そいつは突然やって来た。というか、予定に入ってたんだけど特に気にしてなかった。 「翔くーん、玄関出てー。ほら!今日からうちに交換留学生来るって言ってたでしょ!ママ張り切って準備忙しいのー」――おーい、俺も忙しい。そして、張り切り過ぎだ…「どちら様で…」――玄関を開けると、金髪碧眼の美少年。しかも異国の人間がいた。この暑い中首にチョーカー…「初めまして。今日からここでお世話になります。リョウと呼んでください」――最近の美少年は礼儀正しいのぉ。と、10代ピチピチの俺がそんなことを言うのは母さんに怒られる。しかしこれまた美少年だなー…「あらー、早いのねぇ。そうねぇ、わたしのことはママって呼んでくれると嬉しいわ」「麗しのマダムが家の主人ですか?」「イヤだわ、もうリョウ君ったら!主人はし・ご・と♡もうすぐ帰ってくると思うわ」――なじんでる…。異国にお世辞はあるのか?「オッス、ただいま。おう、もう来てたか。で、名前は?ほう、リョウとな。まぁ、うちの翔と仲良くしてくれや、同じ学校に行くわけだし」――はあぁぁぁぁ⁇聞いてねー‼あんなイケメンと一つ屋根の下で暮らしてるって知ったら、脳みそが腐ってる女子がどんな妄想をするのかわかったもんじゃない。正常な女子でもあのイケメンと比較されるのはキツイって!――驚き度は親父が弁護士って初めて聞いたときと同等くらいか?あのテキトー魔人の親父が弁護士って胡散臭い…我が家の経済はよく成り立ってるな「俺は翔。高校2年。同じ高校に通うらしい。よろしくな。ところで、途中転校?」――俺はごく普通に聞いたつもりだ。悪意など微塵もない‼俺以外が罰悪そうにしてるけど?「あー、実は俺、日本語会話はできるけど読み書きできないんだよね…だから半年くらいしてから翔と同じ学校に行こうかと…」――よーし心の準備などができる!腐女子リサーチもした方がいいのかな? そして半年…と思ったら、1カ月で読み書きマスターしたよ… だから1カ月後‼――心の準備などもできた。多分。腐女子リサーチもした。さて、大丈夫だ‼多分…「さ、リョウ!学校に行くぞ‼学校でのルールというか規則は俺が教えるからな‼」「いや、規則は生徒手帳読んだけど…」「そういうんじゃなくてだなぁ、学校でうまく立ちまわる方法とか」「よくわかんないけど、わかった」――曖昧
Last Updated : 2025-06-01 Read more