朝、目が覚めると隣にはサラリオ様の姿があった。サラリオ様の細くてさらさらとした綺麗な髪が陽の光りを浴びて金色に輝く。薄い茶色の太いまつ毛、ほりが深く目を閉じるとより強調される瞼のくぼみ、ふっくらとした桜色に赤身帯びた唇。その全てが愛おしかった。 布団の中で、サラリオ様の胸の中に包まれている。サラリオ様の大きくて硬い鋼のような筋肉に守られているようだった。自分にはない筋肉や金色の髪、掘りの深い瞼、その一つ一つを指で触れてなぞるとサラリオ様は「ん……」とピクンと反応をした。起こしてしまったかと覗き込むと、サラリオ様がゆっくりと瞼を開けた。 「んん……おはよう、葵」 指で瞼をこすりながら言うサラリオ様は無防備で、幼い子供のようで可愛かった。 「……お、おはようございます、サラリオ様」 至近距離で交わす「おはよう」という言葉が甘いささやきとなり、耳元から全身へと駆け巡る。サラリオ様は、私の肩を抱き寄せておでこに軽くキスをした。 「このまま、もう少し葵とこうしていたいけれど、周りが起きる前に部屋に戻るとするよ」
Terakhir Diperbarui : 2025-08-15 Baca selengkapnya