「積木君が十八日に遅刻してきたかの正確な確認は、難しいかもですけど。素直にタッチしているかもしれないから、出欠の確認はしてみます。仮に、実際に遅刻だった場合、弁当の窃盗も積木君の可能性が出てきますよね。伊藤さんに確認してもらえば、わかるかな」 理玖はピンと背筋を伸ばした。 「そうか。伊藤さんは弁当を盗んだ学生と接触しているから、学生のデータベースの写真を見てもらえば、わかるんだ」 回りくどい調べ方をしなくても、一目瞭然だ。 「理玖さんの一連の事件は積木君の可能性、高いけど。積木君はかくれんぼサークルを辞めたがっていたみたいだし、乱交集会においては被害者って感じがしますけどね」 晴翔の言う通り、真野の言葉を信じるなら、積木はサークル側の人間ではなさそうだ。 「けど、真野君や深津君、白石君をかくれんぼサークルに誘ったのも積木君だ。WOは悩みを抱えている場合が多いから、あくまで善意で、相談したり話せる場所を紹介しただけかもしれないけど」 理玖の印象としても、積木は真面目な学生だ。 真野の話からもリーダー気質で面倒見がよい性格を感じる。 (何かが、引っ掛かる。何が、引っ掛かっているんだろう) 積木を信じたいと願いながら、微かに残る自分の中の漠然とした疑問や不安の正体を、理玖は探していた。 「そういえば、白石君はバスケ部なんだよね。晴翔君は知ってるの?」 白石が発情している場面に真野が出くわしたのは部活後だったと話していた。 晴翔はバスケ部の朝練によく加わっているから、白石のことも知っていそうだ。 「知ってはいますけど。真野君ほど、話をした印象がないんですよね。敏感なonlyなら俺のフェロモンを感知して避けていたのかもしれないけど」
Last Updated : 2025-07-02 Read more