詳しい日時などは後程連絡をしてもらう事にして、俺達一行は一度キャンプ場へと戻ることにした。 戻っている道中の車内では、幼少期の頃の俺の写真を何故か貰って来た伊織が、後部座席で話し込んでいる。ちょっとした女子会状態になっているので、男である市川父と俺はその会話の輪には全く混ざる事が出来ないでいた。 俺は助手席に乗ったまま窓から外を眺め、流れていく景色を見つつ、先ほどまで母さんの実家でしていた一連の話しの事を考える。――柏木って伊織や継母さんの結婚前の名字だけど、それが何か関係があるのかな? いや、婆ちゃんはかなり能力が強いって聞いたことが有るから、何かしらの関係性を視たんだと思うけど、ちょっとなにか引っかかるんだよなぁ……。「お義兄ちゃん!!」――それにあの二人の事もあるしな……。なんだろうこのもうちょっとでわかりそうなのに分からないもやもや感は……。「お義兄ちゃんてば!!」「へ?」 大きな声で呼ばれたので後ろを振り返ると、すぐ側に伊織の顔があった。すかさず伊織がスッと顔を離していくけど、ちょっと頬が紅くなっている。「な、何?」「あ、その……お婆ちゃんが言ってたことを聞きたくて……」「ん? 何か言ってたっけ?」「うん。その……『あの時は大変だった』って言ってたじゃない?」「あぁ……その事か……」「聞いてもいい?」「う~ん……。また今度な。今はそれどころじゃないだろ?」「そ、そうだね……。うん。また今度ね」 そういうと伊織は静かにまた女子組と話に戻った。――あの時は大変だった……か。そうだな確かにそんな事もあったな……。あれ? でもあ
Last Updated : 2025-11-16 Read more