Semua Bab 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!: Bab 11 - Bab 15

15 Bab

第11話 来なかったのよ?

 憎いと思ったことがある。 でも手を出すほどの勇気はない。 だから他人《ひと》からみたら、私はただの弱虫でしかない。力の無いモノは何もできない世界。失う自我と失う自信。それが続くと人間《ひと》は簡単に壊れてしまう。 私は今日も耐えている。たとえ何を言われても。たとえ体に傷ができても。たとえ助けが来なくても。 今までも、これからも、私は私一人しかいない。 でもやられたことは覚えてる。言われたことは覚えてる。この感情が無くなったとき、私は深い闇の中に囚われる……。   場所は変わってカレンの所属事務所の中――「えぇ~っと、初めまして……いいのかな?」「いいんじゃない? この体でこの姿の時に会うのは初めてなんだから」 小さな音楽レーベルの入るとある雑居ビル、その会議室にこの付近ではお嬢様学校として知られている有名な高校の制服を着た、いかにもお嬢様してますって感じの娘《こ》が俺とテーブルをはさんで向かい合うように座っている。 とりあえず、説明だけしちゃうと、俺はある能力を持っていたおかげで本来なら関わることがないであろう世界のこの娘と出会い、事件に巻き込まれ何とか大人の協力のもと解決することができた。その事件において被害者になってしまったのが目の前に座っている娘なんだけど、この娘を形式的には俺が助けた感じになっている。 それからは高校進学とかいろいろあって会えなかったんだけど、この娘が突然やってきてここに来いって呼び出されたわけ。なんだけど……。 ――なんか、機嫌悪くないすっかね? あれ? 俺が助けられたんだっけ?「えと、日比野さん?」「いまさらでしょ? カレンでいいわよ!!」「あ、はい」 ていうかさ、さっきから壁の方ばかり向いてるけど、俺って何かしたっけ? それにさっきから反対の壁際の方でドアからチラチラと見られてんのも気になるしさ。ちょっと以前に見かけた娘とかもいるけど&
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-20
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第12話 は?

 「じゃぁ、俺そろそろ帰るよ」 パイプ式の椅子を引いて腰を上げようとした。「ちょ、ちょっと待って!!」 カレンに腕を掴まれてしまう。慣れない感触にビクッとして固まる。女の子に触られるなんて義妹の伊織に位しかないから。「あ、ごめん。でも、まだ、座って」 素直に腰を下ろしなおす俺。話しにくそうに下を向くカレン。少し見ない間に大人っぽくなったような気がする。やっぱりアイドルってかわいいんだなぁなんて考えてると。「シンジ君ってさ、まだああいう事してるの?」「へ?」 突然の質問の意味が分からない。「だから、私みたいになったコとか助けたりしてるの?」――いやいやいや!何を言ってんですかねこの子は。あのときは仕方なく流されてああなっただけで、基本俺はああいうモノは苦手なんです!!「そ、そんなわけないだろ。あの時はたまたまだよ」「じゃあ、もう見えたりしてないの?」「いや……念だけど見えてるよ。今も、たぶんこれからもね……」 会議室内に少し重い空気がながれる。 俺は確かに[霊]は見えるけど慣れているわけじゃない、そもそも好きになれる方がおかしいと思う。「あの、協力してほしいことがあるんだけど……」「やだ!!」「なんでよぉ~!! 話聞いてよぉ~、ね、ちょ、待ってよぉぉ~!!」 鞄を掴んでスタスタと歩き出す。はい話はお終い。じゃさいならぁ……。「は、放せ!! 俺は帰る!!」 鞄を掴んだカレンが俺に引きずられている。――結構チカラあるなお前!!こら! その顔は反則だぞ!! おまえ、くっ、このっ、分かっててやってるな? 少し泣きそうな顔で掴んだまま放そうとしない顔には「お願い」って表情を浮かべている。しかも薄く涙が滲んで。「わかった、もう、わかったから放せ。いいか、話をきくだけだからな」「やった!!」 や
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-21
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第13話 黒いモノ

  『キっ』という音とともに今藤堂家の目に黒塗りの車が止まる。  時間は午前9時少し前。カレンと再会した週末。時間が過ぎるのは早いよね。 ピンポーン! ピーンポーン!「はぁ~い」 今日は両親ともにいないらしく、義妹《いもうと》の伊織が玄関へと駆けていく。 この時俺は完全に寝ていた。そもそもがこの日に約束していたことをすっかり忘れていたのだが……。 タタタタッ バーン!!「お、おに」 ――鬼?「お、お義兄《にい》ちゃん。お、お客様が!! そ、その!!」「あん?」 まだ布団の中から顔だけ出して返事する。もちろん出る気はない。「せ、セカンドの!!」「お、落ち着け伊織。珍しいな」 大変珍しい、うちの義妹《いもうと》の慌てる姿。「だ、だって[セカンドストリート]のカレンが来てるんだもん!!」「あん? カレン? ……あ、カレンって……」 がばっと跳ね起きて時計を見ると9時を過ぎたばかり。――来るのはやくねぇぇぇ? つかやっべぇ……完全に忘れてた。 慌てて着替えること5分。 ようやくまとまった姿で玄関へ向かうと、伊織がまだ信じられないって顔してカレンと向き合っていた。「早く来るなよ」「早い? ……あなた今何時だと思ってるの?」「あぁ~わり! 忘れて寝てたんだよ」 すまんすまんと両手をあわせて謝っていると、隣にいた伊織の視線が俺に当たっているのに気付いた。「お、お義兄《にい》ちゃんてカレン……さんと知り合いなの?」「え、あ、うんまぁ……な」 フシギそうな視線だったものが尊敬のまなざしになっていくのを感じる。「初めまして、妹さん? 私は日比野カレン。よろしくね」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-22
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第14話 視えた

  市川響子と市川理央は一卵性の双子の姉妹。小さい時からよく似ていて共に成績もよく、運動もこなせた。しかし違っているものもある。それが現れ始めたのは中学進学してからだった。姉[響子]は社交的で誰とでも仲良くなって、次第に人気者になっていった。それとは逆に妹[理央]は内向的でなかなか友達もできず次第に陰に隠れていった。「シンジ君?」「あ、ご、ごめん。俺、リビングで待ってるからさ。楽しんでくれよ」「ちょっとシンジ君!!」 駆け出すように部屋を飛び出してリビングへと向かう。 はっきり言ってその部屋にいたくなかった。理央から感じるあの念と自分自身の念は似ている。本能的にその場にいてはまずいと言っている。それに俺は気づいている。あのままだと俺も飲み込まれてしまうと。 ようやくついたリビングで息を整えながら汗をぬぐう事しかできなかった。「はい、喉、乾いてるでしょ?」 リビングで一人、うなだれるようにソファーに座っていた俺に冷たいジュースの入ったコップが目の前に差し出さされた。誰かが近づいた事さえわからないほどに俺はぐったりしていた。「え、あ、ああ、ありがとう」「どういたしまして」 渡してくれたコは響子だった。彼女はそのまま俺の隣にちょこんと座る。「ネェ、今日あなたを連れてくることはちょっと聞いてたけど、ほんとにカレシじゃないの?」「い、いや、違うけど?」「そっかぁ、違うんだぁ。とりあえずは信じてあげる」「あ、ありがとう」 何がありがとうなのか良くわからないけど信じてもらえたのはいいことだ。しかし、この子がここにいるってことはあの部屋には今二人だけ……。どのくらいこの家にるんだろうと時計を見ると、この家に訪れてからもう2時間がたとうとしていた。 きゃぁぁぁ!! ビクッとするくらい甲高い悲鳴、これはたぶんカレンの方だ!! 突然の悲鳴にあわてて部屋に駆け出した。その後ろから響子も連なる。「ど、どうした!!」「し、シンジ君!!」 部屋に入った俺を確
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-23
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第15話 時間をくれ

 家に帰ってからも真司は考えていた。 どうすればあの理央という娘を立ち直らせることができるのかを。 彼女はたぶん俺と同じ感覚をもっている。違いなんて陥っている深さだけだ。話すことが苦手で自分をアピールすることができず、周りから置いていかれる。追いつこうともがくほどにまわりはどんどん冷めていく。 気づけば独りぼっち……。 考えれば考えるほどその深みは底がなくてもがき続けるしかない。 それは救えないのか? 助ける事は出来ないのか? 俺はどうやって抜け出せた? 確かに俺はどこからか変わったんだ。 俺は自分から遠ざけて、周りからも声をかけてくることなんてない、暗い子になることで存在を薄くして、一人だけでいいって殻に閉じこもろうとしていた。 そんな世界がある日突然に一人の女の子が現れてその子によって変わった。 一緒にいるだけでほわんとするというか、落ち着くというか。そのコの顔を見るだけで自然と笑顔になれた。カワイイ女の子だったから。明らかに関係する。俺は男だし。 そう、俺の周りで起きた変化は伊織という女の子との出会いから変わり始めた気がする。 部屋のベッドでゴロゴロしながら俺は伊織と出会う前、出会う後について考えるようになっていた。 義理の妹である[伊織]には感謝している。いつもそばにいてくれるし……。――そういえば、見たくないモノ達と何かあるたびにずっと伊織はいてくれたなぁ。それにそういう日はいつもより優しくしてくれてたような気がする。 何をやらせても優秀な義妹の伊織は学校でも人気がある。その兄貴の俺も一定の認知度があり、この性格でも浮いてなかったのは、伊織が側にいてフォローしてくれていたから。そのおかげで、この俺にも数は少ないけど友達もできた。 あの理央てコはどうなんだろう? ふと、考えて一つ思いつく。 枕元に出しっぱなしだったケータイを手に取って画面をタップし、カレンと表示させる。 俺は自慢じゃないがこちらから女
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-24
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