Semua Bab 秘書と愛し合う元婚約者、私の結婚式で土下座!?: Bab 121

121 Bab

第121話

二人が話していると病室のドアが押し開けられた。時子が振り返るとそこにいたのはほむらで、少し意外な顔をした。「ほむら先生、どうしていらっしゃったんですか?午後に何か検査でも?」結衣の姿を見た瞬間ほむらの足がぴたりと止まった。料理がしやすいように結衣は自前のエプロンを着けていた。可愛い動物柄のエプロンに、長い髪はラフなお団子にまとめられ、普段のクールな雰囲気は薄れ、どこかあどけない可愛らしさが漂っていた。ほむらは自分の心臓の鼓動が速くなるのを感じた。今にも胸から飛び出してしまいそうだ。彼は軽く咳払いをして動揺を隠し、いつものように落ち着いた低い声で言った。「いえ、おばあちゃんのお薬の時間をお知らせに参りました。あのお薬は決められた時間に、12時間おきに服用するのが最も効果的ですから」「ああ、分かりました。そのお薬は、食事と一緒に飲んでも大丈夫ですか?」「ええ」結衣が薬を探し出すとほむらが一杯の水を差し出した。彼女は一瞬きょとんとして、それから水を受け取った。「ありがとうございます」時子が薬を飲み終えるのを見てほむらが口を開いた。「今、ちょうど十一時半です。アラームをセットして、夜の十一時半にもう一度飲ませてあげてください。これから数日間は、この時間でお願いします」「はい、ほむら先生。お手数をおかけします」「いえ。何かあれば、いつでも僕の執務室へどうぞ」そう言うと、ほむらは踵を返した。時子が不意に口を開いた。「ほむら先生、もしお昼がまだでしたら、一緒にいかがです?結衣が作りすぎてしまって、一人では食べきれないようですから」結衣は言葉を失った。結衣がほむらの代わりに断ろうとした、その瞬間彼が振り返って時子を見た。「まだです。でも、結衣さんにご迷惑じゃありませんか?」結衣が反応する間もなく時子がにこやかに言った。「迷惑なもんですか。どうせ食べきれなかったら無駄になるだけですよ。ほむら先生、どうぞおかけください。結衣、お椀とご飯をもう一人分持ってきて」「……はい」結衣が新しくご飯をよそって戻ってくると、時子はもうほむらと話し込んでいた。時子がほむらの家族のことや仕事の内容まで聞いているのが聞こえ、結衣は居たたまれなくなり急いで近づいて言った。「おばあちゃん、まるで取り
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