眉をひそめた未央は思わず疑った。ごく普通の、まだ社会に出てもいない女の子を一体誰がここまで追い詰めようとするのか。薬まで取り替えるとは。「小城さん、私、病院へ行って茉莉ちゃんの様子を確認したいんです」「ええ、今頃は目を覚ましてるはずです」小城母はまだ状況をはっきり把握していないかのように頷いた。まだ衝撃の事実から抜け出せていない様子だった。暫くして。二人は総合病院に到着した。茉莉の状況は思ったより深刻で、今も病室に横たわっていた。未央が入ると強い消毒液の匂いがし、すると、ベッドに横たわっている弱々しい女の子の姿が目に入った。茉莉の顔は青白く、眼は閉じていたが、わずかに動いた指先が眠っていないことを物語っていた。「小城さん、娘さんと二人きりで話したいんですが」と未央は話し出した。小城母は一瞬躊躇ったが、結局部屋を出ていった。中には医療器械の電子音が響き、重苦しい空気が漂っていた。未央はベッドに近づき手を伸ばし、茉莉に触ると、彼女がビクッと震えた。何かを恐れているのだろうか?未央は目を細め、なるべく優しく声をかけた。「茉莉ちゃん、怖がらなくていいよ、あなたは今安全だから」彼女は辛抱強く何度も繰り返し、茉莉が完全にリラックスするのを待った。それから。未央は少しテクニックを使って、催眠療法を用いて、彼女を催眠状態に誘導した。「新しい家庭教師の先生が好きじゃないの?」茉莉は暫く黙り、苦しそうに口を開いた。「あの男、いつも変な目で私を見て、触ってくるの。怖いよ。でも、お母さんにもうあの人と勉強したくないって言ったのに、お母さんは聞いてくれないし、わがまま言うなって私を叱ったの」……茉莉のすすり泣く声が部屋に響いた。未央は眉をひそめ、また口を開こうとした時、ドアの外で大きな音がした。「ドン!」小城母は入り口から離れず、こっそりドアの外で盗み聞きしていたのだ。彼女は目を見開き、複雑、驚き、後悔、自責……様々な感情に押しつぶされそうになっていた。「私は知らなかったの、本当に知らなかったんだよ」小城母は目の前が真っ暗になったような気分で、くらくらして、よろめきながら呟いた。それと同時に、この騒ぎで催眠が解けてしまった。茉莉はゆっくりと目を覚ました。困惑したよう
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