「な……に?」「ですからアナタは確かに憑かれています。しかし後ろにいる霊《ひと》達はきっと以前麓で事件や事故に巻き込まれた人達じゃないですかね?」「そ、そそそ、そんな事は……」 目を泳がせながら、額を始めあらゆるところから冷汗が噴き出し、あまり豊富とは言えない頭髪もまたぺったりとそのボリュームを減らしてしまうが、そんな事には構っていられないのか元村長は「ちがう!!」「何も知らん!!」と喚き散らしている。 それが俺達に対して言葉を発しているのか、それとも元村長には視えていない人達に対して言っておるのかは分からないが、きっとその言葉はその人達には届いていない。「婆ちゃん」「なんだの?」「ここには警察の方を迎える事って出来ないのかな?」「……そうだのう……。今はまだ出来んかな……」「そっか……」 婆ちゃんにそれだけを伝えたのだけど、それだけで婆ちゃんは何かを察してくれたようで、爺ちゃんやお付きの方々と話をし始めた。 もちろんその中には元村長の姿もある。「あ、そうそう!! 元村長さん」「なんじゃ?」 未だに冷汗を流しっぱなしで、所在ない姿のまま地面に座っている元村長へと声を掛ける。「あなたの家族って今はまだご健在ですか?」「…………」「返事がないという事は……」「もう……わしと数人しか残っておらん。爺さん達は何十年も前に……。子供達はまだ生きてはおるが娘達だけじゃ。男は体が弱くてな。すぐに逝ってしまう。だからわしも……娘達にももう後を継がせられる者はおらん」「そうですか……
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