伶はすぐに光紀に電話をかけた。「光紀、今すぐ現場を調べろ。傷害や強姦をした証拠が残ってないか確認してくれ。それから千景を病院に連れて来い。俺が直接聞きたい」「了解です」電話を切った後、焦りを隠せない悠良を見て、伶は彼女の頬を軽くつまんだ。「どうした?彼氏を信じられないのか?この程度のことなら俺に任せろ」悠良は首を振った。「そうじゃなくて......ただ、あなたに迷惑をかけたくなくて」伶は彼女の頬の柔らかい肉を上に引っ張りながら、わざと意地悪く言った。「悠良ちゃん、いつになったら彼氏に頼ることを覚えるんだ?甘えるのを下手な子だな」悠良は、まるで彼に持ち上げられてしまいそうな感覚に思わず声を漏らした。「痛っ......」伶は喉の奥で低く笑い、手を放した。「なんだ、今度は当たり屋か?力なんて入れてない」悠良はスマホで自分の顔を確認しようとして、そういえばスマホが伶の手元にあるのを思い出した。「私のスマホは?」伶はベッドの上を探してから、それを渡した。受け取った悠良は、画面にひびが入り、裏面にも擦り傷があるのを見て驚いた。きっと落としたに違いない。当時の状況は詳しく分からないが、スマホがこんな状態なら彼がどれほど危険な場面にいたか、想像に難くなかった。ここまで傷を負いながらも、この程度で済ませたのはむしろ奇跡だ。悠良はしばらく彼を見つめ、ふいに身を寄せて頬に軽くキスを落とした。淡々とした伶の瞳に、一瞬驚きが走った。「......へぇ、急に積極的になったな。悠良ちゃん、やっと悟ったのか」悠良は彼の顔を見て呆れた。まるでとんでもないことをしたかのような反応。「ただ頬にキスしただけでしょ。なにその顔」伶は目を細め、口元に不敵な笑みを浮かべた。「じゃあ次はもう少し積極的に頼む。俺は大歓迎だし、君が望むならどんな形でも合わせるよ」悠良は半ばからかうように彼を上から下まで眺めた。「今そんなこと考えてる場合?まずちゃんと養生しなさいよ。その脳みそ、下ネタしか入っていないの?」伶は堂々と言い返す。「それは悠良ちゃんの魅力が認められてるって証拠だろ。彼氏が君を見ても何の反応もないのがいいのか?」「......」悠良は、自分の頭がおかしくなったんじゃないかと疑った
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