて非常識な行動を取るのだろう。仮にもこの部屋にいるのはベルナルド王子なのに。「う、うわ! な、何だ!? 突然に!」一方、ベルナルド王子は相当驚いたのだろう。ソファから立ち上がるや否や、腰から素早い行動で銃を引き抜くと、チャキッ! と銃口をこちらへ向けてきたのだ。な、何故ベルナルド王子は拳銃を所持しているのよ!「キャアアッ!」冷たく光る銃口をピタリと向けられ、思わず叫ぶ私。やはり私の命を狙っていたのはベルナルド王子だったのだろうか!?するとそれを目の当たりにしたジョンが不敵な笑みを浮かべた。「ベルナルド王子……とうとう尻尾を出しましたね? 所詮小者だと思って大それたこと等出来ない人物だろうと貴方のことをみくびっていましたが……なかなかどうして見どころがあったようではないですか?」ベルナルド王子を褒めているのか、はたまたけなしているのか訳の分らない台詞を言うジョン。彼は私を背中にかばいながら、いつの間にかメラメラと燃え盛る火の玉を作り出し、空中で浮かせてベルナルド王子と対峙している。それにしても見どころって……。私に銃口を向けた行動を見どころがあると言うのなら、その台詞はいただけない。「どうなんです? 正直に答えないと……どうなるか分かりますよね?」するとジョンの作り出した火の玉が一回り大きくなる。「ヒッ!」悲鳴じみた声をあげるのはベルナルド王子。ジョン……ま、まさかこの部屋の中で火の玉を投げつけたりしないわよね?「やめてよ! こんなところで火の玉を投げたりしたら……火事になっちゃうじゃないの!」「おい! 火事の心配よりも俺の心配をしないのか!?」喚くベルナルド王子にジョンは言った。「それよりも早くその銃口を降ろしたほうが身の為だと思いますよ? 王子様?」どこか小馬鹿にした言い方をするジョンだったが、その目は恐ろしい光をたたえている。「ま、待て!待ってくれ! 今しまうから!」ベルナルド王子はジョンの様
Terakhir Diperbarui : 2025-05-28 Baca selengkapnya