Semua Bab 幽霊が見えるからって慣れてるわけじゃない!!: Bab 31 - Bab 40

50 Bab

第31話 初恋の相手

  一番懸念されていたライブの日は無事何事もなくすぎた。  俺はもちろん伊織もライブにはチケットの都合上行けなかったが、メンバーから響子・理央姉妹経由で伊織に連絡が入ったらしい。 このライブの後の大イベントはあと4か月先までは無いらしい。 ただ、それが気がかりでもある。さすがにアイツも人が多いところでは、簡単にカレンには手を出せないだろうけど、次まで空いてしまうこの期間は割と接触のチャンスは多くありそうだからだ。 天気の良かったこの日は読みたい雑誌の発売日だったこともあり、放課後少し遠回りして帰ることにした。 ウチの学校はどちらの方向へ進んでも近くに大きな街並みに出ることで意外と便利なのだ。正門を出て、人の集まらないいつもの本屋へ向かおうとした時ポケットのケータイが震えた。「いつもの店の二階で待ってる」 カレンらしい用件だけのメッセージ。内心は「めんどくせぇなぁ」と思いながらも、あの店の方向にも本屋があったなぁと思いだし、たまには違う店に入ってみるのも悪くないかと思いなおす。 それから三十分後、指定された店の一番奥の席に見慣れた頭と顔が二つと……知らない男の子が一人座っているのが見えた。友達かな? っと思ったので邪魔しないように手前の席に腰を下ろそうとすると、見慣れた頭がクルっとホントにタイミングよく振り向いて俺と目が合った。「何でそこに座ろうとしてんの?」「え? いや、友達なら邪魔しない方がいいと思ってさ」「変に気を使わなくていいんだよ、一緒に話すためにシンジ君呼んだんだから」 おいでおいでって手招きされた。なんか俺、犬みたいだ。もう一つの見慣れた頭は理央だった。「やぁ、理央さん」「こんにちはシンジ君。まだ、「さん」付けて呼ぶんだね? 理央でいいって言ってるのに」 手をひらひらさせながら笑顔で話す理央。「うぅ~~んと、ごめん、ソレは無理かな」 なんて返していると、奥に詰めてくれた男の子が俺たちに顔を順番に向けて。「なになに? どういう知り合い? どっちかのカ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-09
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第32話 あんた誰よ!?

   三十分後。  住宅街の中にある。普通の二階建ての一軒家がある。赤い屋根が目立つけど、割と親近感のわく造り。俺達の目の前にある表札に日比野と書いてある。 意外と早めについてしまった。 そして隣には伊織も一緒だ。出かけようとしたらちょうど夕飯の支度を終えた伊織が俺の部屋に歩いて来て、廊下で会話する形になった。それでカレンの家に行くことを告げ夕飯も外で食べてくるからと伝えると、エプロン姿だった伊織は慌てて二階へ駆け上がり、また慌てて降りてきたかと思ったら、お出かけ用のショルダーバッグを下げてきた。そして「カレンさんが心配」とか「夜、男の人が行くなんて危険」とか「お義兄ちゃんが危ないから」とか理由をつけてついてきたのだ。 ちなみに、夕飯は珍しく二人とも家にいた両親が食べるので心配はいらないらしい。父さんからは「あまり遅くなるなよ」って言われたけど、特に気にはしていないみたいだ。「あの……ウチに何か用ですか?」  家を見ていた俺たちに後ろから声を掛けられ、伊織と二人そろってビクッとなった。 振り向くとそこには、肩からスポーツバッグをかけた伊織と同じくらいの歳の男の子が、俺達二人を怪しむような眼で見ながら立っていた。「え、えとお家の方かな?」「そうですけど何ですか?」「あの、私たちカレンさんにお呼ばれしてして来たんですけど……」「ああ、姉ちゃんの友達っスか。ちょっと待ててください、呼んできますから」 そう言って男の子は乱暴な感じでドアを開け、「姉ちゃぁぁん、客きてるよぉ」って言いながら家の中へと消えていった。  すぐにカレンが出て来て「どうぞ」って招きいれてくれた。 そのまますぐに居間へと通されてソファーに伊織と座る。その対面に俺たちに飲み物の入ったグラスを用意してくれたカレンが座った。今日はお母さんは仕事に出かけているらしく、この時間はたいていが弟君と2人らしい。「三つ違いの弟なのよ」「へぇ~」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-10
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第33話 別人……かな?

  『あんた康介じゃないじゃない!! 誰なの!!』 ふわふわ浮いたまま大声で叫ぶカレン。 壁と弟にぶつかった拍子に気絶して霊体になったらしい。まぁ、そういう事がおこっても不思議じゃないけどね、元々が生き霊さんだったわけだし。叫んでる声も、たぶん俺と康介にしか聞こえてないんだろうなぁ。 しかし今はそれどころではない。  どういう事だ?。「あんた誰よ」ってカレンが言うって事は、この康介は本当の康介じゃないってことなのか?「どういうことだカレン。アイツは康介じゃないって」『どういうって、こっちが知りたいわよ! この人は私の知ってる康介じゃないわ。顔が全然違うもん!!』  雷に打たれたみたいに体の中を何かが走り抜けていった感じ。俺は康介はカレンの知り合い、同級生だと聞いて疑わず、さらにカレンも知り合いだとばかり思って確認してはいなかった。そう本人なのかどうかだ。「お、お前誰だよ!! 俺をだましてたのか?」『う~ん、シンジ君。だますつもりはなかったんですけどね。まぁ結果的にはそういう事になっちゃうかなぁ』 目の前の人物は本当にすまなそうな顔を俺に向けてきた。『で? 本当は誰なのあんた?』『僕の名前は……と、時間がないようなのでこちらの用事を済ましてしまうかな。カレンさん、あなたは向こう側へ行くつもりはありますか?』『な、無いわよ!!』『そうですか……おっとこの辺りが限界のようですね。ではまたお会いしましょう』 そういいながら康介はスッと消えていった。「お、お義兄ちゃん大丈夫?」 隣で立ち上がろうとしていたはずの伊織が、俺の体(特に顔)を心配そうに見回している。「だ、大丈夫だ。俺よりもカレンと弟君の方を見てやってくれ」「うん、わかった」 ようやく力の戻り始めた体をゆっくりと持ち上げる。うん。どこもケガしてるところは無いみたいだ。 大きく深呼吸して心を落ち着かせた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-11
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第34話 てへっ

   カレンの家に襲撃――という風に言っていいのかわかんないけど――があってから1週間後、今俺は昼飯を食べるために一人で校舎の屋上に来ている。考え事をしたいという事もあって、誰もいない屋上へと昇ってきたわけだけど。『なんでいつも驚くのよ!!』「なんでって、俺はそういうのに慣れてないんだって言ってるだろ!! いや慣れたくもないし!!」――危うく今日の昼飯を落としそうになったじゃねか!! 心の中でマジ切れする俺、しかしふわふわカレンもあまり機嫌がよろしくないみたいで。『なんで連絡してこないのよ!!』「え?」『普通、あんな事があったら心配とかして連絡位するでしょ?』「いやぁ、俺がいても役立たないし、連絡してもさ。それにほら、俺って女の子と話すの苦手だし」『はぁ~~、あなたってほんっっっと女の子の気持ちが分かってないのね』 プリプリカレンさんのようで、まだちょっとブツブツ言ってますけど……やっぱ怖い。『ま、あなたらしいって事にしといてあげる。それで? 考えってなに?』 気を取り直したのかあきれた顔をしながらカレンが聞いてきた。「あ、ああ、康介の事件をネットで調べてて見つけた写真があるんだけど」『うん』「事故直後の写真に写ってたんだ|彼《・》が」『そうなんだ。あなたってそういう状態の物でも見えるんだ』「そりゃぁ、写ってればそのモノ達は見えるよ」 変なとこに感心するんだなぁって思いつつ、カレンに続ける。「カレン、分かる範囲でいいんだけど、その時の周りの人の様子とか聞いてもらえないかな? 俺は関係者でもないし、康介本人とは面識がないから難しいだろうからさ」 ふわふわ浮いていたカレンの表情が少し曇るような気がした。何かを考えてるようで。『わかったわ。あまりそういう事はしたくないのだけど、今回は自分自身がかかってるもんね』「すまん、お願いできるか?」 こくんとうなずいた後にふわふわカレンはスッと消えていっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-12
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第35話 康介と名乗るモノ

   慌てて席に座り直す。すっごい恥ずかしい。 それから「えぇぇ~」って顔してる(特にカレンが)三人に康介について聞いてきた事を詳しく話してもらい、伊織を加えた四人に俺が考えついた事を聞いてもらった。「そ、そんなことって」「あくまでも今の段階での俺の考えだけどね」 俺はそう言ったけど、内心では確信に思いがあったからだ。 しかし、それが事実だとするならば、俺達が今の康介に出来ることはない。その事はみんなが理解した。俺を含めた五人はそれから黙り込んで飲み物をクチに運び込む事しかできなった。 康介は待っていた。彼らがここに来ることは分かっている。 昨日突然に彼から呼び出され、今日、この時間に来るようにと言付かった。 彼らは自分に会う事を願いながらも恐れている。なのに自分たちから会いに来いという。 本当に人間とはわからないものだ。 イヤ、自分はもう忘れてしまっただけなのかあの遠い記憶を。 そして思う。 今日、この日が彼らに会う最後の日になるだろうと。 俺たちは歩いていた。 店を出て誰も話をしないままもう10分になる。行先はウチの近所にある公園だ。この時間帯なら、遊ぶ子供たちもいないだろう。 住宅街にある本当に小さな公園。今日康介を呼び出しているから俺たちは向かっている。 公園は静かだった。子供たちが遊び楽しそうな声を上がていただろう時間からはまだ間が無いだろうはずなのに、今はその面影すら感じられないくらいに。「待たせたかな?」 一人の少年と思われし幽霊が公園の中ほどに立っている。  俺が足を止めると、後ろをついて来ていた四人も同じように止まった。『いえいえ、時間などあってないようなものだから』 そう言いながらこちらに少し歩み寄ってきた。「もう、皆に姿を見せてもいいんじゃないか? できるんだろ?」 康介が微笑んだ。 ぶわっっと一陣の風が舞う。 そこに姿を現したのは、黒に
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-13
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第36話 突然に

 『そうですね。もちろんそうだと僕も思うよ。それに、その言葉を聞いた事で[約束の半分]は果たせたしね』 俺はその言葉ですべてが繋がったように感じた。「そうか……そうだったのか。あの事故の時の写真、そして二人、その時に康介と約束を交わしたのか!!」 千夜は少し驚いたようで、俺の方を見ながら微笑んだ。『いいや、約束したのはもっと前さ。康介が病気で苦しんでいる時にしたんだよ』「病気?」 小さい声で理央が聞いた。『そう、康介は十三歳ころから重い病にかかり始めた。何とか学校にいきたいからって頑張ってたみたいだけどね。そんな中、康介が危篤に陥った夜があった。僕と康介はその時初めて会ったんだよ』「し、知らなかった……」 力ない声をだした響子。『だろうね。康介は誰にも言わなかったよ。友達にもね。いや……言えなかったんだ。もうすぐ自分がいなくなるなんて。だから、僕にだけ話してくれたんだ……そして約束した』「その約束って何だ?」 俺のそばでは伊織も真剣な眼差しを千夜に向けている。 俺も何かあったときの為に話をしながら態勢を整える。『その約束とはね……』 どこかにいる康介に語り掛けるように千夜は空を見上げながら話を続けた 『まずは、カレンさん』「な、なによ!」 名前を呼ばれてビクッと身体を震わせたカレン。『康介はあなたが好きでしたと伝えてほしかったそうです。そしてあなたが望むなら向こう側に連れてきてあげて欲しいと』「結構です!! あたしは行かない!!」 今にも飛び掛かりそうな勢いで返すカレンを、響子と理央が押さえて「どうどう」って感じでなだめる。 カレンはフーフー言ってるから牛っぽいけど。その様子を微笑みながら見ている千夜。『大丈夫ですよカレンさん。あなたを連れていくのはもう考えてませ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-14
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第37話 涙の理由

  いつの間にかすすり泣く声が聞こえてた。カレンも響子も理央も、そして隣の伊織も、顔を伝って落ちる涙を拭こうとはせず。ただ流れ出るままにしていた。 『僕はその約束を果たしに来たんだよ』 涙を流した俺も応えられない。『康介との約束、それは[1年たって僕が忘れられてたら、僕が生きてた証を証明してきて。そして思い出を残してきて]だったからね』「だ、だから君は僕らに調べる時間を与えたのか……自分たちで思いだしてほしいから」 こくんとうなずく千夜。『それに、初めに言ったでしょ? あなた達に危害を加える気はないって。それにはカレンさんも含まれてるんだよ』「お前、死神なのにいいのか?」 力ない声で俺が訴える。 それに少しはにかむように返ってきた答えは。『負は正の力には敵わないんだよ。それに生きている者を無理やりにでも亡き者にしてしまったら、理のチカラが働くからね。どちらにしろ自分にはできないんだよ』 だった。初めの方は何の事を言っているのか分からないけど、後の事に関しては何となく理解できる。つまり彼は死神だから死者しか連れていくことが出来ないのだろう。『これで約束も果たしたし、君たちともお別れだね。楽しかったよ。なるべくならすぐには会いたくないからみんなゆっくりしておいでね』 ニコッとすごい満面の笑顔を残して千夜は少しづつ消えていく。『そうそう、伊織ちゃん。その君の力すごいね!!』「「「「え!?」」」」 今度こそ消えていなくなった。 皆の視線が伊織に集中し、伊織は下を向くことしかできなかった。   その時私は――。『そうそう、伊織ちゃん。その君の力すごいね!!』「「「「え!?」」」」――あの[死神]さん最後に爆弾投げていったぁぁぁぁぁ!! 自分に向いているみんなの視線がなんだか痛くて、恥ずかしくて下を向くしかなかった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-15
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第38話 キャッ!!

 この場所は人は来る。来るのにあの人の姿は見つけられない。私はアノ人を待っている。  だけど、いくら待ってもあの人は来ない。 だから寂しくなる。 ここには寂しい感情しかない。感情がわくのはその事だけ。側に、誰か側にいて欲しい。  私はそれを願うだけ。 できる事ならあの人にいて欲しい……。  でもそれは叶わない。 わたしはもう存在していないから。 この場所から動けないから。だからこの場所で思い続ける。でも来ないから私は見つける。私と一緒に過ごしてくれるような。 優しい人。 そんな人を私は探し続ける。  この深い寂しい場所で。  ――あの時、俺は聞き逃さなかったぞ伊織……。「はぁぁ~~」  体の奥から為にたまった息を吐くように大きなため息が漏れる。  自分の部屋の椅子に腰を下ろして珍しく机に向かって勉強している俺だけど、まるっきり集中できないでいる。  原因は分かってるんだ。けど、確かめる事に対する勇気が持てないだけ。  あの子は確かに言った。しっかりと俺の前で。   「ただ私もあれが視えてるんだよって言いたかっただけだもん!!」]  無意識に上を見上げてしまっている。慌てて気付いて机に顔を向ける。の繰り返し。伊織に聞くだけなのだから、そんなに考えなくてもいいように感じるけど、今まで一緒に暮らしてきてそんな素振りの見せなかった義妹《いもうと》に、急に視えてるのか?なんて聞くことができるはずがない……だから困るいや大いに困っている。「どうすっかなぁ……」  もう何度目かわからないため息がまたもれた。 学校帰りのいつもの帰り道でふと目についた雑誌が気になってコンビニに立ち寄る。雑誌コーナーに置かれた週刊誌の表紙にカレンの写真が載っていたからだ。しかもほぼすべての雑誌にカレンか、もしくはカレン+セカンドストリートメンバーの組み合せで載っている。いよいよ本格的にトップへの道を駆け上がり始めた感じだな。 立ち止まってペラ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-16
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第39話 またかぁぁぁぁぁぁ!!

  十分後。「お義兄《にい》ちゃぁぁん!ごはんできたよぉぉ!」 伊織からのゴハンの呼び出しに応えて部屋を出ていく。「はぁぁ~」 この時もまだため息は止まらなかった。 用意されてるゴハンを見ながら自分の席に着く。「義母《かあ》さんと父さんは?」「お母さんは急患だって帰ってこれないみたいで、お義父さんは事件で帰れないんだって」「そうか……」「何か考え事?」 伊織にそう問われ、自分の本心を言うわけにもいかず、響子に相談を持ち掛けられたことを話した。 う~んとうなりながら伊織が考え込む。「お義兄ちゃん、その相談私も加わっていいかな?」 俺のハシが止まった。「な、なんで?」「ちょっと……考える事あって……かな?」「そうか、うん……いいんじゃないか」「良かった。よろしくね、お義兄ちゃん」――この見た目が可愛い娘のニコってのは殺人級の威力があると兄は思うのです。  数日後「ごめんね伊織ちゃんまで来てもらって」「いえ、お義兄ちゃんが心配なだけですから」 カレンと伊織が仲良さそうにきゃーキャー言いながら話している。 俺はというと……中に入って行けないからコーヒー飲んでます。 響子が今日の相談者と来る予定になっていて、少し遅れてくるらしい。今はその隙間の時間だ。「おまたせぇ。ごめんねぇ」 パタパタと走って席の隣へとやってきた。「紹介するね。こちらが今回の相談者で友達の|三和玲子《みわれいこ》さん」 響子の後ろからつきて来ていた女の子がペコっと頭を下げた。「は、初めまして。私は三和玲子と言います。今日はありがとうございます」 この三和という女の子だけど、外見は肩くらいまでの黒髪ストレート、細身でスラっとしていて
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-17
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第40話 あなたが藤堂くん?

   あの後?  まぁカレンと口論になり、伊織と響子が止めに入って三和があきれて、笑い出す響子っていう、おかしなことになりました。 そんなことがあった二日後、俺と伊織、響子と三和の四人でその二人と待ち合わせする場所で待っている。ちなみにカレンがいないのは「アイドル業が忙しいから」だそうで、俺との口論はまったく関係ないらしい。現に俺のケータイには「状況は教えてネ(^^)」って顔文字入りのメールが来てるから。  ここは俺達義兄妹の住んでる場所から駅二つ分だけ隣の場所で、どちらかというとカレンや響子たちの家や学校に近い。要するにこの辺一帯は|清桜《せいおう》学園の生徒たちが多い場所なのだ。 その学校の近くの噴水のある公園内で俺たちは待っていた。  少しの間日常会話をしていると、そろいの制服で歩いてくる二人の女の子が遠目から見えた。「あ、来ました。お~~い!! こっちこっち!!」 歩いていた二人も気づいたようでパタパタと走ってくるのが見える。 俺には遠目に見えた時点で顔までは見えなかった。やっぱり運動してる人ってすげぇなぁって感心した。「えと、紹介します。この髪の長い子の方が遠野弘子《とおのひろこ》。で、髪の短い方が妻野裕子《つまのゆうこ》二人とももちろんバドミントン部です」 二人ともペコっと挨拶したけど、なるほど見るからにあまり体調は良くなさそうだ。特に遠野という子はもう青白い顔をしている。そして大事なのは二人から同じアノ感覚がする。 間違いなくこの二人はその影響下にあるみたいなんだけど。確かに感覚はするんだけど……直接的に憑いてるとかじゃないみたいで今は対処できそうにない。「今日はここまで来てくれてありがとう。体調はどう?」「えと……あなたが藤堂くん?」 と遠野。「なんかちょっと……」 と妻野。――う~んその先を聞きたいような、聞きたくないような。言いたいことは何となくわかっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-18
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