Todos os capítulos de 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!: Capítulo 151 - Capítulo 160

185 Capítulos

第141話 まずい!!

   今、理央さんの中に入っている方はおそらく戦国期になってお嫁に来てくれた反逆していた方の家の方で、亡くなった経緯は前に話を聞いたり、調べたりした事と同様だった。  しかし、やはり自分達だけで調べたモノの中見は限界があって、新島家に伝わる話はもっと詳しかった。特にこの方が亡くなる直前に、今部屋の中にある鏡台に自分の魂が宿る様に願った事や、鏡台を誰かに譲渡したり、売ったりしないようにときつく頼んでいた事、二度とこのような事が起きないように自分が亡くなった後に監視、見守る事を言い残してこの世を去ったことなどが伝えられた。  新島家の先祖たちは、この女性の念がこもった鏡台を初めは大事に使っていたのだが、家の中や周辺で良くないことが起こり始め、怖くなって家の中でも誰も出入りの出来ない部屋を造り、そこへと押し込めた。 中には「売ってしまえ」とか「壊してしまえ」とかいう親戚や、新島家当主もいたのだがこの彼女の念を恐れて結局は何処にも出せず、何もできずにそのまま末裔に引き継がれていくことになったという。「――という訳じゃ。どうだろうか? わしの聞いた話と違いはないじゃろうか?」 話し終えた祖父が彼女の方へと視線を向ける。それと一緒にみんなも彼女へ集中した。『おおよそは間違っていないわね。ただ私は呪ったりして無いわよ? ただ悪い事をしない、させないために圧力は掛けさせてもらっているけど』「あの……」 祖父と彼女の会話におずおずと伊織が加わる。「どうしてあなたは怒っているのですか? 前回来た時もかなり怖かったですけど、今日はなんというか……ちょっと危険な感じがします」 彼女の顔をじっと見つめながら伊織は疑問を口にした。『あぁ……それはね、この中に居てはいけない人が居るからよ』「それはどういう意味ですか?」『言ったでしょ? 私はそういうモノたちを許す事は出来ないの。つまりこの家にも敷地にも入って欲しくないのよ。前に来た時にあなたたちの事は見ていたわ
last updateÚltima atualização : 2025-10-07
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第142話 ね?

   門の前にてひと悶着あったものの、その後|彼《・》|女《・》からは圧力をかけられる事もなく、皆が無事にその場を後にすることが出来た。理央さんの状態だけが心配だったが、少し休んだ後は自分の脚だけで立てるようになっていたし、気持ちの上でも大丈夫だと本人が言っていたので、心配はいらないだろう。 しかし、何があるか分からないという事で、一旦うちの学校までみんなで移動し、カレンが水野さんに頼んで迎えを呼ぶついでに、市川母にも連絡を入れ、そのまま迎えの車に乗って帰宅してもらうという事で話は付いた。 現在その学校へ向けて皆で移動中である――。 自分の脚にて立てるようになったとはいえ、体はダメージを受けているはずなので、響子さんが肩を貸しながら理央さんと歩く。その後ろを相馬さんと日暮さんが追うように歩き、その後ろでカレンと水野さんが並んでいる。水野さんはケータイにて連絡を取ったりしながらなので声が聞こえてくるが、カレンは理央さんの事が心配なのか何も話をしないで、その前を行く行く一団の背中を見つめながら歩いていた。 俺と伊織が並んで歩く最後方は何も話さずに静かな時間が流れていた。その前をカレンと水野さんが歩いているのだが、俺たちと挟まれる形で大野君が一人で歩いている。 こういう時はいつもの彼なら、結構な勢いで話しかけてきそうなものなのだが、今日に限っては静かに少し俯き加減になって歩いていた。「…………」「…………お義兄ちゃん」 目の前の彼を見ながら歩く俺の事が気になったのか、それまで静かだった伊織が話しかけてきた。「ん? どうした?」「今日はどうして彼ばかり気にしているの?」 伊織からの呼びかけにも視線を変えずに前を見ていると、伊織も俺の視線を追うようにして彼の方に顔を向ける。「う~ん……勘かな?」「勘?」「うん……ちょっと気になることが有ってな」
last updateÚltima atualização : 2025-10-08
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第143話 不意打ちは卑怯だぞ!!

   『何とかなりそうよ。またあいつに手伝ってもらうことになっちゃったけどね』「え? また?」『大丈夫よ。今回出番はないから』 うふふと笑う母さん。それから少し俺と話をして母さんはスッと消えていった。それを見送った後で俺は再び皆を見つめる。 少しの間はそんな静かな時間が過ぎたが、カレンが手招きしているのでその輪の中に入って決まったことなどを確認していく。俺からも母さんからもたらされた情報を公開し改めてこれからの方針を決めた。その場で相馬さんに新島さんへ連絡を入れてもらい、同時に日暮さんに七瀬先輩へ連絡してもらう。 カレンのアイドル活動の方も予定があるのか水野さんが確認したみたいで、都合のいい日は2週間後と分かり、その日に再度皆で新島家へ向かうことになる。その日までは市川姉妹は休養に当ててもらうようにカレンが二人に電話した。 俺的には今回の事が有ったので、市川姉妹には来なくても良いとカレンに伝えてもらっただが、理央さんも響子さんも「絶対に参加する!!」と宣言したようで、カレンも強くは拒否することもなくそのまま参加が決定した。――大丈夫かな? 理央さんにまた何かあったらと思うと、さすがに俺は心から肯定出来はしなかったが、俺から言っても多分答えは変わらないだろうから諦めることにした。何かあったら全力で止められるように準備しておけばいい。今度は『何かあるかもしれない』という心構えが出来るのが救いだ。それに俺の他に皆が居る。 決められたことを相馬さんがメモして、2週間のうちに何か有れば連絡しあう事を確認し、今日の所はその場で解散することとなった。 各自がそれぞれに家路に着こうとしている時、カレンに少し用事が有ったので水野さんと一緒に車の方へ向かおうとするところを呼び止めた。「少しいいか?」「うん。水野さんいいよね?」 迎えに来ていた車に一足早く乗り込んでいた水野さんがこくりと頷き、カレンを残してドアが閉まる。「なに?」「あぁ……。その、理央さんの事だけど…&he
last updateÚltima atualização : 2025-10-09
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第144話 今日の集まりは何?

    三回目になる新島家訪問の前日――。  俺はカレンにお願いして、研究部メンバーをいつものファーストフード店に呼び出してもらっていた。 そのメンバーは伊織と大野君を除いた人達で、プラス研究部顧問の平先生とカレンのマネージャーである水野さんも一緒。 伊織と大野君は学校の用事があって来られないと、伊織から前もって聞いていたのでこのメンバーになったのだが、俺的にはそれを狙っていた。――説明しておくにはこの状態の時の方が良い。 いつものように二つのテーブル席を占拠する形になっているが、店員さんもすでに顔見知りなので何も言わないでそっとしてくれている。 そんなメンバー1人1人の顔を見回してから話を切り出した。「まずは急に呼び出す形になって、集まってくれてありがとう」 俺がペコリと頭を下げると、二つのテーブル分かれて座った皆が「大丈夫」とかいろいろと声をかけてくれた。「それと、確認なんだけど……理央さん」「はい!? わたし?」 急に俺から声を掛けられて少しびっくりする理央さん。同時にみんなの視線が理央さんに集る。「うん。理央さん……あの後体調の方は大丈夫?」 お願いしていたカレンからは二日に一回は連絡のメールなどが来ていたので、理央さんの体調や変化などの事は聞いたりしていたが、明日が新島家に行く予定なので、自分の眼で見て本人から直接聞きたかった。「大丈夫よ。カレンから聞いてない?」「あたしはちゃんと連絡してたわよ?」 理央さんがカレンの方へとジトっと視線を向けると、カレンはワタワタと両手を振りつつ自己弁護をする。「うん。カレンからはしっかりと連絡を貰ってたし、話も聞いてるけど俺が直接確認したかったんだ。もしも……」「大丈夫よ!! 前回の事はちょっとびっくりしたけど、今まで無かった事じゃないし…。それに明日もそうなったとしても、真司君に責任はないから
last updateÚltima atualização : 2025-10-10
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第145話 かわいくねぇーー!!

   その帰り道に俺は一人で考える。――これが母さんの言う心と気持ちってやつか……。 いくら義妹とはいえ知らない事は多くある。ましてや気持ちなどは計り知れない事なのだから伊織から話してくれた事以外は知らなくて当然なのだ。 俺は義兄というだけで知っているつもりでいた。だからこそこうして落ち込んでしまうのだろうけど、もう俺の後をまとわりつきながら歩くだけの妹じゃない。伊織は俺よりもずっと成長している。 俺も自分ばかりではなく改めて周りをよく見てみようと思った。――それが自分の成長に繋がるなら……。 自分に言い聞かせながら家路までの道を歩いて行った。  次の日――。 俺たちの学校前に集合した研究部の皆と、平先生水野さんを含めたメンバーで新島家の門前まで移動した。 前回と同様に新島家の人たちが迎え出てくれていたが、見知らぬ男女の姿がある。挨拶をしてから門をくぐる。少し歩きだしただけでも今まで以上に視線と言う名の重圧が俺たちにのしかかって来ていたが、俺と伊織以外には特に何も感じっることが出来ないのか、そのまま新島家の中へ入って行った。「伊織……」「うん。前よりも凄いよ」『あらあら……』 今まで同様に俺と伊織は最後に入ろうと待機していた時に、隣にいる伊織に現状の事を確認しようと声を掛けると、いつもいきなり出て来る声が聞こえて来た。「母さんか……」『あら? 今日は驚いてくれないの?』「毎回驚くと思うなよ? 今は伊織もいるんだからいてもおかしくないだろ?」『確かにそうねぇ……』 俺と母さんのやり取りを、少しだけ顔を緩ませながら聞いている伊織。今日は母さんが一緒にいる事で、前回までのような重圧は伊織に架かっていないようだ。少し羨ましいような気もするが、俺にはそういう存在が居ないので仕方がない。
last updateÚltima atualização : 2025-10-11
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第146話 彼女の言う『少し』

   弟さんを睨みつけながら立つその女性は、その姿の時は話したことが無いが、あの時までに視えていた眼と同じ赤い眼をしていたので、間違いは無いと思う。ただこの時点で出てくるとは思っていなかったが。 俺が視線を外さないで見つめたままな事に疑問を持ったのか、まずは伊織が先にこちらに顔を向けるとすぐに立ちあがった。 伊織の行動で何が有ったのか悟った理央さんと響子さんが立ちあがり、新島家の人たちを隅の方へ誘導を始める。 先生と水野さんは、近くにいた大野君を連れて、新島家の人たちがいる方へと移動する。カレンは玄関の方まで行くとドアをあけ放つ。いつでも外に逃げられるようにするために頼んでおいた行動の一つだ。立ちあがった伊織はそのまま俺の方へと歩いてくるのだが、その前にチラッとある方向へと視線を移す。「大丈夫ですか?」「…………」 何も言わなくなってしまった弟さんの方へ声を掛けながら、俺は女性と向き合うように移動する。 そしてそのまま声を掛けた。「何をするつもりですか?」『何かをするつもりなら、その男が入って来た時点でしてるわよ』「確かにそうですね……」 重圧はそのままに俺の質問に答えてくれた。その口から発せられた声はやはり以前に聞いた声色と同じなので、同一人物だと確信する。『少し落ち着いたら?』『あなたは……?』 それまでは何も言わずに伊織の中にいたであろう母さんが、いきなり彼女の前に姿を現して、声を掛けた。いきなりの母さんの登場に少しびっくりしている様子の彼女は、それでも重圧を緩めることなく母さんに対峙している。『私? 私はこの子と、その子の母親よ』『…………』 俺と伊織の方を指さしながら彼女の質問に答える母さん。彼女は俺と伊織の方をチラッと見てからなぜか少し微笑んだような感じがした。『あ
last updateÚltima atualização : 2025-10-12
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第147話 伝えるって大事

     時が経っているのにもかかわらず、作りが重厚なせいか中身が何も入ってないと知っているけど、さすがに男三人でという訳にはいかず、手伝ってもらった女子はひぃひぃ言いながら息を荒げていたけど、一度おいてしまったりすると、また持ち上げたりと大変な労力になると判断して、一気にそのまま運び入れる。 鏡も前回見たものと同じくらいの大きさがあるので、蔵の入り口までは二人がかりで運んでもらい、その奥に持って行くときには俺と大野君が変わって運び入れた。元々あった鏡に併せるようにしておこうとする大野君に声を掛けた。「大野君!!」「はい!! なんでしょう!?」 突然声を掛けられた大野君がビクッと体を震わせる。「併せ鏡って知ってる?」「併せ……鏡ですか?」「うん。鏡《※1》どうしを併せたりすると良くないことが起こったりするって話。聞いたことないかな?」「あ、あります!! 確か覗き込んだりすると自分の自分じゃない姿が映るとか……」「そうか……」「?」 大野君は俺の質問の意図が分からずに首をかしげる。「今の状態で鏡を置いたらどうなる?」「あ!?」 慌てて大野君が体の向きを変えようとするので、落ち着くように声を掛けてから新島さんのお父さんにどの位置に置いたらいいのか尋ねた。「この鏡は実は背中併せになる物だったんだよ。広げると大きな一枚の鏡になるんだ。これもけっこう古いものでね……確かな事は分からないんだけど、何かのお祝いの時に造られたものだって聞いた事があるよ」「へぇ~……」 説明を聞きながら、元あった鏡の横に並ぶようにして置いた。すると何処からもたらされたのか小さな声が聞こえて来た。『ありがとう……。もう一人の私が戻って来てくれた……』――こっ
last updateÚltima atualização : 2025-10-13
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第148話 もういいんだ 

    人々が住んでいたところには、そこに住んでいた人達の想いの残滓が在《あ》る事がある。 それはそこで楽しく過ごしていた日々から来るもの、悲しくて泣きだした想いから来るもの。それぞれが良い思い出で有ったり、嫌な想い出で有ったりする。もちろんそこには何時の時代から住み始めたかは分からなくても、住んでいたことのあるモノの想いは宿る。そこでこの世から去ったモノたちがいる限り、そこでこの世から去ったモノたちがいる限りその想いは蓄積され、次代へと引き継がれていく。仮にそこに新たな建物が立ち、新たな住人が移り住んできたとしても、そんな事は構わずにどんどんと想いは積もっていく。  生きる者、生きたもの、作った建物、出来た風景。どれもが宿す『想い』とは、思ったよりも実は深いものなのかもしれない――。  「君は……本当は視えていないんだろう?」 俺から発せられた言葉の意味を知る皆が、そう言葉をかけられた少年を見た。というかいっぺんに視線が向いた。 皆から視線を向けられたのは大野君だ。「ま、待ってください……お兄さん。本当に何のことか分からないんですが……?」 どうしても本心というモノを言いたくない……という感じではなく、彼が見せるその表情からも『何故?』という内心が読み取れる。その何故とは『何故自分にそんな事を言うのか?』という何故というよりは、『何故それがわかったのか?』という思いが読み取れた。 そんな大野君の様子を何も言わずに見つめるメンバー。しかし伊織だけが深いため息をついていた。そして俺の顔を覗き込んでくる。俺はそれを感じ取ると、やはり一つ大きく息を継ぐ。そして目線を彼から外さないように言葉を紡ぎ始めた。「もういいんだ大野君……」「え?」俺から出た言葉に彼の表情がこわばった。「君が視えていないんじゃないかなという事は
last updateÚltima atualização : 2025-10-14
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第149話 言ってなかったっけ?

   俺たちが入ってきた事で、少しだけ室内がピリッとした空気を纏った気がするけど、直ぐにカレンがそんな空気を壊してくれた。「遅かったわね。まぁ皆そんなにあなたたちの事を待ってたわけじゃないけどね」 クスクスと笑いが起こるが、俺には何で笑いが起こったのか分からない。「ツンデレ……」「ちょっと!! 今の誰!?」 小さな誰かの囁きにカレンが反応した。そしてまた小さくない笑いが起きる。そんな中を伊織に背中を押される様にしながら進んでいった大野君が諦めたように空いている席へと腰を下ろした。そして伊織が息を吐くとトコトコと俺の側まで寄って来る。「もう良いよお義兄ちゃん」「ん。ありがとう伊織」「いえいえ……えへっ」 伊織の言葉を聞いた俺は入り口のドアを閉めて中へと入って行き、皆から離れた場所の椅子を引いたのだけど、なぜかそれを近くにいた響子さんに拒否されて、また何故か皆の真中に用意されていた椅子に誘導された。俺が座ろうとした椅子には伊織が座り、皆に配り終わった先生がその伊織の隣に自分で椅子を持ってきて腰を下ろす。 つまりは俺が真ん中で話をしろという事かと観念しつつ、俺も腰を下ろした。「で?」皆が落ち着いてから少し時間が立って、相馬さんが俺に声を掛ける。すると皆からの視線が俺に集中した。「そうだな……いいかい? 大野君」「……ハイ」 こうなっては諦めたのか、大野君から小さな返事が返って来た。「もう一度聞くけど、君は視えていないんだよね?」「……」「返事がないけど、まぁ続けさせてもらうね。実は君がそうじゃないかと思ったのは、鈴城くるみサンの件からなんだ」「え?」「「「「「「「「え?」」」」」」」 何故か大野君だけじゃなく、メンバーの殆どが驚いた。――そういえばその辺は言ってなかったっけ?
last updateÚltima atualização : 2025-10-15
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第150話 バカみたい

  「そう言われても……」 静かになっていた部屋の中にか細い大野君の声が響く。「心配しなくていいよ」「え?」 俺はできるだけ優しく声を掛ける。そんな俺の言葉に大野君は驚いた顔をしながら、俺の顔を見るために顔を上げた。「心配しなくていい。ここにいる皆は君の事を罵ったりしない」 俺は部屋にいる皆の事を見渡した。俺の視線を捉えてくれた人たちからは順に頷いたり、親指を立てるジェスチャーをしたりと、俺の言葉を肯定するものばかりが返ってきた。最後に伊織の事を見るけど、何故かプイっと顔を背けられる。――あれ? 伊織?「たぶん……」「たぶんって……」 伊織のその行動を見た後で急に自身が無くなってしまった。そんな俺の言葉に大野君もまた気持ちを沈ませる。「あぁ~もう!! めんどくさいわねあんた達!!」 とうとう我慢できなくなったカレンが立ちあがり、俺と大野君に向かって声を上げる。「大野君!!」「は、はい!!」「あなたは視えてるの? 視えてないの?」「そ、それは……」「と、いうかそんな事どうでもいいのよ。要は私達に|も《・》嘘をついてたってことが納得できないのよ」「え?」「私達……シンジ君も含めてだけど、大野君にはそんなに信じられない?」 大野君へ問いかけるカレンの声は本当に悲しそうだった。「いえ……そんな事は……」「ならどうして隠していたの?」 大野君の返事に今度は響子さんが声を上げた。 その問いかけに少しの沈黙が降りる。「怖かったんです……」 絞り出すような小さな声が大野君から洩れた。「怖かった? 何が?」 今度は俺が質問した。
last updateÚltima atualização : 2025-10-16
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