キーンコーンカーンコーン―― なり始めた予鈴と同時に生徒が廊下に出始める。 体育館にて始まる始業式に向かうためだ。クラスの違う日暮さんに、今日の放課後話し合う事を確認して自分のクラスに合流するため、用紙を折りたたんでポケットにしまって足早に歩き出した。――なんだか始業初日からめんどくさいことに巻き込まれる感じ。「はぁぁ~」 大きなため息が自然と漏れていた。 何という事はないただ長いだけの始業式の間に俺は考えていた。 朝の出来事の事だけど、正直に言うとメンドクサイという気持ちとやってみたいという気持ちの半々なのだ。今までの学生生活の中で部活というものに入ったことが無い。心が惹かれてしまっていることも事実。でも入ったら入ったでメンバーと上手くやって行けるのかって事が気がかりでもある。でも迷ってる原因の一つは部活名にある。 ポケットの中に入ってる紙を取り出して目を通すと[心霊研究部]と書いてある。間違いなく自分のチカラを見越したものになっている。何より驚くのはそのメンバーの名前だ。自分と相馬・日暮というこの学校の人物なのは当たり前だけど、そこにはカレンと響子・理央の名前まである。――これで通そうとする相馬さんが凄いと思う。 なんてことを考えてたら式はあっという間に終わっていた。教室に戻る俺の足取りは重いまま体育館を後にした。 「で!? どういう事か説明してもらおうかな?」 その言葉と共に始まった小さな会議。と、言ってもその場にいるのは俺と相馬さんと日暮さんとカレンだけなんだけ。学校の先生に名前を使用した紙を提出した事で、まったく無関係という訳にもいかずとりあえずカレンにだけ来てもらって話をすることになった。場所はもちろんいつものファーストフード店である。「それで? 夢乃どういうことなの? 部活創るなんて聞いてなかったけど?」「あはははは!! ごめんね!! 夏休み前のこともあったし、考えてたんだよねぇ……。私た
Last Updated : 2025-09-07 Read more