……え? 「そうだ……………確かにお前は人妻だ。 私の……。」 妙な拒絶のされ方に、私の頭がはっと冷える。 ベッドにほとんど体を傾かせているアデリナも、自分の言葉に驚いていた様で。 「え……?っと、あれ……? だからその……私はその、つまり…人妻であって、それはローランドの妻であって…?」 混乱しているようにアデリナはアタフタと言い訳してくるが、こちらも混乱している。 私の妻なのに、まるで他人の妻の様に私の誘いを断る彼女に、違和感を覚えた。 そこでふと、看病されていた時に聞いた、アデリナの元恋人の事が頭をよぎった。 「……まさか、母国にいる元恋人の事を言っているのか?」 そいつに今さら操を立てて———? 「え?」 「アデリナ、まさか……そいつの事を忘れられないのか?」 「はい!?」 ——————嫌だ。 駄目だ。 お前はもう既に私の妻だ。 なのに他の男に気持ちを残しているなんて。 そんなの許せない……!! 衝動的にアデリナを強く抱き締める。 「っ!?ローランド、っ、く、苦し……」 「アデリナ……私を見てくれ…… いや、私を見ろ。」 信じられない。 まさか自分に、こんなに激しく醜い気持ちがあるなんて。 だがアデリナを逃したくない。 このまま思う存分、抱きたい。
Last Updated : 2025-07-12 Read more