Lahat ng Kabanata ng 愛されなかった武士の娘が寵愛の国へ転身~王子たちの溺愛が止まらない~: Kabanata 61 - Kabanata 70

77 Kabanata

61.アンナ王女、夜の訪問②

「アンナ王女のことを信用していないわけではないけれど、念のため鍵はかけてもいいかな?」途中から侵入者が来ないよう内側から鍵をかけた。カチャリ、と重い音が部屋に響く。アンナ王女は、私と部屋に二人きりという状況に頬をほんのりと赤く染めている。「それで聞きたいことって……。何か困ったことでもあったのかな?」私が問いかけると、照れてオドオドしていたアンナ王女は我に返ったように顔を引き締めた。そして次の瞬間、勢いよく近付いてきた。彼女は、私の手を思いっきり両手で握り締め、そのまま自身の胸元へと持っていく。「ア、アンナ王女?」アンナ王女の表情がコロコロと変わる様と、その大胆な行動に驚きを隠せずにいた。握られた手はアンナ王女の鎖骨に触れており、彼女の熱い息が首筋に吹きかかる。顔がどんどん近付いてくる。見つめ合う瞳の先に、二人の唇は、わずか10センチほどの距離しかないかもしれない。アンナ王女のヘーゼルナッツのような薄茶色の綺麗な瞳が揺らいでいる。 王女の大胆さと突然の勢いに圧倒され、思わず後ずさりした。その時、足元がおぼつかなくなり、王女のネグリジェの裾を踏んでしまう。バランスを崩した私たちは、そのままふわりと柔らかいベッドへと倒れこんだ。「ル……ルシアン様……」「ア
last updateHuling Na-update : 2025-07-13
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63.アンナ王女とルシアンの動揺②

ルシアンの言葉に、アンナ王女の表情がみるみるうちに安堵の色に変わっていく。「はあああ、良かった。私、ルシアン様の身に何かあったらと心配で心配で!」そう言って、アンナ王女は安堵の息を吐きながら両手を胸に当てて撫で下ろした。しかし、彼女は忘れていた。王女がまだ私の手を握りしめたままでいたことを。「あ、あ、あ、きゃーーーっ!」王女が手に胸を当てた際、私のゴツゴツとした指がアンナ王女の柔らかい胸元に当たった。その感触にアンナ王女の顔は真っ赤に染まり、パニックに陥ったように慌てて手を離した。「あ、あの、これは誤解で……!私ったらなんてことを!決して、誘惑とか触れて欲しいとか誘っているわけでなくて……」「あ、ああ」 異国の女が誘惑と聞いて気になったアンナ王女の方が、よっぽど誘惑しているような仕草をしている もしこれが第三者で誰かの様子を見ている立場ならそう思っただろう。しかし、アンナ王女の動揺ほどではないが、私もまた、突然の出来事と予期せぬ手の感触に、いつもの冷静な態度でいられず瞳をわずかに見開いて動揺を隠せないでいた。誤解が解けた部屋には、二人の高鳴る鼓動と静寂だけが残さ
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64.サラリオとルシアンだけの秘密

「兄さん、ちょっといいかな。大事な話が。」翌朝、ルシアンはサラリオを執務室に呼び出した。二人がきりになったことを確認すると、ルシアンは声を潜めて昨晩のことを報告した。「ゼフィリア王国の訪問の件ですが、『バギーニャ王国で謎の異国の女が王子たちを誘惑して操っている』という噂が、王宮の兵士たちの間で流れているようです。国王も知っているようで、前回と今回の訪問は『葵』のことを調べるのが真の目的だったのかもしれません。」「そうか……。」サラリオの顔がわずかに曇る。単なる噂が、国の外交問題にまで発展していた。「時期から考えても、その可能性は高そうだな。そうなると葵は国外の者がいる時は、公の場に姿を見せない方がいいかもしれない。国内でも他国の者が交じっている可能性がある。葵は王宮外の者との接触はできるだけ避けて、しばらくは会わない方がいいだろう。国内に出る時は護衛を強化させるようにした方がいいな。」「そうだね。アンナ王女には僕から誤解だと説明したけれど、僕たちが葵と親密そうな素振りを見せれば、新たな誤解を招く可能性もあるから注意した方がいいかもしれない。」「そうだな。王女たちの前でも葵が姿を見せることがないようにしよう。噂もどこから広まるか分からないから、少し言動も注意した方が葵のためにもいいかもしれない。あと、葵が知ったら余計な心配をしたり、負い目を感じるかもしれないから、このことは我々だけの秘密にしておこう。」
last updateHuling Na-update : 2025-07-16
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65.サラリオの反撃、赤面するルシアンだけの秘密

「ところで……アンナ王女からいつ聞いたんだ?お前は真面目で頭がいい。昨日のうちに知っていれば、葵の身を案じてすぐに私に報告しただろう。それが今日の朝一になったのが不思議でな。」ルシアンは、サラリオの言葉の真意を理解した。サラリオは、ルシアンが話を聞いてすぐに報告してきたと分かっている。つまり、昨日中に報告しなかったということは、サラリオが寝る時点ではルシアンはこの状況を知らなかった。つまり夜から朝にかけて知ったのではないかと、サラリオはからかっているのだ。先ほどまで真剣な面持ちで王子の責務について話し合っていたが、先日、葵がサラリオの部屋を訪れた時に、『夜に女性が来たのに、兄さんほどの人がもてなさないなんてこと、ありえないよね?』とからかった時のことを仕返ししているのだ。「…………ッ。兄さん、この前は葵のいる前でからかって悪かったよ。でも兄さんが何もしなかったように、僕もアンナ王女とは何もないから。」ルシアンは顔を赤らめながら小声で反論した。反論しながらも、昨夜のアンナ王女のことを思い出すと胸を張って何もないとは言えなかった。一瞬だけ触れた指の感触を思い出し、また少し顔が赤くなっていた。「ん?なんのことだ?私はなにも言ってないぞ?」サラリオは満足げな顔をしながらとぼけていた。サラリオとルシアンは、この時、葵を守るため、そして彼女に変な心配をかけないために最善の
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66.居場所をなくした女神

変化は突然訪れた。ゼフィリア王国のアンナ王女が滞在している間、王子たちの様子が以前とは異なっている気がした。最も顕著だったのは、サラリオとルシアンの態度だ。以前なら、庭園で会えば温かい微笑みとともに呼びかけてくれたサラリオが、最近はちらりと私を見てすぐに視線を逸らすようになった。執務室で彼に会っても、忙しそうに書類に目を落とし事務的な口調でしか話さなくなった。何か用事があっても、メルを介して伝言が届くことが多くなった。ゼフィリアのアンナ王女が来てからは、ルシアンも明らかに私との距離を取っている。王宮の廊下で彼とすれ違っても、以前のように立ち止まって話しかけてくることはなく、遠巻きに会釈をするだけになった。目が合ってもどこか複雑な表情で視線を逸らしてしまう。私と目が合うとすぐさま視線を外す素振りに心を痛めていた。(どうして……?何か私は悪いことをしたのだろうか?)私の胸には、小さな棘が刺さったように、ちくちくと痛みが走った。彼らの態度の変化は、私には理由が分からなかったから、余計に不安を掻き立てる。 「きっとアンナ王女がいらっしゃるから気を遣っているだけだ」そう自分に言い聞かせていたが、アンナ王女が帰ってからも態度が変わることはなかった。そして、日が経つにつれて私の心は重く沈んでいった。二人きりの時でさえ、以前の温かい雰囲気は失われ冷た
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67.メルの気がかりとリアムの安心感

メルはアンナ王女が再訪してからサラリオとルシアンが葵に対して態度が変わり、距離を置くような素振りをしていることを誰よりも早く気づいていた。そして、そのことで葵が日に日に元気をなくし、まるで光を失ったかのように見えることも気がかりで胸を痛めていた。 「最近、葵様が元気なくて……。サラリオ様とルシアン様が葵様に対して、以前とは全然違ってよそよそしくなった気がするの。そのことを葵様も感じ取って、ひどく心を痛めているようなんです。私は、葵様のために何ができるんだろうって、ずっと考えているの」メルは、幼馴染で恋人のリアムにその悩みを打ち明けた。夜の庭園でリアムの腕の中に抱かれながらリアムの肩に顔を預けていた。「俺は、メルがいるだけで元気になるよ。落ち込んでいてもメルが明るく笑顔でいてくれれば、俺も気分が上がるしまた頑張ろうと思えるんだ」そう言ってリアムはメルを優しく抱きしめた。彼の温かい腕がメルの不安を包み込む。メルはリアムの腰に手を回し、その胸に顔をうずめ、彼の温もりを噛みしめていた。この深く抱き合っている時間がメルの心を温かく満たし、また明日から頑張ろうと気持ちを切り替えることができた。リアムの言葉は最高の癒しだった。そして、こうして悩んだときにリアムが側にいて支えてくれることがとても嬉しかった。(葵様が元気になるように、私は側で明るく葵様を支えよう!) 翌朝、葵とメルが廊下を歩いていると前方からルシアンが見えた。以前なら、遠くで姿を見つけただけでも、大きく手を振って最高の笑顔を見せた後に弾むような
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69.サラリオとアゼルの衝突

 その時だった。――ドタドタドタッ!慌てて走ってきたのだろう、息を切らしたメルが、乱れた息を整える間もなく悲痛な叫び声を上げた。「大変です!葵様が、薬草を摘むと言って、本来とは違う隣国ゼフィリア王国の方角へ行ってしまいましたっ!!」その言葉にサラリオとアゼルは同時に目を見開いた。「葵が!?」先ほどまでの兄弟の衝突など、どうでもよくなるほどの衝撃が走った。ゼフィリア王国との国境近くは危険だ。ましてや、「異邦の女」と葵を危険視しているゼフィリアの目が光っている中で……。二人の顔から一気に血の気が引いた。ゼフィリア王国のアンナ王女が帰ってから二か月が経とうとした頃、アゼルは、サラリオとルシアンの葵に対する態度が以前と違うことにようやく気がついた。そして、葵がどことなく元気をなくしていることも。葵は笑顔を見せる。だが、以前のような心の底から湧き上がるような輝くばかりの笑顔ではなかった。この国に来たばかりの頃のどこか遠慮がちな笑顔に変わっている。その変化に気づいてからというものアゼルは自分が葵を笑顔にすればいいと強く思い、以前よりも積極的に声をかけ笑わせようとした。しかし、葵が以前のような明るさを取り戻すことはなかった。
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70.募る孤独と葵の決意①

アンナ王女の再訪後、サラリオとルシアンの態度が急変したことに私は深く傷ついていた。あの温かかった二人の視線が、まるで私を避けるかのように冷たくなっていく。その状態が二か月も続いた。日を追うごとに、私は日本にいた頃のあの孤独な日々を思い出すことが増えていた。一度は、この国で誰かの役に立ったはずの薬草の知識。サラリオは、私が薬学を学ぶことを心から応援してくれていた。国立図書館に行くと、時にはサラリオから部屋を訪れ、その日知ったことを尋ねてきて、時間を忘れて話していた。私が真剣に話をしている時にサラリオから感じられる温かい眼差しは、私自身の存在を肯定し、認めてくれているかのようで生きがいを感じていた。しかし、今はもうサラリオが私の部屋を訪ねてくることもない。兵士たちの怪我の治療薬を作る機会もめっきり減り、私の知識は行き場を失っていた。(この国でも、また私は誰の役にも立つことがないままただ息をしているだけの存在として暮らしていくかもしれない……)そんな憔悴感に襲われた。自分の居場所がなくなることが何よりも怖かった。一度、このバギーニャ王国で受け入れられ、彼らに必要とされていると感じたからこそ、その光を失う恐怖は以前よりもはるかに強烈だった。心に開いた穴が日に日に大きくなっていくようだった。(国立図書館に行けば知識は得られる。だけど座学だけでは駄目だ。本の中に閉じこもっ
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