All Chapters of 愛のために我が子を失った悲劇の王妃に憑依したみたいです。推しの息子と二人で幸せに暮らすため、夫はヒロインに差しあげます!: Chapter 41 - Chapter 50

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謎の集団による襲撃!ピンチを救ってくれたのは

 ◇◇◇ 「すっかり遅くなってしまったわね。 ありがとうライリー。ラシャド。皆。 ご飯とても美味しかったわ。」 「いえ、こちらこそ。引き止めてしまい申し訳ありませんでした。」 済まなそうにラシャドが言う。 外はすっかり暗くなり、出口辺りで白い街灯が光っていた。 馬車と御者のいる前で皆に手を振る。 「アデリナ様、また来てください。 僕達はいつもアデリナ様を待っています。」 名残惜しそうにライリーが呟き、小さく手を振った。 子供達も大騒ぎである。 「アデリナさまー!また来てねー!」 「絶対だよー!」 馬車が走り出し、見えなくなるその瞬間まで、子供達は私達に懸命に手を振っていた。 ◇  馬車が走り出してから数分後。 森に近い道を走っていると、突然何かに襲われて馬車が傾いた。 「え…………何…………?」 「あ、アデリナ様」 「何だお前達は……っ、ギャアア!」 御者の悲鳴の様な声。 何か馬車の外にいる。人の足音? 話し声……? 窓からは暗くてよく見えない。 止まって傾いてしまった馬車の中で、ホイットニーが怯えた様に、私のドレスの裾を掴む。 「え、っと……ステータスオープン…」 [謎の集団▷陰謀の匂いがする] やだ……!陰謀って何の!!もっと説明下さいよ! 急に怖い展開なんですけど! 「中にいるのは王妃陛下ですか?へへへ。悪いんですが出て来て下さいヨォ。」 「何……あんた達誰……!?」 強引にドアがこじ開けられて
last updateLast Updated : 2025-07-07
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謎の集団による襲撃!ピンチを救ってくれたのは

 どこかで聞いた事あるような声。  薄水色にも見える銀の髪。  それが、暗闇を照らす松明の明かりの中で左右に揺れる。 「ぎゃあああああ!!」 こちらに手を伸ばしていた男の腕に、剣先がめり込む。  遅れて血が吹き出した。顔に血が跳ねる。 こんなにバイオレンスな瞬間を初めて目にし、私は全く動けなくなっていた。    彼の背後にはたくさんの兵がいて、剣を持ち、馬で駆け回り、その場にいた男達を次々と薙ぎ倒していってる。  これって、小説にも度々登場した、クブルクの騎兵隊……?  軽装騎兵とかいう…… 「アデリナ………!アデリナ!!  大丈夫か…………!!!」 長めの剣を持ち、馬に乗り、目の前で男の腕を切り、中を蒼白な顔して覗き込む男。 「ロー……ラン、ド?」 切れ長の目が細められ、呼吸を荒げ、額にはダラリと汗が流れていた。    眉を顰め、緊迫した表情で私をじっと見つめている。 何で、ローランドがここにいるんだろう? そんなに必死で、一体どうしたの?  ◇ 「バカ者………!  王妃が護衛も付けずに城外に出るなんて、一体何を考えてるんだ!」  確かに…………!! あの山賊の様な奴らは討伐され、私とホイットニーは無事にローランド達に救出された。  御者は足を切られていたが、命に別状はないらしい。良かった。  大量の松明を焚く、騎兵隊の一行。  あの男達は一人だけ残し、あとは多分斬り殺されている。  うわ。えぐう………  私はと言うと、傾いた馬車の台座の上に座らされ、怪我してないかをローランドに念入りに確認された後、説教を食らっていた。 「陛下、私がアデリナ様を無理やりお連れしたのです!責めるなら私を…!」 「お前は黙っていろ。ホイットニー。  お前には後からゆっくり尋問する。」 必死になって庇ってくれたホイットニーを一瞥後、ローランド
last updateLast Updated : 2025-07-07
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謎の集団による襲撃!ピンチを救ってくれたのは

 熱い胸板が背中に。 ふわりと、ローランドから良い香りがする。 実際には服の上からだけど、触れてみて、その体格の良さにびっくりした。 身長高っ……胸板厚う……さすがは。 氷の……王? 「何でロー……陛下がここに?それにさっきの男達は一体」 「……お前に監視をつけていた。 さっきの男達は今、東部地方で問題となっている山賊の一派だ。 たまたま私が、迎えに来ていたから良かったものの…… お前とは色々話し合う必要があるな。 アデリナ。」 低い声。突き刺すような目で見られてる。 「お、怒ってます?」 「…怒ってないように見えるか?」 つまり怒っているって事だよね……! うわ、どうしよう!それに監視って何? だったらライリー達の事もバレてんの? でもそんなの小説になかったよね!?  「あ、あのー…言い訳に聞こえるかもしれませんが、私はあの子達を、悪い事に利用してる訳じゃありませんよ?」 「…私に秘密で奴隷少年達を買い、鍛えている事がか? 謀反を企てていると思われても、仕方のない行為だ。」 「違いますって、私は……!!」 「何だ?アデリナ。はっきり言ってみろ。 あの子達を一体、どうするつもりなんだ?」 容赦なく追い詰めてくる、ローランドの低い声。 アデリナが秘密にしていたものを、私が暴露してもいいのかな? でも……悪い風に誤解されたくない! この時点で、アデリナが謀反なんて考えてた訳ないでしょ! そもそもローランドがリジーと不倫しなきゃ、アデリナがライリー達を敵として参戦させ、無惨
last updateLast Updated : 2025-07-08
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ローランドの長い夜.知らなかった感情

 ◇◇◇ アデリナが、奴隷達を私に内緒で鍛えて精鋭部隊を作ろうとしていた。 それを、実際にこの目で見た時はかなりの衝撃であり。 「まさか……アデリナが謀反を?」 きっと誰もがそう思っただろう。 確かに由々しき事態だった。 王妃が私に断りもなく、そんな事をしていたのだから。 以前、アデリナが奴隷少年を購入したという情報が入った事がある。 しかも彼女がその少年を王宮に招き入れてしまい、大騒動が起こった。 その時、私自身も確かにその奴隷少年を目にしたのだ。 奴隷売買を禁止していないこの国では、貴族が奴隷を買う事は珍しくはないが…… まさか王妃という立場のアデリナが。 しかしあれ以降、少年の姿を目にする事はなかった。 だがここ最近、アデリナが再び複数の奴隷少年を囲っているとの報告が寄せられた。 「王妃陛下は奴隷達をペット扱いし、ムチで叩き、酷い事をしていると噂が!」 「いやいや、少年達を切り刻み、妙な実験をしていると! 陛下!王妃陛下のこの様な行為をお許しになれば、国が乱れる要因となるでしょう! 早く王妃陛下を処罰するべきでは?」 元々アデリナを快く思わない臣下たちの言葉は、単なる憶測に過ぎないものだ。 しかし、実際に、アデリナが奴隷達を大量購入する現場を見たという者がいる。 王妃が複数の奴隷を購入するなど、王室史上かつてない大問題。 最近やっと問題を起こさなくなってきたと思っていたのに……何故だ、アデリナ! ◇ その日、東部地方で人々を悩ませている山賊の「レーヴェン」の一味が、なぜか王都外れの山間に現れたという情報が入った。 この所、見回りを強化させていたのだが一体どうやって……… 「陛下。王妃陛下が、問題の場所の近くに出掛けられたそうです。どうされますか?」
last updateLast Updated : 2025-07-08
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ローランドの長い夜.知らなかった感情

 結婚してから一度も愛する事ができず、アデリナがやる事の大半に目を瞑ってきた。  王室の評価を下げ、バカな事ばかりする彼女への興味は完全に失っていた筈なのに。 つい最近まで、ずっと目を逸らし続けていたのに。  最近ではアデリナに、こんな風に監視をつける必要も感じてなかった。    だが……………………。  ◇ 「あははは、もう〜降参!  皆、足速すぎだから!鬼ごっこなんていつ以来かな!もー無理!疲れ過ぎて死んじゃう!」 案内されたのは、アデリナが私に内緒で購入したという、人里離れた山中にある教会跡地だった。  驚くべき事に、跡地は人が住める様に綺麗に改装してあり、外には軍の訓練所のような場所も作られていた。  確かに、その場には幼い子供や少年達が数多くいた。  何やらアデリナは、ホイットニー、そして見知らぬ白髪頭の男と共に、子供達と楽しそうに戯れている。 見つからないよう私は建物の影に隠れ、兵達を近くに待機させてその様子を伺った。    「……アデリナは何をしているんだ?」 「分かりません……一見すると子供達と戯れてるようですが。」 そうだ。馬から降り、隣で待機している側近の言った通り。    「……あれが、奴隷達に虐待を加えたり、怪し気な実験をしているように見えるか?」 「……見えません。」 素直に側近はそう吐き出した。 ———そうだ。アデリナは笑っていた。  眩しいほどの笑顔で。  いつか見たあの時の光景の様に。  無邪気な顔で。 私には一度も見せた事のない笑顔で。 どうして私にはあの顔を見せてくれない…? え……?いや、私は一体何を………  「アデリナ様!ほら、まだ鬼は終わってませんよ!早く早く!」 そう言って嬉しそうにアデリナの手を引いたのは、あの時王宮に連れてきた奴隷の少年だった。  鮮やかな黄色い髪。驚くほど小顔。  ぱっちり開いた両目。薄いブラウン色の瞳の。 王宮に連れてきたあの時とは、全く雰囲気が違う。 痩せ細っていた体はふっくらと健康的に見え、何よりあの時は薄暗くて不気味だったのに、今は弾けるように笑顔だった。 そうして少年はアデリナの手を引き、顔を赤く染めながら彼女の頬にキスを。 ………何をしている!?  彼女は私の妻だぞ……!!! 「陛下……!?」 咄嗟に体が動き、危
last updateLast Updated : 2025-07-08
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ローランドの長い夜.知らなかった感情

 「今はどうかお控え下さい…! 直ぐに出て行ってしまっては、王妃陛下の狙いが探れませんよ?」 「っ……!確かに。そうだ。」 進行を遮られ、私はハッと我に返る。 取り乱した事が情けない。 「しかも相手は、ただの少年ではありませんか。」 「そうだな……」 口では納得したものの……不満だ。 いくら少年とは言え、この国の王妃の頬に、あんな風に簡単にキスするとは。 側近達がホッとしたように溜息を吐いていると、山腹の方を捜索させていた騎兵隊の一人が戻ってきた。 「陛下……大変です……!」 馬を降り、駆け寄ってきた兵は緊迫した様子で訴えた。 それによると、レーヴェンの一味と騎兵隊が山腹で出食わし、接近戦になっているという。 「くそっ……!こんな時に!」 アデリナの目的を知りたかったのに…! 「よし、急いで向かうぞ!」 しかし、今最も重要なのはレーヴェン一味の確保である。 振り返り、アデリナの笑い顔を複雑な思いで眺めると、私は仕方なくその場を離れた。 そうして最精鋭の騎兵隊で無事に一味を捕らえたが、奴らが言うには、まだ残りの一味がこの山間のどこかにいるという。 暗闇の中を大量に松明を焚いて教会跡地に引き返すと、アデリナはすでにそこを出発した後だった。 幸にも少し雨が降った後で、地面には車輪の跡が残っていた。 しかしその後方にも複数の馬の足跡が。 もしかするとレーヴェンの一味がアデリナ達を見つけてしまうかもしれない。 「アデリナを見つけるんだ……!」 号令して騎兵隊に隊列を組ませ、一気に山道を駆け抜けた。 そうしてアデリナの乗った馬車がレーヴェンの一味に襲撃された場面に遭遇。
last updateLast Updated : 2025-07-09
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ローランドの長い夜.知らなかった感情

 襲撃した一味は応戦により殆ど斬り殺してしまったが、何とか一名は捕縛できた。  なぜクブルクの王都の中心地からそれほど距離のない、この山間にいたのか。  後から尋問して聞き出さなければならない。 そうして一緒に馬に相乗りさせたアデリナを、奴隷少年達の件で責めると。  真摯に彼女は言ったのだ。 「ローランドの為にしたんです。  あの子達を、貴方の精鋭部隊にしたかった。  貴方を守れるように。」 私の………ため? いくら馬車が動かなくなったとは言え、思えば無意識にアデリナを自分の馬に跨らせ、こんなにも接近していたのにも驚く。  今にも折れてしまいそうな細い腰つき。  すぐ下にはアデリナの、黒髪の間の白い頸が見える。  お忍びだからなのか町娘のような清楚な格好をしていて、それがとても新鮮だ。  手綱を操作しているため、自然と彼女の脇から前へ両手を伸ばしているわけで。  こんな風に触れたのはいつ以来か。  急に心臓がドクン、と跳ね出した。 何だ……これは。  収まれ……私の心臓よ………! 「…………ただ、内緒にしてたのはごめんなさい。」    目の前で小さく、大人しく座っているアデリナが俯き、本当に済まなそうに謝罪した。    そうだったのか……あの子達を買ったのは全て私のため……? 私がクブルクを、この国の民を守りたい様にアデリナも…本当は私を守りたかったと? 急に顔が火照り始めた。いや、顔だけではない。心臓が。体が。心が。  これまで凍りついていた何かが動き始めた。 ドクン、ドクンと激しく温かく。 今までの不信感など消し飛ぶように、今はアデリナの言っている事が、素直に嘘ではないとさえ思ってしまう。 「………………そうか。」 そんな気持ちをバレないようにするのが精一杯で、短い返事しかできなかった。 ………彼女が素直に告白してくれた事が嬉しい。 彼女が私を守ろうとしてくれていた事が、嬉しい。 …………服越しの筈なのに、彼女から熱が伝わる。  いや、私の方が熱いのか? 素直になったアデリナは………  なんと可愛いのだろうか。 それに私の妻は、こんなに健気だったのか? 寝室でベッドを共にする時以外に、こんな気持ちになるなんて初めてだ。 ………それから互いに無言で。馬が進む間、ずっと考えてしまっていた。
last updateLast Updated : 2025-07-09
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※ローランドの長い夜.溢れ出して止まらない

 城に帰り着いた頃には、すでに深夜を回っていた。 捕らえたレーヴェンの一味を全員地下牢に拘束し、騎兵隊を解散させ、それぞれ宿舎に戻らせる。 人騒がせなホイットニーには、明日以降尋問すると言い、侍女が使う部屋に戻らせた。 「お前にはまだ聞きたい事が沢山ある。」  そう言って私は、アデリナを自分の宮に連れ帰った。  「はあい……」 これから怒られると思っているのか、アデリナはやけに大人しく返事をする。 城で寝ずに待機していたランドルフが、私の脱いだ外套を受け取った。 ベルで雑用の侍女達を呼び、指示をした。 「先に風呂に入れてやれ。その間に軽い食事の用意を。」 「はい。畏まりました。陛下。」 しゅんとした様子のアデリナは、複数の下働きのメイド達に連れられて風呂へと向かった。  ……なぜか彼女を自分の宮に返したくなくて、ここへ連れて来たのだが。 「陛下……大丈夫でしたか?」 「ああ……ランドルフ。問題ない。」 いくら夜遅くても自分より先に寝た事がない優秀なランドルフが、心配してくれているのが分かる。 おそらく奴隷少年達の件で、アデリナは明日から大臣達の非難を受けるだろう。 だが問題ない。 すでに解決策は用意してあるから。 軽い食事と少量のワインを一気に流し込み、それから風呂に浸かった。 ◇ 「王妃陛下は寝室でお待ちです。」 「そうか……もうお前達も下がっていい。」 宮の衛兵とメイド達を部屋の前から退かせる。 扉を開けると、厚い夜着を着たアデリナが目に飛び込んできた。 クブルクは寒い国だ。 暖炉に薪が焚べてあり、パチパチと音を奏でている。 「あ……の、陛下。」 
last updateLast Updated : 2025-07-09
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※ローランドの長い夜.溢れ出して止まらない

 「ほん、っとうに申し訳ありませんでしたあああああ!」 唐突にアデリナが首を垂れ、大きな声で謝罪を始める。全力で。 「私はそのっ、本当に悪い事考えてたわけじゃないんですよ? ……信じて貰えないかもですけど。 それにあの子達だって、変態貴族に売られそうになっていた訳ですし…? その、人助けの一環と言いますか」 珍しく言い訳をするアデリナが、ちょっと子供みたいで面白い。 イタズラを隠す子供のように目を泳がせ、指をモジモジと弄ぶ様は何とも…… こんな一面がまた見れた。 それがとても新鮮で……… 「アデリナ。」 どうしても堪え切れない衝動に駆られてしまう。  一昨日より昨日。昨日より今日。 これまで私が目を背け、知らずにいたアデリナを知るのが楽しくて仕方ない。 「ロー…ラン、ド?」  名前を呼び、思わず彼女の白い肌に触れる。 自分でも驚くほど、甘い声だった。 淡い白い照明の光が二人の輪郭を照らす。 久しぶりに触れた頬は柔らかく、気持ちが良い。 これまでは何処か遠慮がちに触っていた筈なのに、今夜は気持ちが全く違う。 ただ早くアデリナに触れたいという気持ち。 薄青紫の瞳が、照明に照らされて幻想的に映し出された。 ……本当に私の妻はとても美しい。 どうしてこれまで、アデリナのこの魅力に気づかなかったのだろう。 それに、実は夫の事を想う、健気な心の持ち主だという事実に。 あの少年達の笑顔を見れば分かる。 看病の時だってそうだ。 ただ言葉が、やる事成す事全部が、不器用なだけ。確かにいつも私を労ってくれていた。 だから今は彼女が何をしても、下手な言い訳をしても、きっと全てを許してしまうだろう。 &he
last updateLast Updated : 2025-07-10
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※ローランドの長い夜.溢れ出して止まらない

 前に進んでアデリナを引き寄せる。 それから少し目を伏せ、アデリナの顎を掴んだ。 「……え?」 駄目だ。なぜそんな顔をする。  まるで今初めて触れられたような、初めて男を知ったような顔を。  ……そんな顔をして私を見るな、アデリナ。 今夜は互いに疲れている。 だからそんなつもりはなかったのに、もう止められなくなってしまう。 「アデリナ……」 「ローランド?ちょっ……待っ」 確かに態度は悪かったが、初夜以外に彼女に拒まれた事はない。 だが今は逃げ腰なのが分かる。 しかし今夜は一段と拒否されたくない。 そのまま流れる様に、彼女の柔らかい唇にキスをした。 「ん………っ!」 これまでアデリナに、こんな風にキスしたいと思った事もなかったのに。 驚いた様に目を見開いて、吐息を漏らしたアデリナ。ますます愛おしさが込み上げる。 そのまま衝動的に彼女をベッドに押し倒した。 これまで、こんな風に強引にしようとした事なんかなかったのに。 体が勝手に動き、心が激しく躍動する。 今夜はどうしても彼女が欲しい。 彼女の体に触れて、満たされたい。 その中に入りたい。 疲れているせいか? 「っ、……はあっ、アデリナ……」 漸くキスから解放したのに、薄っすらとした照明の中で見おろした彼女の姿にまた驚く。 「っ、ローランド、本当に待っ……」 待ってと言いながら何だ、その真っ赤な顔は。 真っ赤な耳は。 今までそんなウブな反応をした事なんかなかったのに。  ……もうこれ以上、本当に止
last updateLast Updated : 2025-07-11
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