「よーし、お主ら、どこからでもかかってくるがよい!」「えーい」「とりゃあー」 あおい荘の庭で、西村がみぞれとしずくを相手に、忍者ごっこをしていた。 みぞれとしずくが、西村に教わったように葉っぱをちぎり、それを手裏剣代わりに西村に投げる。「ふはははははっ。やい子供忍者よ、そんなものではわしは倒せんぞ。くノ一、この子供忍者共に、本物の忍者の厳しさを教えてやるのじゃ」「あ、あの西村さん、それってひょっとして、私のことなんですか」「なーにをやっとるかくノ一、さっさとするんじゃ」「ひゃっ! 西村さん、お尻を叩かないでくださいです。ええいっ!」 あおいが葉っぱを投げる。しかし二人のところまでは届かない。「ふーむ……これはやつら、風の忍術を使うようじゃな……よーし、ならばわしが相手してやろうぞ」 そう言って、芝生の草を適当にちぎり手に持った。「むんっ!」 掛け声と共に構える。「子供忍者よ! わしの技、受けれるものなら受けてみよ!」 西村の言葉に、みぞれとしずくも構えて応じる。両手を広げ、西村の方へと向ける。「……」 西村が目をつむって耳を澄ませる。そして風の気配を感じたその瞬間、上空めがけて草を投げた。 西村の動きに合わせ、みぞれとしずくが「やあーっ!」と掛け声を上げ、両手を突き出した。「す……すごいです……」 西村の投げた草が、風に乗って上空を舞った。それはみぞれとしずくからすれば、自分たちの技で風を起こしたように見えた。「やったー」「やったー」 二人が手を叩いて喜ぶ。西村は二人の前に跪き、悔しそうにつぶやいた。「くっ……ここまで風を自在に操るとは……わしの負けじゃ…&he
Terakhir Diperbarui : 2025-06-24 Baca selengkapnya