仁志は、ただ星を助けていただけではない。彼は彼女のためにいくつもの道を切り開き、さまざまなことを教えてくれた。いちばん危うく、いちばん脆かったあの頃。彼は自分の翼の下で彼女を守り、慈しみ、育ててくれたのだ。もしそうでなければ、彼女は芽を出す前に摘み取られていただろう。そして今、自分がその場所に立つようになったからこそ、星には昔は見えなかったものまで見えるようになっていた。仁志の名前が出ると、彩香は意味ありげに笑った。「ほらね、やっぱり仁志を落として正解だったでしょ?明日香の取り巻きは多いけど、ほんとに使えるのなんて一人もいないし。でも仁志なら、一人で全員まとめて片づけられるもん」そこまで言ってから、彩香は何かを思い出したように目を輝かせた。「ねえ星、あんたと仁志って……もしかして、もうすぐって感じ?」星は首をかしげた。「もうすぐって、何が?」彩香はにやっと笑う。「仁志、最近ずっと家見てるのよ。しかも、あんたの好きそうなインテリアの雰囲気まで私に聞いてきたし……どう見ても内装のこと考えてる感じだった。あれって新居の準備じゃないの?星たち、もう結婚の話まで進んでるの?」星は数秒黙ってから、ようやく口を開いた。「そういうんじゃないわ。私と仁志は、まだ付き合ってないし……」だが、言い終える前に彩香が遮る。「星、最近SNS見てないでしょ?」「うん。忙しくて、ずっと見てなかった。どうしたの?」彩香は何とも言えない顔で彼女を見た。「あんたの仁志、とっくにSNSで公表してるのに、それでまだ付き合ってないはさすがに無理あるでしょ」その言葉に、星はようやく携帯を取り出し、仁志の投稿を開いた。そして見た瞬間、危うく携帯を落としかけた。そこにあったのは、二人が手をつないでいる写真だった。星をよく知る人間なら、一目でそれが彼女の手だとわかる。仁志は、以前星のボディガードをしていたことがある。連絡の都合もあって、彼女の周囲の友人とはほとんどつながっていた。奏、彩香、凛は言うまでもない。雅臣や影斗、航平とまでつながっている。もちろん、翔太と怜もいた。その投稿に添えられていた文章は何もない。ただ、たった一枚の写真だけ。それなのに、見る者の想像をかき立てるには十分す
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